前回「不動産「注目」の地方エリア【vol.5】札幌「唯一人口維持できる区」と名古屋「注目の3区」では区ごとに見た場合にどの地域が増加する可能性があるか確認してきました。
今回は100万人前後の都市も含めピックアップした都市は千葉市と京都市です。
それぞれの都市で区ごとに分けた場合、注目したいエリアはどこになるのか見ていきましょう。
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・千葉市で注目する2つの区は?
千葉市では、中央区と緑区に注目していきましょう。
まず中央区はその名の通り、千葉市の中心部です。
千葉市美術館などの文化の中心でもあり、Jリーグ・ジェフユナイテッド千葉のホームタウンでもあります。千葉県の交通の要衝といえるJR千葉駅を中心に商業施設が並び、金融機関や行政機関がそろう地域です。
人口は2015年に205,070人、2045年には206,967人と予測され、30年間で微増となりそうです。なお、ピークは2030年の212,805人と予測されています。
緑区には日本の都市公園100選にも選定された「昭和の森」があります。
東京ドーム23個分の広さであり良好な自然環境がのこされているため、家族連れに人気がある場所といえます。
都市中心に近いにもかかわらず多くの山林や農地もあり、JR外房線沿線の鎌取・誉田・土気地区では再開発により美しい街並が広がっていることが人気の理由でしょう。
人口は2015年に126,848人、2045年には135,819人と予測され、30年間でやや増加となりそうです。ピークは2035年の138,000人と予測されています。
・千葉市の地価は緩やかながらも上昇
千葉市の地価は、他の大都市と比較するとマイルドな上昇となっています。千葉市全体の2019年の公示地価は、平均で1㎡あたり14万7,547円となっていて、前年比で見ると+1.42%です。
中心部である千葉市中央区でも1㎡あたり平均19万7,991円、前年比+2.31%です。緑区は田園地帯が広がっていることもあり、1㎡あたり平均6万7,988円、前年比+0.24%となっています。
人口増加が見込める地域でもさほど平均からして上がっていないという点は、投資しやすい環境にあるといえるでしょう。
ちなみに緑区は人気のある地域でも1~2%の上昇にとどまっています。
・京都市で注目の2つの区
京都市は、中京区と下京区に注目しましょう。
まず中京区は1985年以降に人口10万人をきったものの、2005年には再度10万人を超え、現在は増加基調にあります。
中京区には、挙とホテルや島津製作所、京福電気鉄道などの上場企業も本社を構えており、二条城、御金神社などの観光スポットも多く存在します。
特に明倫学区における人口増加が顕著であり、マンションも増加していて古くから京都の商業、経済の中心地として栄えた地域でもありますね。
中京区の人口は、2015年に109,341人、2045年には114,671人と予測されていて、ピークは2035年の116,979人を予測しています。
人口変動がさほど大きくないため、安定的な家賃収入の確保も期待できそうと言えるのではないでしょうか。
下京区は、四条烏丸、四条河原と京都有数の繁華街を抱え、京都駅を軸に商業施設もそろうまさに中心です。
1970年に人口が116,200人いた下京区ですが、1975年~1995年あたりまで人口が減少しました。しかし1995年以降は都心回帰が進み、現在も人口が増加していて、2015年には82,668人、2045年には88,506人まで人口が増加する予測となっています。
ピークは2035年の89,727人の予測となっています。
・京都市の地価は大きく上昇
京都市内は、ここ数年のインバウンド需要のさらなる高まりや億ションとよばれる高級マンション建設などが影響し、地価は大きく上昇しています。
2019年の公示地価において、京都市平均で1㎡あたり37万5,395円、前年比+5.59%となっていて、中京区と下京区へと具体的にみていくとさらに上昇しています。
下京区では、2019年の公示地価平均で1㎡あたり101万9,703円、前年比はなんと+17.44%。中京区では、1㎡あたり98万148円で、前年比+12.82%となっています。
・短期的にも値上がり益狙いができそう
いずれの地区においても、大幅な上昇となっており、短期的には地価上昇によるキャピタルゲイン(値上がり益)狙いができるでしょう。
中長期においては、この地価上昇が続くかどうかはなんともいえませんが、人口が保てる地域としてみれば魅力があります。
家賃をコツコツと貯めていくことを狙いながら、キャピタルゲインも狙える地域として検討するとよいでしょう。