中古の不動産は新築不動産より安い価格で購入することができることから、中古不動産の購入を検討されている方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、中古不動産のメリット・デメリット、指値の交渉方法、いい中古不動産の選び方などについて詳しく理解していない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、
- 中古不動産の価格上昇?最新中古物件の価格動向
- 中古不動産のメリット・デメリット
- 中古不動産購入時の注意点とは?
- 中古の不動産購入時の諸経費
- 良質な中古不動産を探す方法
- 中古不動産を購入する流れ
- 中古不動産の指値交渉の方法
などについて書いていきますので、中古不動産の購入を検討されている方のご参考になれば幸いです。
【中古住宅物件購入のメリット・デメリットと注意点】物件の選び方を解説
目次
1、中古不動産の価格上昇?最新中古物件の価格動向
下記グラフを見ていただければ分かりますが、2014年9月に発表した最新のデータでは、東京23区の中古マンションは先月に比べ、+0.5%で3ヶ月連続の上昇となりました。
出典:東京カンティ
2、中古不動産のメリット・デメリット
まず、新築不動産と比較して、中古不動産のメリットについて見てみましょう。
(1)中古不動産のメリット
中古不動産は大きく以下のようなメリットが挙げられます。
- ① 初期費用が安く抑えられる
- ② 個人売主が多く、消費税がかからない物件が多い
- ③ 日当たりなど物件の状態を確認することができる
- ④ 周辺近隣の状況を確認することができる
では、それぞれについて見ていきましょう。
① 初期費用が安く抑えられる
新築不動産と比較して、中古不動産の最も大きなメリットは初期費用が安く抑えられることでしょう。
中古マンションの場合は、築年数の浅い物件であっても、新築物件の7〜8割前後の価格で購入することができます。
例えば、新築分譲時は2,000万円のマンションでしたら、中古で購入すると1,400万円前後で購入することができ、初期費用としてかなり安く抑えられると言えるでしょう。
② 個人売主が多く、消費税がかからない物件が多い
新築不動産の場合、一般的にはディベロッパーが売主になり直接販売される事が多いです。ディベロッパーは課税事業主でなるため、不動産の本体価格を別に消費税を加算されることになります。
例えば、不動産の販売価格が2,980万円の場合、消費税は別途加算されますので、実際購入する場合の価格は「3,200万円前後」になります。
一方、中古不動産の場合、売主は個人が多くなります。売主が個人の場合は非課税になりますので、表記した販売価格がそのままの購入価格になります。
従って、同じ販売価格の不動産であっても、新築で購入するより中古不動産の方は消費税がかからないのでその分安く購入することが言えるでしょう。
③ 日当たりなど物件の状態を確認することができる
一般的には、新築不動産は完成される前に分譲が終わってしまう事が多く、つまり、間取りなどの図面を確認するのと不動産会社の担当者の説明などで判断して購入を決められることがほとんどです。
一方、中古不動産の場合は、物件の設備、日当たりなどの状況を直接確認することができます。これは中古不動産の一つのメリットとして挙げられます。
④ 周辺近隣の状況を確認することができる
新築不動産の場合、近隣にどんな方が住むなどの情報は、実際住んでからでないと分からないです。
しかし、中古不動産の場合、物件下見の際に売主に確認することができます。例えば、騒音がすごい、近隣トラブルがあったかどうかなどの情報を確認した上で購入の判断をすることができます。
(2)中古不動産のデメリット
一方、中古不動産にはどんなデメリットがあるでしょう。
具体的には以下のようなデメリットが挙げられます。
- ① 担保力が低い
- ② 物件の間取りや設備が古く感じられる可能性がある
- ③ (建築年数が古い場合)耐震性などの心配がある
では、それぞれについて見てみましょう。
① 担保力が低い
中古不動産は新築不動産と比較して、金融機関にとって担保力が低いとされ、融資額は物件の評価価格の70%前後になる事が多いです。フルローンでの融資が難しく、ある程度の自己資金が必要になります。
② 物件の間取りや設備が古く感じられる可能性がある
新築物件は常に物件の住み心地や設備の使い勝手を追求し、建築時は最新の間取りや設備を取り入れることになりますが、少し築年数が古い中古物件は、間取りや設備が古く感じられる可能性があります。
③(建築年数が古い場合)耐震性などの心配がある
築年数の古い物件は、耐震性などが脆いというイメージがあります。
日本は1981年に「新耐震基準」が実施され、1981年6月以後に建築された物件は新耐震基準を満たしていると言えます。従って、中古不動産を選ぶ際に新耐震基準を満たした物件を購入することによって、耐震性などのリスクを回避することができると言えるでしょう。
3、中古不動産購入時の注意点とは?
