今回は、事業資金の調達方法の手段である「融資」についてご紹介いたします。
融資について、「聞いたことはあるけど詳しくは知らない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
資金調達の方法として企業を経営する上で、資金は必要不可欠です。
当記事では、融資とは何なのかメリットやデメリット、種類をご紹介いたします。また融資を受けれない人の特徴、より高額な融資を受けるための方法も解説いたします。
これから融資をご検討の方は、ぜひ参考にしてみてください。
不動産投資のバイブル
- 不動産投資に興味があるけど何から始めていいか分からない…
- 営業マンのいうことを鵜呑みにして失敗したくない…
- しっかりと基礎から学び、できる限りリスクを避けたい…

- 今は不動産投資の始めどきなのか?
- 安定収益を得るための不動産投資物件の選び方
- 不動産投資の失敗例から学ぼう

目次
1、融資とは?
融資とは、企業が資金調達を行う際の借入方法の1つです。簡単にいうと金融機関から「お金を借りること」です。
言葉は聞いたことがあるけど、詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。
融資は、これから起業を目指す方やすでに起業している方にも、おさえておいてほしい重要な資金調達方法です。
この章では、出資と借金の違い、融資のメリット・デメリットについてご紹介いたします。
(1)融資の特徴
①出資との違い
事業用の資金調達方法として、出資という方法もあります。融資と出資の大きな違いは、返済義務の有無です。
融資は借入ですので、返済義務が生じるうえに借りた金額に対して、利息の支払いが発生します。対して出資とは「返済しなくてもよいお金」になります。
また、融資は金融機関や公的機関から資金調達をするのに対して、出資は投資家やベンチャーキャピタルから資金を調達する方法です。
融資の場合はいくら借入しても経営権に影響は出ませんが、出資の場合は、出資比率によって資金提供者が経営権を握ることになります。
②借金との違い
融資も簡単に言うと「お金を借りること」ですので、借金ですが、利用目的が異なります。前述にもあったように、融資とは法人や個人が、事業のためにお金を借りることです。
対して借金とは、消費のためにお金を借りることです。
ここで指す消費とは、家賃や公共料金、日々の生活費、娯楽費などです。つまり、借りたお金で新たな価値や資産を生み出せない借り入れを「借金」と呼びます。
借金に複雑な手続きはなく、キャッシングや消費者金融などからお金を借りるため、融資に比べて、審査が厳しくなく借りやすいという特徴があります。
ただ、その分金利が高いので注意が必要です。
(2)融資のメリット・デメリット
融資には、メリットとデメリットがあります。もし融資をご検討なのであれば、必ずデメリットの部分をきちんと理解しておきましょう。
①融資のメリット
融資のメリットは以下の3点です。
- 必要な分の資金調達ができる
- 経営権に関係なく資金調達ができる
- 融資を受けることで実績が作れる
融資を受けることで、銀行との信頼関係を築くことに繋がります。
日頃から良い関係を築くことで、次の融資に繋げやすくなりビジネス拡大時にも融資を受けやすくなります。
②融資のデメリット
融資のデメリットは以下の3点です。
- 返済の義務
- 書類作成・書類請求・面談などの作業が生じる
- 審査が厳しい
融資には、返済の義務があるため、万が一会社が倒産しても返済義務は残ります。
また、借りている期間は、利息の支払いも必要です。
出資や投資の場合でも、事業が発展すれば利益を分配することになりますが、受けた資金の返済義務はありません。
銀行も、営利目的で運営されています。
