2000万円の運用方法として、どのようなものが考えられるでしょうか。?
2000万円というと、老後に必要とされる金額というイメージがあるでしょう。
高齢化社会や退職金の減少傾向に伴い老後資金の確保の必要性の高まりなどから、昨今の日本では、資産運用への関心が高まっています。
本記事をご覧の方のなかには、
- 2000万円貯金できたので資産運用でさらに増やしたい
- 老後に備えてなんとか2000万円の資金を集めたい
という方が多いと思います。
さらに、資産運用をするうえで、
- 「2000万円を老後の不安を解消できる金額まで増やしたい!」
- 「できるだけ安全に資産を増やしたい!」
- 「2000万円の全額や大半を失ってしまうのは絶対に避けたい!」
という思いは必ずあるでしょう。
毎月資産運用に興味ある方が数万人訪問するメディアである不動産投資の教科書が、「できるだけ安全に、さらに資産を増やして老後の不安を解消したい」という願いを叶える資産運用方法を本気で考えました。
ぜひ最後までお読みください。
この記事をお読みの方はぜひ「資産運用とは?|金融商品の種類、メリットデメリット徹底解説」も併せてご参照ください。
不動産投資のバイブル
- 不動産投資に興味があるけど何から始めていいか分からない…
- 営業マンのいうことを鵜呑みにして失敗したくない…
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- 今は不動産投資の始めどきなのか?
- 安定収益を得るための不動産投資物件の選び方
- 不動産投資の失敗例から学ぼう

目次
1、2000万円の運用について知る前に~老後2000万円問題は資産運用で解決できる?
今、注目を集めている「老後2000万円問題」。
2000万円の資産運用について知る前に、「老後2000万円問題」について、理解しておきましょう。
(1)老後2000万円問題とは
老後2000万円問題とは、金融庁が公表した報告書にて指摘された、以下の報告結果が発端となった問題です。
(2)老後2000万円問題の根拠と計算式
老後に2000万円が不足する根拠について、みてみましょう。
2017年の高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみ)における、毎月の赤字額の平均値(※)は、約5.5万円であるという統計データがあります。(2017年度の総務省『家計調査』)
※収入が年金のみであり、毎月の支出を引いた値の平均。
例えば、老後、20~30年の間、毎月の赤字額が5.5万円という状況が続くとすると、下記のとおりとなります。
- 20年:5,5万円×12ヶ月×20年=1320万円
- 30年:5,5万円×12ヶ月×30年=1980万円
以上の計算から、年金だけでは、老後におよそ2000万円が足りないという結論が出てくるわけです。
(3)老後2000万円問題を解決するなら資産運用
現在の日本では、老後2000万年問題の他に、老後について以下の問題が挙げられています。
- 男女共に長寿化
- 超少子高齢化
- 年金の減額
以上の問題を見ると、老後に2000万円が不足すると言われるだけの根拠は十分に揃っていると言わざるを得ません。
これらの問題を解決すべく、「資産運用」という方法が、今まで以上に重要な役割を果たすことになるのです。
2、2000万円を資産運用した場合のシミュレーション
実際に、2000万円を10年間資産運用した場合のシミュレーションをみてみましょう。
(1)2000万円を資産運用をしたら10年後には687万円の不労所得
2000万円を3%の利回りで10年間運用したらどうなるのでしょうか。
資産運用の方法はさておき、単純にシミュレーションをしてみると、以下のようになりました。
出典:http://www.fukuri.info/?p=2000&pu=10000&r=3&ro=on&t=10&tu=y
10年後には、2687万8,325円になっているので、687万円増えたことになります。
687万円は、2000万円を資産運用することによって得られたお金なので、不労所得にあたります。
「複利計算」というサイトでは、金額と利回りと期間を入力することで、簡単に複利シミュレーションをすることが可能です。
利回りや期間を変えてみると、2000万円がどれだけ増えるのかを、簡単に計算できます。
本項で紹介したシミュレーションは、「利回り3%」という資産運用において標準的な数字をもとに算出しました。
では、資産運用をせず、2000万円をそのまま持っていたら、10年後にはどうなっているのでしょうか。
(2)資産運用をしない場合との比較
