これをお読みの方には、大学進学、就職、転勤などのタイミングで家を借りる経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
家を借りるにあたっては、できれば少しでも安く住みたいのが借り手の心理でしょう。実は、家賃や敷金などの初期費用は大家さんや不動産業者との間で値下げ交渉することができます。
そこで今回は、交渉材料となる家賃相場を調べる所から家賃の値下げ交渉の方法についてまで書いていきます。次回引っ越しされる際の参考になれば幸いです。
目次
1、家賃値下げ交渉は借主側が有利だということを知る
賃貸物件の大家さんはできるだけ早く空室を埋めたいと考えています。しかし、下記グラフの通り空室率が上昇し続けているので、簡単に入居を決める事が難しいのが現状です。
2014年1月期の発表データでは、東京都の空室率は12.16%で、23区では11.89%となっています。こちらは東京のデータですが、空室率が上昇しているのは全国的な現象です。
出典:株式会社タス
したがって、家賃下げ交渉には借主側に有利な状況といえるでしょう。
2、家賃相場を知る
家賃減額の交渉方法として、「近隣の同スペックの部屋より家賃が高いから安くして欲しい」と主張する方法があります。そこで、事前に希望する物件の現時点の家賃相場を調べておきましょう。
インターネットで「家賃相場」というキーワードで検索することによって家賃を調べるサイトが出てきます。以下物件数が多いサイトを3つピックアップしましたので参考にしてみてください。
(1)HOME’S
(2)SUMMO
(3)CHINTAI
3、家賃を含めて値下げ交渉できる項目を知る
次に、家賃を含め値下げ交渉ができる項目を確認しましょう。具体的には大きく以下の6つの費用が挙げられます。
- 家賃
- 仲介手数料
- 敷金
- 礼金
- 管理費
- その他カギ交換代、保証料などの雑費
4、家賃値下げ交渉の方法
値下げ交渉は上記の6つの項目の中から最初に家賃について値下げ交渉をしましょう。
なぜ最初に家賃の値下げ交渉をするかというと、家賃が安くなれば、「礼金」、「敷金」、「仲介手数料」など家賃を基準に決めている費用も全て安くなるからです。
具体的な交渉方法としては、「2、家賃相場を知る」で記載した方法で家賃相場を確認した上、家賃相場との関係で以下のように交渉方法を変えて進めてみましょう。
(1)家賃が相場より高い場合
家賃が相場より高い場合は、まずは家賃相場を提示してそれより少し安い金額で交渉しましょう。例えば、家賃相場が6万円で家賃が6万5000円の場合、5万8000円で提案しましょう。その際、「この金額にしてくれたらすぐに入居を決めます」と伝えましょう。
(2)家賃が相場と同じ位か低い場合
一方、家賃が相場と同じ位か低い場合には、「家賃¥5,000下げてくれたら即入居を決めます。」と伝える所からスタートして、相手が応じてくれなければ徐々に減額の幅を下げていきましょう。
(3)ただ単に「家賃を安くして下さい」という交渉をしない
注意しなければならないことは、ただ単に「家賃を安くして下さい」という交渉をしないことです。大家さん側にもメリットとなることをセットで伝えましょう。具体的には「2年間以上の長期間住む予定ですし、家賃相場より高いようなので安くして下さい」などです。
5、その他の項目の値下げ交渉
続いてその他の項目の交渉方法について見てみましょう。以下の通りです。
(1)仲介手数料
仲介手数料とは、不動産仲介業者に支払う手数料のことをいいます。
一般的には家賃の1ヶ月分となりますが、最近では半月分の所やゼロという不動産仲介業者も多いようです。
昔と違って、今は不動産業者に物件検索をしてもらうのではなく、ほとんどの方はインターネットにて物件を検索してから不動産業者に問合せて物件を決めます。業者側の手間が減っているのに家賃の1ヶ月分も手数料として支払うのはもったいないと言えるでしょう。
仲介手数料は支払わなければいけない費用ではないので、ここはやはり出来る限り安くもしくは無料にしてもらえるよう交渉したいところです。
具体的な方法としては、「御社にお願いしたいと思ってるのですが、あまりお金がないので仲介手数料無料の会社経由で契約しようか迷っています・・・」と意味深に伝えましょう。
(2)敷金
敷金とは、家賃滞納や部屋にキズなどをつけた場合の修理代として事前に預けるお金のことです。大家さんとしては退去時に返さなければならないお金で利益とならないので減額交渉に応じてくれる可能性があります。
ただ、敷金がゼロになった場合は、退去時に目立った汚れや傷があった場合に修繕費等を負担しなければならない場合があるので注意しましょう。
