ローリスクの投資から始めたい……。
このように考える投資初心者の方は、多いのではないでしょうか。
老後2000万円問題や年金の不足問題から、将来に備えて、預貯金だけでなく資産運用も取り組んでいかなければならないこれからの時代。
しかし、投資の知識やスキルに自信がなく、損失を出すリスクを負いたくないと考えて、なかなか一歩を踏み出せないという方は多いでしょう。
「ローリスク投資」は、投資初心者の方におすすめしたい投資方法です。
ローリスク投資なら、損失を出すリスクを最小限に抑えたうえで、堅実に資産を増やせます。
今回は、
- ローリスク投資とは?
- ローリスク投資をするメリット
- ローリスク投資をするデメリット
- ローリスク投資なら絶対避けたい!初心者にありがちな投資の失敗例
- ローリスクのおすすめ投資方法4選
などについて紹介していきます。
そもそも投資について知りたい方は、「「投資とは?」を理解するだけで30年後のあなたの人生はこんなに変わる」、資産運用について知りたい方は「おすすめ資産運用方法9選を徹底比較!具体的な始め方と内容」も合わせてご覧ください。
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目次
1、ローリスク投資とは?
ローリスク投資とは、大きな損失が出るリスクの低い投資です。投資の種類によっては、損失を出すことなく確実に利益が得られるものもあります。
ただし、ローリスクな投資は、ローリターンでもあります。ローリスク投資は、堅実にコツコツと資産を増やせるものの、大きな利益は見込めません。
本章では、ローリスク投資の基本的な特徴について、解説します。
(1)投資にリスクはつきもの?
投資というと、少なからずリスクはつきものです。
しかし、ローリスク投資であれば、リスクはほとんどありません。
ローリスクではないほとんどの投資は、元本が保証されていません。投資に失敗すると、投じた資金がゼロになってしまったり、借金を負ってしまったりするリスクもあります。
一方で、ローリスク投資のなかには、元本が保証されているものもあります。ローリスク投資であれば、投じた金額が減ってしまうことはありません。
(2)ローリスク投資が向いている人
ローリスク投資は以下のような方に向いています。
- 投資の初心者
- 少しずつでもお金を増やしていきたい方
投資の初心者であれば、まずはローリスク投資から始めるのがおすすめです。
知識や経験のない人が、いきなりハイリスクな投資から始めると、大きな損失を出してしまうことも少なくありません。
リスクを避けるためにも、最初は「ローリスク投資」で、投資の知識や経験を身につけましょう。
ローリスク投資は、少しずつ堅実にお金を増やしていきたいという人にも、向いています。
一方で、投資で一発当てたいという方には、ローリスク投資は向きません。
2、ローリスク投資をするメリット
ローリスク投資には、主に以下のメリットがあります。
- 大きな損失を避けられる
- ほったらかしのものが多い
ここでは、それぞれのメリットについて紹介していきます。
(1)大きな損失を避けられる
ローリスク投資の最大のメリットは、大きな損失を避けられることです。
投資の種類によっては、元本保証によって投資したお金が減らず、損失そのものを避けられるものもあります。
(2)ほったらかしにできるものが多い
ローリスク投資は、さまざまな種類がありますが、ほったらかし投資ができるものも多くあります。
投資信託はその一例です。自分のお金を預けた先がそのお金を運用し、利息や利益の分配金がもらえるという仕組みになっています。
預け先がお金を運用してくれるので、投資家自身が運用しなくて良いため、手間がかかりません。投資家は、一度お金を預けてしまえば、あとはほったらかしで資産を増やせるというわけです。
投資信託は、「投資をしたいけど時間がない!」という方に、非常におすすめの投資といえるでしょう。
3、ローリスク投資をするデメリット
ローリスク投資には、主に以下のデメリットもあります。
- 利回りが低い
- 自由にお金を引き出せないものもある
それぞれのデメリットについて説明していきます。
(1)利回りが低い
ローリスク投資は、「利回り」が低いのがデメリットです。
利回りとは、投資額に対する利益の割合です。例えば、100万円の投資をして、年間で5万円の利息や配当があった場合、年間の利回りは5%になります。
ローリスク投資の利回りは、投資の種類によっては1%を大きく下回ります。
1年単位で見ると、極く僅かな資産しか増やせないものも少なくありません。
(2)自由にお金を引き出せないものもある
ローリスク投資の金融商品は預入期間が決まっており、一定期間お金を自由に引き出せないものも多く存在します。
途中で引き出すことも可能な場合もありますが、途中で引き出すと最終的な利回りが低くなったり、解約手数料がかかったりすることもあるため、注意が必要です。
4、ローリスク投資なら絶対避けたい!初心者にありがちな投資の失敗例
リスクの少ないローリスク投資でも、失敗する確率がゼロというわけではありません。
特に、初心者の場合、主に以下の理由から投資に失敗してしまうケースがあります。
- 勉強を一切しない
- 集中投資をしがち
- 自己資金以上の取引をする
それぞれ順に見ていきましょう。
(1)勉強を一切しない
投資を成功させるためには、勉強が不可欠です。ほったらかしのローリスク投資でも、例外ではありません。
しかし、残念なことに、運用業者のなかには、投資初心者をカモにした詐欺まがいの業者も存在します。勉強不足で知識がない場合、悪徳業者に騙されやすくなるのです。
逆に、知識さえあれば、投資詐欺なのか否かの判断ができるようになり、詐欺被害を受けるリスクも低くなります。
詐欺にあわないため、そもそも投資に失敗しないためにも、投資を始める前に基本的な知識を身に付けることが大切です。
(2)集中投資をしがち