2000万円を資産運用をせずに10年後を迎えたとすると、結果は以下のようになります。
①タンス預金
当然ながら2000万円のままです。
万が一、すべて盗まれたら、ゼロになってしまうリスクがあります。
②普通預金
大手メガバンクの普通預金金利は、0.001%です。
10年後についている利息は、2000円となります。
③定期預金
定期預金金利が高いベンチャー系銀行や地方銀行には、金利0.2%前後の商品があります。
上記のような場所で2000万円を10年間預けるとすると、利息は40万3615円です。
普通預金に比べると大分増えるように見えますが、資産運用で得られる600万円以上の運用益と比べると、まだまだ少ないでしょう。
3%で運用した場合と比べると、金利が高い銀行での定期預金と640万円ほどの違いが生じました。
もっと少ない元手であれば差も小さくなりますが、元手が2000万円となると、資産運用をするのとしないのとでは10年で640万円もの差が出てしまうのです。
運用期間が20年や30年と長くなり、さらに利回りが高くなれば、この差は1000万円以上になることが予想されます。
(3)資産運用が不労所得でなければならない理由
前項までは、すでに2000万円の貯金がある前提でお話をしました。
2000万円の貯金は、本業がなければなかなか貯められるものではありません。
本業がある人にとっては、運用資金を生み出す源泉となる本業に影響を与えるほど、資産運用に時間や手間をかけることはできません。
現役のうちは本業でお金を稼ぐことができますが、老後では難しい部分もあるでしょう。
不労所得は、決して「怠慢」ではありません。
いざ自分が働けなくなった時のために、お金が代わりに働く仕組みを作っておくことは、非常に必要なことなのです。
3、2000万円の資産運用を成功させるための3つのポイント
2000万円という大金を資産運用で失敗しないために、大切な3つのポイントを紹介します。
(1)リターンの裏にリスクは少なからずある
資産運用には、リスクは少なからずあります。
大きなリターンを得られる資産運用は、「ハイリスクハイリターン」と言われるように、基本的にはギャンブル性の高いものが多くなっています。
失敗すれば、使用した資産がなくなるだけでなく、場合によっては負債を抱えてしまうケースも考えられるでしょう。
運用の裏には、リスクがあるということを、決して忘れてはいけません。
(2)資産運用の目標を明確にする
資産運用は、「なんとなく」や「とりあえず」で行うものではありません。
目標をはっきり明確にしたうえで、資産運用をするということも大切なポイントです。
例えば、以下の3つの異なる考えを持っている方では、それぞれの運用目標も異なるでしょう。
- 「老後は存分に趣味を楽しみたいから2000万円の貯金では足りない」
- 「老後は最低限の生活ができればいい」
- 「そもそも現時点で2000万円の貯金なんてない」
具体的には、次の2点について、よく検討しましょう。
- 資産運用でいつまでにどれくらいの貯金をしたいのか
- 利率は何%を目標としているのか
経済のインフレ・デフレを見極めて、利率を元に資産運用をすることも大切です。
(3)儲け話を鵜呑みにしてはいけない
金融機関や郵便局などで受ける資産運用の勧誘を、そのまま鵜呑みにしてはいけません。
全ての勧誘が営業目的で、投資家にとって不利な儲け話だとは限りません。
しかし、少なくとも疑いを持つことは大切でしょう。
資産運用の情報収集を行うなかで、時にはその道に詳しい専門家や知人に話を聞くこともあるかもしれません。
ですが、最終的な投資判断をし、実行した投資に責任を持つのは自分です。
2000万円という資産を減らすことがないように、美味い儲け話は、丸ごと鵜呑みにしないことが重要です。
4、2000万円の資産運用で検討できる4つの方針
2000万円の資産運用では主に以下の4つの方針が考えられます。
- 安全優先(ローリスク・ローリターン)
- 少額投資可能な不動産投資信託(ミドルリスク・ミドルリターン)
- 安全優先な株式投資(ミドルリスク・ミドルリターン)
- 本格的な資産形成
※実際の資産運用方法については、次章にて詳細を解説します。
(1)とにかく安全を優先したいなら投資信託のインデックスファンド(ローリスク・ローリターン)
2000万円もの大金を資産運用という名のもとに失ってしまうのは、最悪の事態です。「不動産投資の教科書」がおすすめする、ローリスク・ローリターンで安全志向の資産運用法は、「インデックスファンド」です。
インデックスファンドでは、経済成長という長期的かつ安定的な運用効果が期待できるでしょう。
資産運用の重要な要素である「何もしないでOK」という点も満たしています。
