「銀行に貯金してもお金が増えないから、投資型クラウドファンディングで資産運用してみたい」
「投資に興味があるけど、まずは少額から試したい」
投資と聞くと、「大金が必要で初心者には難しい」とイメージをする人も多いでしょう。
そんな方におすすめなのが、投資型クラウドファンディングです。
1万円から投資でき、インターネット上で手続きが完結できるため、投資の初心者でも手軽に始められます。
しかし、少額で始められると言っても、運用方法をしっかりと理解していないと、元本割れで損をするなどリスクも伴います。
本記事では、毎月不動産に興味ある方が数万人訪問するメディアである不動産投資の教科書が、
- 投資型クラウドファンディングの特徴や種類
- 投資型のクラウドファンディングのメリット
- 投資型のクラウドファンディングのデメリット
- 投資型クラウドファンディングでおすすめのプラットフォーム
- 投資型のクラウドファンディングの始め方
などについて解説します。
投資型クラウドファンディングの基本をしっかり理解して、安全に資産運用をしましょう。
この記事をお読みの方は、以下の記事も併せてお読みください。
クラウドファンディングの選び方
- 不動産投資型クラウドファンディングの概要
- 不動産投資型クラウドファンディングの
メリットデメリット - 不動産投資型クラウドファンディングの選び方
- おすすめのクラウドファンディングサービス
目次
1、投資型クラウドファンディングとは?
まずは、投資型クラウドファンディングについて簡単に説明します。
(1)クラウドファンディングについて
①投資型クラウドファンディングとは
投資型クラウドファンディングとは、資金が必要な企業や個人(出資先)に、出資者がプラットフォーム上で出資をして、利息や配当金などの利益を得る投資方法です。
②クラウドファンディングとは
クラウドファンディングとは、新規事業やプロジェクトを立ち上げたい企業や個人が、プラットフォームを利用して、不特定多数の投資家からお金を集める資金調達方法です。
③クラウドファンディングのプラットフォームとは
クラウドファンディングのプラットフォームは、お金を集めたい事業者と、出資したい投資家の間に立って両者をつなぐ役割をする、インターネット上のサービスです。
プラットフォームは複数の事業者が運営しており、各プラットフォームごとにサービス内容や方針が異なります。
出資者はプラットフォームに登録し、気に入った事業やプロジェクトに出資できる仕組みです。
(2)クラウドファンディングの変遷
日本でクラウドファンディングと聞くと、資産運用の要素がない、寄付型や購入型をイメージする人が多いでしょう。
しかし、2015年の金融商品取引法改正で、プラットフォームを運営する事業者の参入要件が緩和されたことなどを機に、投資型のクラウドファンディングの市場規模が拡大しました。
2017年度の国内クラウドファンディングの類型別シェア率は、投資型が90%以上を占めています。
参考:株式会社矢野経済研究所
(3)投資型クラウドファンディングの特徴
投資型クラウドファンディングの特徴は、以下3つです。
- 投資先はベンチャー企業や新規企業であることが多い
- 出資者が金銭的な見返りを受けることができる
- 市場規模が大きい
投資型のクラウドファンディングは、多くのベンチャー企業や、立ち上げたばかりの企業が資金調達の手段として利用します。
投資家は、出資した企業が利益を出すことで、利息・分配金などを受け取ることができます。
また、市場規模が大きいことも投資型クラウドファンディングの特徴です。
投資型クラウドファンディングの一つである「融資型」の市場規模は、非金融型である「購入型」の6.6倍の市場規模です。
2020年のクラウドファンディング市場規模
クラウドファンディングのタイプ | 市場規模(単位:億円) | 融資型は購入型の 2.2倍の市場規模 |
融資型 | 1,125 | |
購入型 | 501 |
市場規模が大きい投資型クラウドファンディングでは、伸びしろのあるベンチャー企業や新規企業に出資することで、大きな利益を得られる可能性があります。
(4)投資型クラウドファンディングの種類
投資型クラウドファンディングは、主に以下3種類です。
- 株式型
- 融資型(貸付型またはソーシャルレンディング)
- ファンド型
それでは、順に解説していきます。
①株式型
株式型で出資をすると、出資先企業の株式を受け取ることが可能です。
出資する時点で非上場企業でも、M&Aや株式上場を視野に入れている企業であれば、将来的に株価が上昇する可能性があります。
ただし、メリットだけではありません。
大きな利益を得られる可能性がある一方で、以下のようなデメリットもあります。
- 出資する企業の事業やプロジェクトが100%成功するとは限らず、倒産リスクが高い
- 受け取る株は未公開株のため、売却しにくい