投資の初心者は、1つの投資対象や金融商品に集中して投資してしまいがちです。
しかし、リスクを低くするうえでは、複数の投資対象や金融商品に分散して投資する「分散投資」が重要です。
例えば、金融商品Aにのみ投資していた場合、Aで10万円の損失が出れば、そのまま10万円の損失になります。
しかし、金融商品AとBに分散投資していた場合、Aで5万円の損失が出てもBで5万円の利益が出れば、合計の損失額は0円です。
以上のように、分散投資をすれば、どこかで損失が出ても他のものでカバーできるので、資産全体の損失リスクを低減することが可能です。
(3)自己資金以上の取引をする
投資のなかには、自己資金に数倍のレバレッジをかけて取引できるものもあります。
例えば、株式投資の信用取引は、自己資金のおおよそ3倍での取引が可能です。
不動産投資も、金融機関から融資を受けて、自己資金以上の額の物件を購入できます。
レバレッジをかければ、利益が数倍になりますが、損失が出たときのリスクも大きくなります。
不動産投資は、自己資金だけで始めることは厳しいものです。投資初心者であれば、株式投資などの自己資金以上の信用取引をするのはできるだけ控えましょう。
5、ローリスクのおすすめ投資方法4選
ローリスクでできるおすすめの投資は、以下の4つです。
- 個人向け国債
- 定期預金
- 投資信託
- 不動産投資型クラウドファンディング
(1)ローリスク投資その1.個人向け国債
「個人向け国債」は、個人を対象にした国が発行する債券です。
債券とは、次のような機関が、投資家からお金を借りるときに発行する借用証書のようなものです。
- 国や地方自治体
- 金融機関
- 企業 など
国債を購入すると、国にお金を貸したことになります。投資家には、定期的にこのお金の利息が支払われるのです。
個人向け国債には、以下の3種類があります。
変動10年 | 固定5年 | 固定3年 | |
金利タイプ | 変動金利 | 固定金利 | 固定金利 |
満期 | 10年 | 5年 | 3年 |
適用利率 | 基準金利×0.66 | 基準金利-0.05% | 基準金利-0.03% |
いずれも、購入単位は1万円です。
利息の支払いは、半年ごと0.05%の最低保障金利があるため、貸した金額に対して最低でも0.05%は利息がつきます。
国債は国が発行元なので、デフォルトリスクが極めて低く、債務不履行の心配がほとんどありません。
安心して投資できるローリスク投資の1つです。
(2)ローリスク投資その2.定期預金
定期預金は、預入期間が決まっている預金です。
普通預金に比べると、金利は高めに設定されているものの、原則として満期まで預け入れなければなりません。
自由に引き出しができないのが、定期預金の大きな特徴です。
定期預金は、元本が保証されているため、預けた資金が減ることはありません。
定期預金の金利は、金融機関によっても異なりますが、年利0.01~0.03%のところが多くなっています。ローリスク・ローリターン投資の典型ともいえます。
(3)ローリスク投資その3.投資信託
投資信託は、運用の専門家が投資家たちから資金を集め、そのお金をもとに分散投資をするタイプの金融商品です。
国内外の株式や債券、不動産や金など、投資対象となる資産は、いろいろな種類があります。
投資信託で出た利益は、分配金として投資家たちに分配されます。運用を専門家に任せるため、初心者でも手間をかけることなく利益を出すことが期待できるでしょう。
利回りは、ファンドによって幅が広く、10%以上のものからマイナスのものまでさまざまです。
投資信託は、まとまった金額のリターンを得ることも期待できる反面、損失を出すリスクもあります。個人向け国債や定期預金に比べれば、ハイリスク・ハイリターンであるといえるでしょう。
アクティブファンドや新興国株式を投資対象とするファンドなど、ものによってはそれ自体がハイリスク・ハイリターンに位置づけられる商品もあります。
ローリスク投資であれば、「インデックスファンド」を選ぶのがおすすめです。
特に、国内債券を対象とするインデックスファンドは、ローリスク・ローリターンの投資信託の代表的なものの1つです。
外国株が入っている商品であれば、GAFAなど世界的に大きな企業が対象となっているインデックスファンドもおすすめです。
インデックスファンドについては、「低リスク低コストで資産倍増!最強の投資法インデックス投資のすべて」に詳しく解説してありますので、ぜひご一読ください。
失敗しない投資信託の選び方については、「資産運用初心者が陥りがち?! おすすめしない投資信託5選」をご覧ください。
(4)ローリスク投資その4.(不動産投資型)クラウドファンディング
不動産投資型のクラウドファンディングでは、運営事業者が投資家から資金を集め、その資金をもとにして不動産投資を行います。
投資家には、運営者の利益が分配される仕組みです。
不動産投資型のクラウドファンディングの投資資金は、投資家だけでなく、運営事業者も一部負担しています。
損失が出た場合は、運営者の出資した資金から優先的に差し引かれるため、一般の投資家は、元本割れのリスクが低くなっているのが特徴です。
利回りは、案件にもよりますが、3~6%程度のものが多くなっています。最低投資金額も、運営事業者によって違いますが、多くは1万円から投資が可能です。
クラウドファンディングについて、詳しくは、「投資型クラウドファンディングとは?【今日からできる少額投資】」をご覧ください。
まとめ
投資にはリスクがつきものですが、ローリスク投資であれば、リスクを最小限に抑えたうえで資産を堅実に増やすことが可能です。
ローリスク投資を足掛かりとして、投資の知識や経験も身につけていけば、ゆくゆくはミドルリスク・ミドルリターンやハイリスク・ハイリターンの投資にもチャレンジしやすくなります。
これから投資を始めて、資産を増やしていきたいという方は、まずは「ローリスク投資」から始めてみてはいかがでしょうか。