インデックスファンドを用いて安全性を重視した2000万円の資産運用については、「5、おすすめの2000万円資産運用その1「インデックスファンド」」で解説します。
(2)少額から始められる不動産投資信託(ミドルリスク・ミドルリターン)
不動産投資を始めるには、一般的にまとまった資金が必要になります。
2000万円あれば不動産投資も視野に入るのですが、2000万円の大半をいきなり不動産に使うことに抵抗を感じる方も多いでしょう。
そんな時に検討したいのが、「J-REIT」です。
運用対象を不動産に限定した投資信託は、「REIT」と呼ばれています。
REITのうち、証券取引所に上場されているものが、「J-REIT」です。
J-REITによる資産運用については、「6、おすすめの2000万円資産運用その2「J-REIT」」で解説します。
(3)安全性を重視しながら株で資産運用(ミドルリスク・ミドルリターン)
株式投資というと、頻繁に売買をして利ザヤを稼ぐというイメージをお持ちの方が多いと思います。
株を長期的に保有して、配当と長期的な成長による株価上昇を狙う方法も可能です。
安全性を重視した株の運用なら、毎日のように株価チェックをしたり売買画面を開いたりすることなく、ほぼ放ったらかしで資産を増やすことができます。
株式投資はミドルリスク・ミドルリターンに該当しますが、その方法については「7、おすすめの2000万円資産運用その3「株式投資」」で解説します。
(4)本格的な資産形成をしたい
2000万円の現金という時点で、ある程度まとまった財産であると言えます。
数百万円から資産運用を始める人にとっては、2000万円クラスの資産を形成することが目標という方も多いでしょう。
2000万円という大金から資産運用を始める方の多くは、「本格的な資産形成」という目的となるのではないでしょうか。
「不動産投資の教科書」としては、2000万円の自己資金があるのであれば、以下の2つの資産運用をおすすめします。
- 不動産投資(現物不動産の賃貸経営)
- 不動産私募ファンド
不動産私募ファンドとは、本来は機関投資家など大口の投資家を対象にしたファンドです。
個人投資家向けに小分けにするサービスが人気を集めおり、まとまった資金があるのであれば高利回りが期待できるのでおすすめです。
2000万円から始める本格的な資産形成については、「8、おすすめの2000万円資産運用その4「マンション経営」」と「9、おすすめの2000万円資産運用その5「不動産私募ファンド」」で詳しく解説します。
5、おすすめの2000万円資産運用その1「インデックスファンド」
(1)インデックスファンドとは
インデックスファンドとは、投資信託の一種です。
ベンチマーク(日経平均株価、TOPIXなど)と連動するよう運用されており、ベンチマークに含まれる企業に分散して、投資できる商品です。
日経平均株価は、日経225とも呼ばれるように、日本を代表する225銘柄の株価平均をもとに算出されたものとなります。
一方、TOPIXは東証一部上場企業の全銘柄の時価総額をベースに指数化したものです。
(2)インデックスファンドの魅力
インデックスファンドの魅力は、
- 特に株の勉強をしなくても良い
- 高い分散投資効果が得られる
- 手数料コストが安い
などがあります。
日経平均株価であれば、225銘柄に株式投資をしているのと同じ効果が得られます。
資産運用のリスク管理において、基本中の基本である「分散投資」が手軽にできるという点が魅力ではないでしょうか。
近年、特にアメリカの株式市場の成長基調が顕著です。
しかし、日本も「失われた20年」を経験しているにもかかわらず、10年前と今を比べると、3倍近くになっています。
インドや東南アジア諸国などの新興国株式は、長期的に上昇すると言われています。
新興国株式のインデックスファンドを購入しておけば、2000万円が2倍や3倍になっていてもおかしくない、というわけです。
(3)代表的なインデックスファンド3選
代表的なインデックスファンドを、3つほど紹介します。
①eMAXIS新興国株式インデックス
MSCIエマージング・マーケット・インデックスという新興国の株価指数と連動するインデックスファンドです。
②SMTAMダウ・ジョーンズインデックスファンド
アメリカの代表的な株式指数、ダウ平均と連動するインデックスファンドです。
③eMAXIS全世界株式インデックス
先進国や新興国などを含むMSCI ACワールド指数に連動するインデックスファンドです。
多少の上下変動はありますが、世界全体の株式市場が着実に成長している様子が分かります。