(3)礼金
礼金とは、大家さんへの謝礼金として支払うお金のことです。家賃の1〜2ヶ月分と設定されていることが多いです。敷金の次はこの礼金の減額を交渉してみましょう。
賃貸市場として一番動きがにぶい夏のシーズンであれば、大家さんとしては、礼金をもらわなくてもいいから早く入居を決めたいという心理が働くので、減額できる可能性が高まります。
(4)管理費
管理費は実は家賃の一部といってもいい費用です。家賃を安く見せるために管理費という名目で別立てで毎月徴収しているのが管理費という費用です。実際に大家さんとしては、管理費と家賃を一体で捉えています。
ですので、家賃と同様に「4、家賃値下げの交渉方法」で記載した通りに値下げ交渉をしてみましょう。
(5)その他カギ交換代、保証料などの雑費
賃貸物件を借りる際の初期費用として、具体的には以下のような費用があります。
- 火災保険料
- カギ交換代
- 保証料
- サポートサービス
などの雑費があります。
任意となっている費用が多いため、請求されるままに支払うのではなく、まず「支払わなければ行けない費用なのか?」と確認し、任意な費用は節約しましょう。
費用の割合は少ないですが、任意費用をきちんと確認をすれば、数万円の節約はできるでしょう。
上記費用の他に、引っ越しの際に引っ越し費用もかかります。従って、事前に引越し費用の相場も抑えて費用交渉をしておくといいでしょう。
以下のサイトでは、無料にて一括に複数社の引越し業者の見積りを取得する事ができますので、ぜひ利用してみてください。
■ 引っ越し達人セレクト
6、家賃値下げ交渉上級テクニック
(1)不動産会社の担当者と仲良く
これが上級テクニック?と意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、家賃の値下げを実現するためには不動産会社の担当者と仲良くしておくことは非常に重要です。
というのは、大家さんなど値下げを最終的に決定する「決定権者」と直接話をして家賃を下げてもらうのは不動産会社の担当者なので、最終的に値下げできるかは担当者の頑張り次第と言っても過言ではありません。
そして、担当者に頑張ってもらうには親密な関係を築いておくことが重要でしょう。
具体的には、担当者の迷惑にならない程度にこまめに連絡を取りましょう。丁寧なメールのやり取りをすることもまた重要です。
(2)引っ越しを急いでいないなら交渉に有利な時期に交渉する
もし、引っ越しを急いでいないなら、「交渉に有利な時期=家賃を値下げしやすい時期」に交渉するようにしましょう。引っ越しが多い時期というのは、大家さん側もすぐに入居者が決まる可能性が高いので強気です。これに対して引っ越しが少ない時期には入居者が決まりにくいので、入居を決めるためにある程度の譲歩に応じてくれます。
では、交渉に有利な時期というのはいつでしょう。
それは「8月」です。
8月は引っ越しが少ないので、家賃交渉に有利な時期といえます。
(3)早く入居するから家賃を安くして欲しい、という交渉をする
以上の方法でも家賃の値下げをしてもらうことが難しければ、「早く入居するから家賃を安くして欲しい」という交渉方法があります。
これは、「返報性の法則(他人から利益を受けると返したくなる人間の心理)」を利用することにより値下げをしてもらう交渉方法となります。
例えば、引っ越しのタイミングが1ヶ月後でも2ヶ月でもいいという場合、大家さん側としては少しでも家賃発生のタイミングを早めたいと考えます。そこで、「本来は2ヶ月後に入居予定だったんですが、急いで1ヶ月後に入居するので家賃を安くして下さい」という交渉をしましょう。
例えば家賃が9万円の場合、大家さんとしては1ヶ月早く入居してもらえると家賃収入が9万円多くなります。このように家賃収入が多くなると、返報性の法則により、大家さんは家賃の減額に応じてくれる可能性があります。
(4)早く入居するから敷金or礼金を1ヶ月分安くして欲しい、という交渉をする
もし、「早く入居するから家賃を減額して下さい」という交渉が難しければ、「早く入居するから敷金か礼金を1ヶ月分安くして欲しい」という交渉をしましょう。
(5)フリーレントをつけてもらうなど家賃発生のタイミングをずらす
もし以上の方法で家賃や初期費用の減額が難しければ、家賃発生のタイミングできるだけ遅らせるよう交渉しましょう。具体的には、フリーレント(賃料無料期間)を1ヶ月つけてもらうよう交渉しましょう。
まとめ
今回は家賃相場の調べ方や家賃&初期費用を安く抑えるための交渉方法などについて書いていきましたがいかがでしたでしょうか。次の引っ越しのタイミングで賃貸物件を借りる際の参考になれば幸いです。