以上のように、株式型はハイリスク・ハイリターンの投資型クラウドファンディングです。
②融資型(貸付型またはソーシャルレンディング)
融資型は、プラットフォームを通して出資先に融資をすることで、元本と利息を得られる仕組みです。
大口の資金を集めたい企業が、プラットフォームを通して多数の人から資金を募るため、出資者は少額からでも出資できます。
プラットフォームで募集される時点で利率が決まっていて、決まった利息を毎月受け取ることができる仕組みです。
利回りが高く設定されていることが多く、中長期の資産運用に向いています。
ただし、出資先の業績次第では、元本を回収できないリスクもあります。
案件を選ぶときは、利回りだけで判断せず、出資先やプラットフォーム運営会社の情報収集をしっかり行いましょう。
③ファンド型
ファンド型は、特定のプロジェクトに対して出資するタイプのクラウドファンディングです。
出資したプロジェクトが利益を上げると、利益に応じて出資者が分配金を得ることができます。出資者が得られる利益は、プロジェクトの売上によって変わります。
また、ファンド型では、金銭だけでなく商品が受け取れる場合も多いです。
高利回りが期待できる案件が多いですが、出資先の業績によっては配当金が0円の可能性もあります。ハイリスクな案件もあるため、注意が必要です。
投資型クラウドファンディングの3種類の特徴をまとめると、以下の通りです。
出資者の利益 | 出資の目的 | |
株式型 | 出資先の株 | 投資 |
融資型 | 元本、利息 | 融資 |
ファンド型 | 分配金、商品 | 投資 |
2、投資型クラウドファンィングのメリット4選
投資型クラウドファンディングのメリットは、以下4つなります。
- 少額から始められる
- 利回りが高いものも存在する
- 運用コストがかからない
- 手続きが簡単で始めやすい
順に見ていきましょう。
(1)少額から始められる
従来の投資は、一口数十万円など大金が必要な場合が多いです。
投資型のクラウドファンディングは、1万円からでも始められるため、まとまった資金を用意できなくても始められます。
(2)利回りが高いものも存在する
少ない額で始められるだけでなく、利回りが高いものが存在する点も、投資型のクラウドファンディングのメリットです。
プラットフォームによっては、7%~10%の利回り実績を持つものもあるため、大きな利益を得られる可能性があります。
(3)運用コストがかからない
投資型クラウドファンディングでは、出資者の運用コストが不要のため、他の投資方法よりも費用を抑えることが可能です。
たとえば、投資信託の場合、保有している間は運用管理費として運用コストがかかることがあります。
投資型クラウドファンディングのプラットフォームを利用する場合、費用は入金時の振り込み手数料のみが多く、購入時や運用コストがかかりません。
運用コストが不要のため、少額でも気軽に始められる点がメリットです。
(4)手続きが簡単で始めやすい
投資型クラウドファンディングのプラットフォームは、インターネットで手続きが完結できます。
プラットフォームへの会員登録で身分証の提出などが必要ですが、時間があるときにいつでも始められるため、投資初心者や忙しい社会人にも向いていると言えるでしょう。
3、投資型クラウドファンィングのデメリット・リスク4選
投資型クラウドファンディングはメリットだけでなく、下記のようなデメリットも存在します。
- 短期では利益が出にくい
- 元本保証はない
- 人気案件は応募が殺到する
- 基本的に途中解約はできない
それぞれ見ていきましょう。
(1)短期では利益が出にくい
投資型クラウドファンディングは、プロジェクトの利益や融資に対する利息など、中長期で利益を得るタイプの投資です。
そのため、短期で大きな利益を得たい人には向いていません。
(2)元本保証はない
出資先の企業の倒産や、プロジェクトが失敗した場合、元本保証されない点に注意が必要です。
高利回りでハイリスクな案件を避ける、出資先企業の情報収集を念入りにするなど、出資は慎重に行いましょう。
また、案件によっては、出資先が所有する不動産などを担保にして、元本割れのリスクを低くしているものもあるので、出資前に条件を確認することをおすすめします。
(3)人気案件は応募が殺到する
多くの投資家が注目している案件や、利回りの高い案件などの人気案件は、数分で募集終了となることもあります。
案件は募集前に情報公開されることも多いので、普段から小まめに情報収集をして、募集開始後すぐに応募することがポイントです。
(4)基本的に途中解約はできない
クラウドファンディングは、出資後から案件の運用期間中は基本的に途中キャンセルできません。
出資した案件が不成立の場合は返金されますが、基本的に途中でお金を引き出せないので、手元のお金をすべて出資することは危険です。
出資は計画的に行いましょう。