なお、インデックスファンドで資産運用を始める方法については、「低リスク低コストで資産倍増!最強の投資法インデックス投資のすべて」の詳しい解説をご覧ください。
「不動産投資の教科書」がオススメする証券会社や、資産運用の際に押さえておきたいポイントも解説しています。
6、おすすめの2000万円資産運用その2「J-REIT」
(1)J-REITとは
J-REIT(ジェイリート)とは、運用対象を不動産に限定した投資信託(不動産投資信託)のうち、証券取引所に上場されている銘柄のことをいいます。
不動産投資は、ミドルリスク・ミドルリターンの投資商品といわれることが多いです。
しかし、J-REITは、投資信託なので運用をプロに任せることができるため、初心者の方にも取り組みやすいというメリットがあります。
(2)J-REITの始め方
J-REITは証券会社の口座で、手軽に売買ができます。
J-REITを購入後、そのまま保有しているだけで、不動産運用益が決算ごとに分配金として支払われます。
J-REITの銘柄一覧や現在価格、分配金などについては「不動産投信情報ポータル」で最新情報を調べることができます。
(3)J-REIT銘柄の選び方
J-REITの銘柄選びや具体的な投資の方法については「不動産投資信託(REIT)で始める、資金10万円以下からの本格的な資産形成」で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
J-REITの全銘柄平均利回りは3~4%なので、間を取って3.5%だとしても、20年間の運用で3,979万5,766円になります。
40歳の時点で、2000万円が手元にあるのであれば、J-REITで運用すると60歳時には倍近くの4,000万円に近い資産を手にすることができます。
一定程度のリスクを取りながら手堅く、長期的な視野で資産を増やすのであれば、J-REITは有望な選択肢です。
7、おすすめの2000万円資産運用その3「株式投資」
(1)5%以上の銘柄もある株式配当の魅力
株式投資では、投資家が企業に出資して、株を購入します。
株を持っている人(株主)に対して、投資金額に応じて利益の分配をするのが、株式投資の基本的な仕組みです。
分配利益のことを、「配当」といいます。
企業の業績が良ければ配当も高くなるので、安定的に利益を出している会社の株を長期保有すると、資産運用としての機能を十分に発揮します。
以下は、「みんなの株式」という株式情報サイトで見ることができる、配当利回りランキングです。(2021年5月21日現在)
出典:https://minkabu.jp/ranking/stock/21/2/2/0/1
上記のランキングからは、上位の配当利回りなら「6%台」を中心に、高い銘柄だと「8%超え」のものもあることがわかります。
なかには、有名企業や、「大型銘柄」という時価総額が大きく株価が比較的安定している銘柄も散見されます。
以上のような銘柄を長期保有することで、資産運用効果が期待できるでしょう。
連続増配といって、何年にもわたって配当を増やし続けている企業もあります。
連続増配年数の上位は以下のとおりです。(2020年5月時点)
出典:https://moneytimes.jp/archives/5331
以上のような銘柄は、増配をすることにこだわりを持っていることもあって、長期的に株を保有していると、利回りの向上が見込めます。
増配をしていることで、投資家からの好感も良く、株価が下落しにくいので、長期保有に適しています。
(2)割安株を探して長期的な成長を資産形成に組み込む
長期保有を前提に株式投資をするのであれば、割安株を見つけ出して長期的な株価の成長を味方につける手法も、面白みがあります。
割安株を見つけるための指標といえば、以下のものが有名です。
- PER(株価収益率)
- PBR(株価純資産倍率)
「不動産投資の教科書」が推奨する割安株を探す目安は、以下のとおりです。
- PER:15倍以下
- PBR:5~1.5倍
上記以外にも、割安株を探すポイントがあります。
詳しくは「株のスクリーニング|初心者が株価を10倍以上に成長する銘柄を見つけ出す6つの手順」で解説しています。
諸条件から希望の条件に合う株の銘柄を探していく作業のことを、スクリーニングといいます。
割安株を見つける方法も、ぜひマスターしてください。
8、おすすめの2000万円資産運用その4「マンション経営」
(1)マンションオーナーで不動産投資のメリットを全部取り
2000万円もの元手があれば、不動産投資も十分視野に入ります。
不動産投資において、ローン返済はキャッシュフロー(すべての経費を差し引いた手残り金)に大きく影響します。