融資を受ける多くの企業と同様に株式会社の形態をとっており利益を上げ、株主に還元することが目的です。そのため厳しい審査を行いリスクマネジメントを行います。
2、企業融資の形態
企業が金融機関から融資を受ける方法は主に以下の4種類です。
- 手形割引
- 手形貸付
- 証書貸付
- 当座貸越
この章では、それぞれの内容や特徴についてご紹介いたします。
(1)手形割引
手形割引とは、企業が所有している手形(約束手形・為替手形)を銀行に買い取ってもらうことで資金を調達する方法です。
具体的には、手形割引を依頼する人が第三者である金融機関や、割引人に手形を買い取ってもらい換金することを指します。
手形割引を利用するメリットとしては、以下のような4点が挙げられます。
- 手続きが比較的簡単
- 資金調達が素早くできる
- 審査が通りやすい
- 金利が安い
手形を現金化する際には、融資を受けた日から返済日までの利息や手数料が差し引かれます。
(2)手形貸付
手形貸付とは、約束手形を担保に銀行から融資を受ける方法です。
手形貸付では担保を設定せず、手続きが簡単なので、ほとんど1年以内の短期貸付です。
そのため、売上金入金前の運転資金の補填や、繋ぎ資金の調達に利用されるケースがよくみられます。利用する代表的な業種は、IT企業、建設業などが挙げられます。
(3)証書貸付
証書貸付とは、一般的に借用書と呼ばれている「金銭消費貸借契約証書」による契約の締結によって貸付を行う融資手法となります。
銀行融資の形態でも広く知られている方法で、一度の借り入れごとに金銭消費貸借契約証書
を作成、登記簿、連帯保証人の押印、印鑑証明書等を用意する必要があります。
証書貸付は、融資の審査が厳しく実行までの期間も長いことから、短期融資には向いていません。返済期間が1年以上の長期融資に使われるのが一般的です。
(4)当座貸越
当座貸越は口座の残高が不足した際、設定された限度額までは自由に資金を貸し借りできる融資形態のことです。
契約期間内であれば、借りたままにもできるのがメリットとして挙げられます。
必要な時に必要な分だけ、資金調達を行えるので、借りる側としてはメリットだらけの形態です。
反対に、銀行側としてはリスクの高い融資になりますので、審査が厳しいということが特徴として挙げられます。
3、融資の種類
融資には、公的融資と民間融資の2種類あります。代表的なものでいえば、政府系金融機関である「日本金融金庫」。
民間のものは皆さん身近な「銀行」といわれる、民間の金融機関です。公的なものが良いというわけではなく、自社にとってどちらが利用しやすいかという視点が重要です。
この章では、公的融資と民間融資の2種類について紹介いたします。「自社にとってどちらが最適か」という視点でご覧ください。
(1)公的融資
公的融資とは、国や自治体を通してお金を借りることを指します。
公的融資制度を実施している代表的な機関は以下の3つです。
- 日本政策金融公庫
- 商工組合中央金庫
- 地方自治体
公的融資制度を利用するメリットとしては、民間の金融機関に比べて審査が通りやすい点と、金利が低く返済負担が少ない点の2点が挙げられます。
しかし融資実行までに一ヶ月以上時間がかかるので、資金調達をお考えの方は前もってスケジュールを立てる必要があります。
(2)民間融資
公的融資に対して民間融資は、その名の通り民間の金融機関から融資を受けることを指します。民間融資と聞いて一番イメージしやすいのは、銀行からの借入です。
全国各地に金融機関が設けられているため、何か困ったときに、すぐに問い合わせしたりや相談したりすることが可能です。
また、民間融資は公的融資に比べて、短期間で融資を受けられます。ただ創業時は信用がないため、融資を受けることのハードルが高いという特徴もあります。
4、融資を受けられない人の特徴
友人に「お金を貸して」と言われたら、あなたはどうしますか?