4、おすすめの投資型クラウドファンディング3選
ここでは、投資型クラウドファンディングにおすすめのプラットフォームをご紹介します。
(1)COZUCHI(コヅチ)
サービス情報
- 期待利回り(年利):4.0~10.0%
- 運用期間:3~24ヶ月
COZUCHI は、1999年に創業したLAETOLI株式会社が運営している不動産投資型クラウドファンディングです。
長年不動産に関わっている企業なので、不動産投資に関する知識やノウハウは十分にあり、信頼性の面で申し分ないサービスです。
投資先は、主に都心のマンションですが、人気レストランが入った物件なども取り扱っています。
平均的な期待利回りは4~10%程度と比較的高く、利回りを重視したい方にとって最適な不動産投資型クラウドファンディングサービスです。
また、COZUCHIは手数料を支払えばファンドの途中解約ができるので、急に現金が必要になった際も安心です。
(2)CREAL(クリアル)
サービス情報
- 期待利回り(年利):3.0~6.0%
- 運用期間:6~18ヶ月
累計資金調達額が152億円で、運営会社のクリアル株式会社は東証グロースに上場予定です。(いずれも2022年4月時点)
クリアルの最大の特徴は、クラウドファンディング事業・ファンド事業を通じて様々な種別のアセットを扱っている点です。
中古区分・中古一棟・新築一棟の他にも、
- ビジネスホテルなどの宿泊施設
- 保育園や専門学校などの教育施設
- オフィス
- ヘルスケア施設 など
さまざまな案件の種類が非常に豊富となっています。
案件の種類が豊富であるため、多くの案件に投資したい人にとっては投資対象を分散できるため、高い安全性のもと投資することができます。
(3)OwnersBook(オーナーズブック)
出典:不動産特化型クラウドファンディング『OwnersBook』
サービス情報
- 期待利回り(年利):4.0~5.6%
- 運用期間:19~36ヶ月
貸付型の累計投資額は280億円を超えています。
運営会社のロードスターインベストメンツ株式会社は東証プライム上場のロードスターキャピタル株式会社の100%子会社で、確かな信頼のもと投資をすることができます。
また、オーナーズブックでは出資者の募集方法として、「先着方式」と「抽選方式」があります。
一般的に、募集方法は先着方式であるため、投資をしたいと思っても案件を獲得することができないという状況が生まれていました。
しかし、オーナーズブックは、案件によっては抽選方式を採用しているため、今までなかなか先着で案件を獲得することができなかった人にもチャンスが増えることになります。
5、投資型クラウドファンディングの始め方
それでは、実際にどのように投資型クラウドファンディングを始めればいいのか、気になってきた人もいるのではないでしょうか。
投資型クラウドファンディングを始めるには、登録手続きなどに1週間~2週間程度かかる場合があります。
気になる案件にすぐに応募できるように、計画的に準備してください。
- クラウドファンディングの事業者を選ぶ
- 会員登録・口座開設をする
- 案件を選ぶ
(1)クラウドファンディングの事業者を選ぶ
クラウドファンディングの事業者が運営するプラットフォームによって、公開されている案件や投資のタイプが変わります。
- プラットフォームのコンセプト
- 投資タイプ(株式型・融資型・ファンド型など)
- 手数料
- 平均利回り
などを確認し、あなたの理想に近いプラットフォームを選びましょう。
(2)会員登録・口座開設をする
プラットフォームを利用するには、会員登録・口座開設が必要です。
会員登録には、マイナンバーカードなどの身分証による審査があり、審査や口座開設には1~2週間かかる可能性もあります。
登録の流れは事業者によって異なるため、プラットフォームの公式サイトを確認してください。
(3)案件を選ぶ
口座開設を終えたら、開設した口座に出資金を入金し、案件を選びます。
案件を選ぶときは、各案件に記載されている
- プロジェクトの目的、内容
- 利回り
- 運用期間
- 注意点
などをしっかりと理解した上で出資しましょう。
以上の手順を終えれば、今日からあなたも投資型クラウドファンディングの投資家です。
出資金額は無理のない範囲で設定し、安全に資産運用してください。
まとめ
投資型のクラウドファンディングは、金銭の見返りがない非金融型とは異なり、資産運用の性質を持っています。
安全に資産運用するためにも、
- 株式型
- 融資型
- ファンド型
それぞれの特徴をしっかりと理解した上で、出資することが大切です。
また、投資型のクラウドファンディングは、案件によってはベンチャー企業の応援など、社会貢献の側面も持っているので、投資で社会の役に立ちたい人にもおすすめです。
あなたも今日から、投資型クラウドファンディングのデビューをしてみてはいかがでしょうか。