しかし、2000万円あればローンを利用せず現金で物件購入をすることも可能です。
仮に、ローンを利用するとしても、自己資金が大きいので、返済負担は少なくて済むでしょう。
2000万円の自己資金があることにより、ローンという大きな足かせがなくても投資ができるので、不動産投資のメリットを「全部取り」することもできるのです。
(2)狙い目は「区分マンション」
2000万円という投資規模で、不動産投資初心者の方が狙うのであれば、「区分マンション投資」がおすすめです。
ファミリータイプやワンルームなど、どちらであっても2000万円あれば、有望な中古物件がたくさんあります。
区分マンションを含む不動産投資は、物件選びが成否のほぼすべてを決めると言っても良いでしょう。
もう1つ忘れてはならないのが、不動産投資は「不動産投資会社」というパートナーが必要であるということです。
マンション投資のメリットとリスク、おすすめの不動産投資会社などについての概要は、「これからマンション投資は儲かる?安定収益を得るために知っておくべき5つのこと」にまとめています。
物件選びについては、より深く解説している「不動産投資の物件選び!失敗しないために知っておきたい9つのこと」にも、ぜひ目を通してみてください。
上記記事にあるノウハウを活用して、区分マンションオーナーになると、資産運用という枠を超えて本格的な資産形成を進めることができます。
資産形成をして、「資産家」の仲間入りも可能なのです。
(3)2000万円の資産運用で不動産投資をするメリット
不動産投資は、自己資金だけでなく「ローン」を活用することで、さらに高い投資効果を生むのが大きな魅力です。
他にも、以下のような長期的なメリットがあります。
- 不動産経営がうまくいかなくてもいざとなったら自分が住める
- インフレになっても現物資産があると影響を受けにくい
- リタイア後や病気など収入が途絶えても不動産収入は続く
- 優遇税制などを活用すれば相続対策になる
以上のメリットは、不動産投資全般に言えるものです。
長期的な視野で資産形成を考えたときに、インフレに強いことや「いざとなったら自分が住める」といったメリットは、大きな意味を持つでしょう。
本記事における「2000万円の全額を失うことは絶対に避けるべきである」という論点から、さまざまな資産運用を紹介しています。
不動産投資の場合は、どれだけうまくいかなかったとしても、不動産という現物資産が残ります。
最初の2000万円が、全くのゼロになる可能性はほとんどありません。
9、おすすめの2000万円資産運用その5「不動産私募ファンド」
(1)不動産私募ファンドとは?
不動産私募ファンドとは、間接的に不動産投資ができる投資商品です。
不特定多数の人がいつでも売買できるREITは、「公募ファンド」と呼ばれます。
一方、「不動産私募ファンド」は名称どおり、特定の投資家だけに売り出す私募ファンドです。
なぜ、私募ファンドが特定の投資家だけを相手にしているのかというと、投資規模がとても大きいからです。
基本的に、数億円規模の資金を調達するために組成されるファンドとなります。
2000万円あったとしても、一般投資家は募集対象にはならないのです。
上記のように、「一般投資家お断り」の不動産私募ファンドであるのに、なぜ一般投資家が資産運用をする価値があり、投資することが可能なのでしょうか。
次項からメリットと投資をする方法を解説します。
(2)利回り7%以上など、高利回りの理由
不動産私募ファンドの魅力は、何といっても「利回りの高さ」です。
あらかじめ、高い利回りが見込める案件を投資対象としており、投資を実現するために大口投資家から資金を調達するので、当然ともいえます。
以下で紹介するのは、不動産私募ファンドを募集している「トラストレンディング」が、募集している(もしくはすでに終了した)案件の利回りです。
出典:https://www.trust-lending.net/c010_home/v030fundlist
ご覧のとおり、12%を筆頭に10%前後の高い利回りがたくさん並んでいます。
すべてのファンドが10%前後の高利回りというわけではありませんが、おおむね7%を超えています。
J-REITよりも、全体的に高いというのは間違いありません。
(3)一般投資家が「私募」ファンドに投資できるワケ
「私募ファンドは、高利回りでも、一般投資家には門戸が開かれていないのでは?」という疑問が浮かぶのではないでしょうか。
仕組み自体は変わっていませんが、一般投資家の参入を可能にしたのが、「クラウドファンディング」です。
一般投資家から、小口の資金を集めて「大口投資家」となり、私募ファンドに投資するという仕組みです。
以上の仕組みを、特に「ソーシャルレンディング」といいます。
