所有しているマンションの売却にあたり、ハウスクリーニングの必要があるのかどうかについてお考えでしょうか?
マンション売却するのであれば、より高額で売却したいですよね。
「ハウスクリーニングをしたほうがマンションは高く売却できるのではないか?」というぼんやりとしたイメージをお持ちだと思いますが、本記事ではその疑問を解決いたします。
具体的には、
- ハウスクリーニングをするメリット
- マンション売却でハウスクリーニングが重要な理由
- ハウスクリーニングで意識すべきこと
- ハウスクリーニングが効果的な3つの箇所と費用感
- マンション売却においてハウスクリーニング以外にやるべきこと
- ハウスクリーニング業者の効果的な利用方法と選び方
について解説します。
「マンション売却を成功させたい」「少しでも高く売りたい」というすべての方にとって必見の内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
売却の内覧で重要な5ポイント~家を早く高額で売却しよう!
1、クリーニングをしてマンション売却するメリット
「マンション売却をするにあたってハウスクリーニングをするべきか」という問いの結論は、「すべき」だと言えるでしょう。
中古マンションは、「顔」が命です。第一印象や見た目がきれいであることと、そうでないのとでは雲泥の差が生まれます。ハウスクリーニングとマンション売却の関係について、まずは正しい認識を持っておきましょう。
(1)ハウスクリーニング次第で売却価格が数百万円変わる
ハウスクリーニングをしたマンションとそうでないマンションでは、売却価格が数百万変わることも少なくありません。
中古とはいえ、マンションは高額商品です。ほとんどの物件が数千万円規模の金額で取引されるわけで、売主にとっても買主にとっても人生最大の取引になる可能性大です。
もし自分が数千万円払ってマンションを購入するのであれば、少しでも綺麗なマンションを買いたいと思うのではないでしょうか。それだけ高額な買い物をするのですから、買主は当然シビアな目線になります。
不具合がなく特に問題がないマンション物件であっても、「何となく汚く感じる」「古く見える」といった印象の悪さだけで購入を見送ることはザラにあります。
このような理由を買主が売主に伝えない場合、売主はいつまでたってもその理由のせいでマンションを売却できません。
そこでオススメをしたいのが、ハウスクリーニングです。
プロの手によって素人にはできないような本格的なクリーニングをすることにより印象がアップすれば、それだけでマンションの売却価格が数百万円規模で高くなることも少なくないのです。
(2)ハウスクリーニングで価値を下げずにマンションを売却できる
ハウスクリーニングだけで、売却するマンションを新築のようにすることはできません。
設備は新築当時のまま交換していなければ売却時には旧式になっているかも知れませんし、今どきの間取りではないといった問題はリフォームをしなければ解決できないでしょう。
さすがにリフォームまでしてマンション売却をしても、そのリフォーム分を上乗せして売却できる可能性は低いので、せめて見た目の印象で損をしないためにもハウスクリーニングが妥当であるというのが「不動産投資の教科書」の考えです。
売却価格を高くするという「攻め」というより、損をしないための「守り」といえるでしょう。
(3)数万円のハウスクリーニングでマンションを高く売却できるなら安いもの
後述しますが、ハウスクリーニングはリフォームと違って100万円単位のお金はかかりません。
プロに任せる部分を工夫して業者選びを間違えなければ数万円から依頼することができます。
それでマンション売却の価格が高くなる(低くならない)のであれば、結果としてプラスと考えられるでしょう。
成功するマンション売却のためにハウスクリーニングを活用する方法を、次章より詳しく解説していきます。
2、マンション売却でクリーニングが重要な理由
マンション売却でハウスクリーニングはどういう位置づけなのか?どれほど重要なのか?といった疑問にお答えします。
(1)不動産業者と買主はマンションの「あら」を探している