いい中古不動産を購入ができるよう購入時の注意点を見てみましょう。
大きく以下の3つの注意点が挙げられます。
- (1)資産価値の落ちにくい物件を購入する
- (2)無理のない住宅ローン設定で購入する
- (3)ランニングコストをきちんと確認する
では、具体的に見て行きましょう。
(1)資産価値の落ちにくい物件を購入する
不動産は一生住むつもりで購入しても、転勤、転職など生活スタイルの変更により売却することも考えられます。
売却のことも考えて、資産価値の落ちにくい物件を選ぶことが大切と言えます。
では、どんな物件は資産価値が落ちにくい物件と言えるでしょう。
大きく以下のような条件が挙げられます。
- ① 立地がいい
- ② 管理状況がいい
- ③ 大手ディベロッパーが分譲した物件
など。
(2)無理のない住宅ローン設定で購入する
たとえ資産価値の落ちにくい物件を購入することができたとしても、無理な住宅ローンを設定し、返済ができなくなって、結果として、不動産を手放さなくていけなくなります。従って、自分に借りられる住宅ローンの金額を事前に知っておく必要があります。
① 融資受けられる金額は?
一般的には、住宅ローンは年収の7倍まで融資受けられると言われています。
例えば、サラリーマンの方で、年収500万円の場合、フルローンでは3,500万円まで借りられるという目安になるでしょう。
② 住宅ローンのリスクは?
現在はかなり低金利時代ではありますが、返済期間中に金利が上昇する可能性は十分にあると考えられますので、途中で返済が困難にならないよう、借入限度ぎりぎりの物件を選ぶのではなく、シミュレーションをし、月々返済できる上限額をきちんと認識した上で、物件を選ぶといいでしょう。
以下無料で利用できる住宅ローン返済シミュレーションツール、利用してみてください。
■ みずほ銀行住宅ローン返済シミュレーションツール
(3)ランニングコストをきちんと確認する
不動産を所有すると、月々の住宅ローンの返済の他にもランニングコストがかかる場合があります。
例えば、マンションの場合
① 毎月
- 管理費・修繕積立金
- (車を所有する場合)駐車場代
② 毎年
- 固定資産税・都市計画税
など、従って、住宅ローンのシミュレーションをする際に、こういったランニングコストを入れて返済額を決めるといいでしょう。
4、中古不動産購入時の諸経費
では、実際に中古不動産を購入する際の諸経費について見てみましょう。
具体的には以下のような諸経費がかかり、一般的には物件価格の8%前後と言われています。
- (1)売買契約書に添付する印紙代
- (2)不動産取得税
- (3)登録免許税
- (4)不動産仲介業者に支払う仲介手数料
- (5)火災保険などに加入した場合の保険料
- (6)固定資産税の清算金
- (7)(マンションの場合)管理費の清算金
- (8)(融資を受けた場合)融資事務手数料
なお、費用の詳細や節約する方法などについては、詳しく「不動産投資で失敗しないために知っておくべき14個のリスクまとめ」をご参照ください。
5、無料にできる住宅ローンの事前審査を利用する
住宅を購入する際に、住宅ローンの利用を検討されている方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
希望の物件がスムーズに購入が出来るよう、事前に住宅ローンの審査を受けておくといいでしょう。
以下のサイトにて、無料にて複数の金融機関に一度で審査申込が出来ますので、ぜひ利用してみてください。
住宅本舗
一方、「自営業」や「派遣・
6、良質な中古不動産を探す方法
上記「3、中古不動産購入時の注意点とは?」の注意点を踏まえて、予算、エリアなどの条件を決めて物件を選ぶようにしましょう。
以下にてオススメのポータルサイトをピックアップしましたので、ぜひ利用してみてください。
(1)三井のリハウス
(2)SUUMO
(3)HOMES
7、中古不動産を購入する流れ
では、中古不動産を購入する場合の流れを見てみましょう。
大きく以下のような流れになります。
- (1)購入物件の予算を決める
- (2)購入する物件の条件を決める
- (3)不動産会社を選ぶ
- (4)現地および物件確認
- (5)不動産会社に買い付け証明書を提出する
- (6)不動産会社の重要事項説明書の説明を受ける
- (7)売買契約を締結する(手付金を支払う)
- (8)(融資を受ける場合)住宅ローンの審査を受ける
- (9)決済、物件の引き渡しを受ける
なお、詳細の内容については、詳しく「不動産投資は意外と儲からない?それでも不動産を購入すべきの理由」をご参照ください。
8、中古不動産の指値交渉の方法
中古不動産は新築不動産より安く買えるとは言え、やはりもっと安く買いたい、つまり指値したいと思われる方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
では、不動産の指値交渉を有利に進めるにはどうすればいいでしょう。
具体的には以下の4つのポイントが挙げられます。
- (1)市場動向を知っておく
- (2)指値交渉の前に必ず売主の売却理由を確認する
- (3)物件の売却状況を細かく確認する
- (4)売主が納得するための根拠を明示する
なお、内容について詳しくは、「指値とは?投資でトクするために知っておくべき4つのこと」をご参照ください。
まとめ
今回は中古不動産について書きましたが、いかがでしたでしょうか。参考にしていただけたら幸いです。