前項でご紹介した「トラストレンディング」も、ソーシャルレンディングを提供している業者です。
他にもソーシャルレンディングを提供している業者には、以下の会社があります。
①LC LENDING
②トラストレンディング
https://www.trust-lending.net/
③Owners Book
ソーシャルレンディングを利用した不動産私募ファンドでの資産運用の方法や、ポイントは、「不動産ファンド投資で定期預金の280倍のリターンを得る4つの行動」をお読みください。
タイトルの通り、定期預金の280倍という驚異的な利回りを実現する方法が詳しく書かれています。
10、資産運用の安全とハイリターンを両立させる方法
2000万円を大きく増やす方法として、資産運用方法を紹介してきました。
資産運用では、2000万円をいかに増やすかという「攻め」の方法論と同じくらい、2000万円を絶対に失わないための「守り」の方法論が大切です。
資産を守るために必要なのが、「ポートフォリオ」です。
(1)ポートフォリオとは
分散投資をするうえで、
- どんな投資商品に分散するか
- どの投資商品にどれだけの投資をするか
など、投資商品の種類と金額の組み合わせを考える必要があります。
資産運用において、以上のような分散投資の内訳のことを、ポートフォリオといいます。
例えば、ポートフォリオを組み立てる際の組み合わせは、以下のとおりです。
- ローリスク商品+ハイリスク商品
- 日本(先進国)+新興国
- 株式+債券+不動産
- 日本の不動産+海外の不動産
ポートフォリオの組み合わせは、上記のみならず無数です。
1つ目にあるような、「リスクが低いもの」と「リスクが高いもの」を組み合わせが基本となります。
「投資の安全度を2倍以上にする分散投資の4つの分散項目と5つの具体的な方法」でも述べているように、世界の経済は確実に成長をしています。
世界中の全投資商品に投資することができれば、リスクはとても低くなるといえるでしょう。
しかし、全投資商品への投資は、物理的に不可能です。
世界の投資マネーが、どこに向かってもトータルで損をしないポートフォリオを組むのが理想的です。
(2)2000万円の理想的なポートフォリオ
ポートフォリオの基本を踏まえたうえで、2000万円を資産運用するのであれば、どのようなポートフォリオが理想でしょうか。
リスク選好度別に、「不動産投資の教科書」がおすすめする3つのパターンを組んでみました。
①ローリスク&ローリターン型
最も安全性の高い国内株式のインデックスファンドとJ-REITが、全体の3分の2を占めています。
残りの3分の1は、新興国の経済成長に期待する形でハイリスク商品を組み込んでいます。
ハイリスク商品が仮に損失を出しても、比率が低いので影響を受けにくいポートフォリオです。
②ミドルリスク&ミドルリターン型
ミドルリスク投資の代表格は、現物不動産投資とJ-REITがメインとなる構成です。
不動産投資は、初期投資額も多めに必要なので、大半を現物不動産で構成します。
残りを、①と同じくミドルリスク型の「J-REIT」と、ハイリスク型の「新興国インデックスファンド」という配分で組み立てました。
③ハイリスク&ハイリターン型
少々のリスクを取っても、大きく資産を増やす可能性を求めたいという場合には、以下の投資商品の比率が高くなります。
- 不動産私募ファンド
- 新興国株式のインデックスファンド
しかし、2000万円の大半を失うというリスクを取るわけにはいきません。
低比率ながら、安全な資産を組み込んでいます。
紹介したポートフォリオは、ごく一例です。
本記事で紹介した投資商品のみで組み立てていますが、他にも投資商品は無数にあります。
ローリスク商品とハイリスク商品をどのように組み合わせると、期待通りの組み合わせになるかという参考にしてください。
まとめ
2000万円もの自己資金があれば、資産運用の選択肢はとても多くなります。
しかし、資産運用であればどのような方法でも良いかというと、そうではありません。
今回は、「不動産投資の教科書」が考える「有望な投資商品」と、それぞれの運用方法や始め方について解説しました。
本記事で紹介した資産運用方法のなかに、魅力的な資産運用方法は見つかりましたでしょうか?
どれを選んでも、高い運用効果が見込めます。かなり現実的な選択ができるでしょう。
最後に、「2000万円を失う」という最悪の事態を避けるために、分散投資とポートフォリオについて解説しました。
資産運用の成功には、「攻め」と「守り」の両方が欠かせません。
本記事でお伝えした考え方と具体的な方法を参考に、ぜひ大きな第一歩を踏み出してみてください。