マンションの売主がマンションを高額で売却したいのとは反対に、買主はできるだけで安く購入することを目指しています。買主候補だけでなく不動産業者も同様です。
安く買いたいと思ったら、、買主や不動産業者はマンションの「あら探し」をします。
「汚れがある」「何となく印象が良くない」といったことも含め、値引きの材料を探します。マンション売却でハウスクリーニングを活用すれば、そのあらを防ぐことにつながるでしょう。
むしろ、売却に際してハウスクリーニングをしたことが買主に伝わることは、
「誠実な売主である」
「この売主ならこのマンションを大切にしてきたに違いない」
「売主は本気で売却しようとしている」
など、印象面でプラスでしかないのでしょうか。たった数万円からのハウスクリーニングでこれだけ印象アップができ、買主の購買意欲を高められるのであれば安い費用だ捉えて良いでしょう。
(2)人間は高い買い物ほど慎重になる
中古マンションや中古車など、いずれも中古でありながら高額商品という意味で共通しています。人間は高い買い物になればなるほど、当然ながら慎重になります。何とかして安く買いたいという思いがあるのも、「失敗したくない」という思いがあるがゆえのことです。
内覧に来た買主候補はそのマンション物件に興味を持っていることは間違いありませんが、購入ありきではありません。もちろん他のマンション物件と比較検討しているでしょうし、比較検討している中でどれも買わないという選択肢も持っています。
相手にとって購入するマンション物件の代わりはいくらでもあって、どれも買わないという選択肢も含めて検討していることを忘れないでください。
3、マンションを売却するためのクリーニングで意識すべきこと
ハウスクリーニングで依頼すべき箇所がある一方で、自分で掃除できる箇所もあるでしょう。
そのすみ分けをどうするべきかなど、ハウスクリーニングをする際に意識して欲しいことを紹介します。
(1)マンションはどこが汚れやすいか
ご自身で居住しているマンションの、ずっと使用している箇所に汚れや劣化が生じるのは仕方ありません。
ハウスクリーニングはその中で「汚れ」を解決するための方法論です。
ハウスクリーニングに依頼するべき箇所は、「毎日使っていて汚れがひどく、素人では完全にきれいにするのが難しい箇所」です。
洗面台や浴室、トイレ、キッチンといった水回りは毎日使うことで自然に汚れが蓄積していきますし、どうしても素人だけでは取れない汚れもあるでしょう。水回りとキッチン、特にキッチンではレンジフードも頑固な油汚れがつきやすいので、ここもハウスクリーニングできれいにするのがオススメです。
(2)買主はマンションのどこを見ているか
買主はマンション購入にあたり、
- 水回りやキッチン
- 玄関
- ベランダ
など、「自分たちがよく使うであろう箇所」をよく見ます。
特にマンションは設備が充実していることがそもそもの売りなので、
- マンションに備わっている機能にどんなものがあるか
- そしてそれらがちゃんと使用可能かどうか
見られるポイントです。
玄関やベランダについてはプロでなくてもきれいにすることができるので、ハウスクリーニングではなくても十分かもしれませんが、玄関は第一印象を与える箇所です。
自分で買主目線になり、「綺麗な玄関だな」と思えない場合はハウスクリーニングを依頼しても良いでしょう。
(3)自分でできる整理整頓と掃除は基本
ハウスクリーニングはプロによる掃除です。
マンションのすべてをハウスクリーニング任せることもできますが、それだと費用が高くなるので、自分でできることは自分でやって、プロの手を借りるべきところだけハウスクリーニングを依頼しましょう。
年末の大掃除レベルの掃除であれば自分で行い、先ほど説明したような水回りやキッチンといった汚れの質が異なるような箇所をプロに任せるのが理想です。
(4)マンション売却にリフォームは必要ない
「ハウスクリーニングをするくらいなら、いっそのことリフォームすればもっと高額で売却できるのでは?」とお考えの方もいるでしょう。
考え方は正しいのですが、リフォーム費用は決してバカにできません。
リフォームをした分の費用を上乗せできる価格で売却できるとは限らないので、そこまでやるのは損になってしまう可能性があります。