おそらく、「誰にでもすぐに貸せる」という方は少ないのではないでしょうか。
お金は、『誰に貸すか』がとても重要で、自分がお金を貸すときに、重要視するポイントが誰しもあるでしょう。
「昔助けてもらった経験があるから」「必ず返してくれると信頼しているから」「仲の良い友達だから」など、理由は人によってそれぞれです。
人間関係の理由は多岐に亘りますが、企業と融資をしてくれる金融機関の間には、ある程度の基準が存在します。
この章では、融資を受けられない人の特徴6選を紹介いたします。自分が、現時点で当てはまっている項目がないか確認してみてください。
(1)自己資金が足りていない
自己資金とは、引き出し可能な預金等を含む、手元にある現金のことを指します。
ただ手元に現金があればOKということではなく、出どころが不明のお金はいわゆる『見せ金』と判断されてしまい、融資を受けられる可能性が低いでしょう。
自己資金は、あくまでその人の「計画性」が信頼できるのかの判断材料となるのです。
見せ金と判断されてしまう例としては、
- いきなり通帳のお金が増えている(※通帳半年分はチェックされます)
- 会社設立後の資本金に相当するお金が引き出されている
などがあります。
必要な自己資金の目安として、日本政策金融公庫で融資を受ける場合の最低ラインは、融資希望額の1/10です。
1,000万円の融資を希望している場合は、最低でも100万円が必要とされています。
(2)税金の滞納や未納がある
国営・民間など関係なくどこから融資を受けるにしても、支払うべき税金を支払っていない場合、融資を受けることは難しいでしょう。
今までサラリーマンをしていたという方は、会社が税金を給与から天引きしているため、滞納や未納の心配はいりません。
注意が必要なのは、すでに開業している方です。
個人事業主の場合、収めてなければならない税金は、
- 所得税
- 住民税
- 事業税
- 消費税
などが挙げられます。
また、法人が収めなければならない税金は、
- 法人税
- 法人住民税
- 事業税
- 地方法人特別税
- 消費税
の5つが挙げられます。
公的金融機関である日本政策金融公庫であれば、尚更です。
期日内にきちんと収めるのがベストですが、融資を受ける前には必ず未納や滞納分を全額支払っておきましょう。
なお、年金や健康保険の資料提出は、現状必要ないようです。
(3)家賃や水道光熱費の支払いが遅れている
家賃や水道光熱費の支払いの遅延も同様です。
どの金融機関でも支払うべきお金を、支払えていない人に融資することはできません。家賃や水道光熱費はその人がきちんと生活できているのかという指標になります。
そのため、半年分の支払いがきちんとできているか、必ず確認されます。
公共料金をコンビニで支払っている人は、必ず領収書を控えておくように注意してください。
また、通帳から引き落としの場合は、支払い日よりも前に残高があるかきちんと確認しましょう。
(4)携帯電話の支払いが遅れている
「携帯電話の支払い程度で?」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、携帯電話の支払いが遅れてしまうと、信用情報にその旨が記載されてしまいます。
日本政策金融公庫は信用情報をチェックするため、支払いが遅延していると融資を受けられなくなる可能性が高くなります。
あまり知られていない部分ではありますが、融資を受けるためには、支払いが遅れていないという事実が大変重要になります。
将来お金を借りる予定がある方は、絶対に遅延しないようにしましょう。
(5)金融機関から借入している
カードローンやキャッシング、消費者金融での借り入れをしたことがある方は、融資を受けることが難しいでしょう。
前述の項目からもわかる通り、融資する側は信用できるかどうかを判断しています。
(6)面談時の態度が悪い
融資を申し込むと、必ず担当者と面談を行うことになります。
面談は大体30分〜40分程度で行われ担当者に事業内容などを質問されます。聞かれやすい質問は以下の4つです。
- 自己資金をどうやって作ったか?
- 融資を希望する理由
- 事業内容について
- 家賃や公共料金などの支払いの遅れについて(未納・滞納している方の場合)
もちろん事業計画がしっかりしている事も重要ですが、それと同じくらい面談も重要です。
横柄な態度で参加するのではなく、あくまでも謙虚な態度で臨みましょう。
5、より高額な融資を受けるためのポイント
銀行などで融資を受ける際には、創業時や事業規模が小さい状態では、高額な融資を受けることは難しいと思います。
今後ビジネスの拡大のため、高額な融資が必要な方は、以下の3つの方法を検討してみてください。
- 自己資金を増やす
- 借りて返すを繰り返す
- 日本政策金融公庫を利用する
(1)自己資金を増やす
基本的に、融資額は「自己資金の10倍」という指標があります。
そのため、もちろん自己資金が増えれば受けれる融資額も増額します。
(2)借りて返すを繰り返す
より高額な融資を受けるためには、金融機関から「信用」を得ることが重要になります。
そのためには、「借りたお金をきちんと返済する」ということが重要です。いきなり大きな額の融資を狙うのではなく、借りれる範囲の額を積み重ねることで、信用が蓄積され高額融資を受けることができます。
(3)日本政策金融公庫
公的融資である日本政策金融公庫は高額な融資を受けやすいです。
日本政策金融公庫では、「事業開始から2期以内の場合、融資限度額3,000万円」までの創業融資を受けることができます。また金利が低い上に返済期間が長いというメリットもあります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
融資は企業がキャッシュ面で安定する上で、非常に有効的な資金調達方法の1つです。メリットもある反面、デメリットもあります。
融資をご検討の方は、きちんと事前準備を行い計画を立てましょう。