あくまでも自分でできる掃除と、プロに任せるハウスクリーニングで十分です。
それでもリフォームしてから中古不動産を売却するか悩んでる方は「中古不動産をリフォームして、より早く高く売却する方法」も併せてご覧ください。
(5)ハウスクリーニングのタイミングは査定前
ハウスクリーニングのタイミングはとても重要です。
マンション売却を思い立ってから、ハウスクリーニングを実施するのにふさわしい時期は、ずばり「査定前」です。
仲介を依頼する不動産業者はこちらの味方ですが、査定と仲介依頼をする前にマンションのハウスクリーニングや掃除をした綺麗なマンションを見てもらい、査定してもらいましょう。
4、クリーニングが効果的な3つの箇所と費用感
何度か述べてきたプロに任せるべきハウスクリーニングの箇所。
ズバリ、水回りとキッチン、そしてそれ以外の箇所で頑固な汚れが目立つところです。ハウスクリーニングの定番と言えるこの3つの箇所について、それぞれの費用感をご紹介します。
(1)水回りの費用感
水回りは汚れて当たり前の箇所です。買主候補もその前提で見に来ているわけですが、そんな水回りが新築やモデルルームのような美しさになっていると、インパクトは絶大です。
浴室やトイレなど、よく掃除されていてキレイであればあるほど魅力を与えます。
水回りについてもどれも1万円前後ですが、おおよその相場を列挙します。
- 浴室:2万円程度
- トイレ:1万円程度
- 洗面台:1万円程度
- キッチンのシンク:1万5,000円程度
(2)キッチン、調理スペース回り
水回りの次に汚れる箇所であり、しかも汚れがあると気になってしまうのがキッチンです。何せ食事を作る場所なので、買主候補もそこがきれいかどうかは本能的に気になります。
シンクは水回りに含まれるので前項で相場観をご紹介しましたが、その他の部分の相場観は以下の通りです。
- レンジフード、換気扇:2万円程度
- 壁:1万5,000円程度
レンジフードや換気扇、壁、いずれにせよキッチンのこれらの調理スペースはしつこい油汚れがある場合が多いでしょう。
ハウスクリーニングでプロに掃除を依頼することを強くおすすめします。
(3)手が届かないところ、汚れが頑固なところ
水回りとキッチン以外で、ハウスクリーニングが有効な箇所についても相場観を見てみましょう。これらの箇所は自分でも掃除できますが、高齢の方で自信がないという場合や、汚れが頑固で手に負えないといった場合にハウスクリーニングを利用すると効果的です。
- エアコン:1万2,000円程度(1台あたり)
- 天井:2万円程度
- 壁:1万5,000円程度
- 床(磨きとワックス):1万円程度(6畳換算)
これらはすべて個別の箇所についての料金を主要なハウスクリーニング業者から拾い、相場観としてまとめました。実際に依頼する場合には複数個所を依頼することになると思うので、その場合は交渉によって値引きを適用することもできると思います。
5、マンション売却においてクリーニング以外にやるべきこと
この記事で解説しているハウスクリーニングは、マンション売却を有利にするためのものです。
しかし、マンション売却を有利にするためには、ハウスクリーニング以外にもやっておけることがあります。
ハウスクリーニングに加え、売却を成功させるためにとても重要なことなので、ぜひ実施してください。
(1)断捨離
家の中のモノが多いと、どうしても見る人に圧迫感を与えてしまい、部屋が狭く見えます。整理整頓で解決できるのであれば問題ありませんが、それだけで片付かない場合は、思い切って断捨離をしてしまいましょう。
この1年で全く使わなかったものは、思い出に関わるもの以外は捨ててしまうといったように、大胆にやるのがコツです。
断捨離をすると内覧時に部屋が広く見えるだけでなく、捨てる対象になるようなものがないのでモデルルームのようなスッキリ感、清潔感を演出することができます。
また、断捨離によってモノを減らせばマンション売却後の引っ越しでも荷物が少なくなるため、引っ越し料金が安くなるメリットもあります。
(2)内覧対応
マンション売却活動を始めると、必ずあるのが内覧です。不動産業者が広告を出すなど売却活動をした結果、そのマンションに興味を持ってくれた人がマンションを実際に見に来ます。
マンションを買うかもわからない他人が家に上がる、あまり気持ちの良いものではありませんが、この内覧で良い印象を与えられなければマンションの売却にはつながりません。
すなわち、マンション売却に向けて準備をしてきたことの集大成がこの内覧です。
ハウスクリーニングをして印象アップを狙うのも、この内覧で悪い印象を与えないためなのですから、内覧を大切にしたいところです。
どれだけ誠実な対応ができるかで、相手がマンションを購入したくなるかが左右されることもあります。
内覧に来てくれたことを歓迎して、心ゆくまで見ていってくださいという態度で臨めば、買主候補は売主に対しても良い印象を持つでしょう。
マンション売却は自分を売り込む作業も含まれているとお考えください。
(3)照明を明るくする
マンションの内部を買いたくなるように演出するお手本は、新築マンションのモデルルームです。ゴチャゴチャとモノが置かれていることはありませんし、当然ながら掃除が行き届いていてとてもきれいです。
しかし、モデルルームがキレイに見えるもう一つの理由は証明の明るさです。
生活をするにはちょっと明るすぎるかなと思える程度の照明にすると、内覧に来た人はモデルルームを見ているのに近い印象を受けます。
照明が切れたままになっているのは、貧乏くさいイメージを与えてしまうので絶対にしてはいけません。それまで使っていた照明より少しだけ明るいものに取り換えるだけで、マンション室内の印象がかなり変わるので、ハウスクリーニングに加えてさらに印象アップを狙いたい方は試してみてください。
(4)マンション売却査定は複数社に依頼する
マンション売却を最終的に依頼するのは1社ですが、それまでは複数の不動産会社に査定依頼を出して、広い視野で比較検討をするのが売却成功のコツです。
一括査定サイトを使えば一度の操作で複数の会社に査定依頼を出すことができるのでオススメです。
「60秒で査定!おすすめ不動産売却査定サイト10選【2021年版】」では主要な一括査定サイトの中から質の高い不動産会社が加盟しているサイトをご紹介していますので、こちらにあるサイトを使ってみてください。
6、クリーニング業者の効果的な利用方法と選び方
ハウスクリーニングをどの業者に任せるべきか?というのもひとつの悩みどころです。ここでは「不動産投資の教科書」がオススメするハウスクリーニング業者選びの方法を解説します。
(1)ハウスクリーニングが安くなる時期とは
できるだけハウスクリーニングの料金を安くすませたいというのは、誰しも共通することだと思います。そこで狙いたいのが、「閑散期」と「まとめて依頼」です。
ハウスクリーニングには、閑散期と繁忙期があります。繁忙期は忙しいので値引きにも応じてもらいにくくなりますが、その逆に閑散期であれば値引きにも柔軟に応じてもらえる可能性大です。
4月の新年度控えて引越が多くなる時期は、ハウスクリーニングの繁忙期でもあります。その逆に新年度のシーズンが終わった直後から秋までは閑散期なので、少しでも安くハウスクリーンを済ませたいのであればその時期が狙い目でしょう。
(2)安定感のある大手ハウスクリーニング業者
それでは、安定感のあるおすすめの大手ハウスクリーニング業者をご紹介します。
①おそうじ本舗
ハウスクリーニング業界の成長企業として知られ、全国展開をしている大手グループです。価格にもこだわりがあるため、うまく時期やキャンペーンを狙うと安く依頼することができます。
②ダスキン
ハウスクリーニングサービスだけでなく、「お掃除」に関する総合的な商品やサービスを展開する大手です。ハウスクリーニングの草分け的な存在でもあるので、安定感は抜群です。
まとめ
この記事を読み始めた方の中には、ハウスクリーニングくらいでマンション売却がそこまで有利になるの?と思っていた方もおられたことでしょう。しかし、最後までお読みいただき、その認識は変わったのではないでしょうか。
自分でやる掃除や整理整頓にハウスクリーニングを加えても、それでマンション売却が成功するのであれば安いものだというのは、ハウスクリーニングを活用して売却に成功した人に共通する意見です。ぜひその成功を実現するために、きれいなマンションで内覧者を迎えてください。