• アパート経営
  • 2022/12/22

100坪のアパート建築費用の相場は?構造別の建築費と諸費用について解説

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100坪の土地でアパートを建築する場合の建築費の相場を知りたい!

100坪のアパートの利回りや収益性は?

100坪の規模でアパート経営を検討している方にとって、アパートの建築費や収益性は最も気になる点ではないでしょうか。

この記事では、

  • 100坪のアパートの建築費用
  • 建ぺい率と容積率
  • 100坪のアパートのプランニング
  • 100坪のアパートの利回りと収益性
  • 100坪の土地にかかる税金
  • 実際にかかる費用の調べ方

について、不動産投資をはじめ投資に関する様々な情報を発信するメディア「不動産投資の教科書」が解説します。

100坪の土地を有効活用したい100坪を想定したアパート経営で老後を見据えた資産形成をしたい、と考える方の疑問や不安を解決できるでしょう。

アパート建築費全般について知りたい方は、「アパート建築費用の目安は?利回り計算から建築会社の選び方まで紹介」の記事も併せてご参照ください。

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目次

1、100坪のアパートの建築費用はいくら?

まずは、100坪のアパート建築費と、建築以外にかかる費用について解説します。

(1)構造別の坪単価と100坪アパートの建築費用相場

建物の構造別坪単価の相場は、下表の通りです。

木造(2~3階建て)57万円/坪
鉄骨造(2~4階建て)83万円/坪
鉄筋コンクリート造(主にマンション)86万円/坪

出典:地域別・構造別の工事費用表(1m2当たり)【令和3年分用】|国税庁の全国平均をもとに算出

建物の建築費用を表示する単位は、坪単価です。

坪単価とは建物の本体工事費を延床面積で割ったもので、1坪(約3.3平米)あたりの建築費用を表示することで、比較しやすいように単位が統一されています。

アパートの建築費は、構造ごとにおおよその建築費を把握しておくと考えやすくなるでしょう。

坪単価表をもとに100坪の建築費用を算出すると、下表の相場になります。

2階建て3階建て5階建て
木造9,120万円1億3,680万円
鉄骨造1億3,280万円1億9,920万円3億3,200万円
鉄筋コンクリート造1億3,760万円2億640万円3億4,400万円

※建ぺい率80%で計算。計算式:建築費用 = 敷地面積 × 建ぺい率 × 階数 × 坪単価

詳しくは後述しますが、坪単価から算出する建築費用は建物本体の工事費となり、別途付帯工事費やその他の諸費用がかかります。

(2)構造によって変わる建築費用

アパート建築は、採用する構造によって大きく費用が変わります。

構造の種類は、大きく木造鉄骨造鉄筋コンクリート造の3つに分けられます。後者になるほど強度や防音性が高く耐用年数も長いですが、建築費用が高くなるのです。

100坪の土地は、アパート建築には十分な広さであるため、構造や規模、駐車場の有無などさまざまな選択肢があるといえるでしょう。

(3)建築費以外にかかる費用

(1)構造別の坪単価」で算出した建築費用は本体工事費となり、他に付帯工事費と諸費用がかかります。

①付帯工事費

付帯工事費とは、ガスや電気、水道などのライフラインを整備するために必要となる費用で、アパート建築費全体の10~20%が目安となります。

地域事情により、給排水の引き込みやガス管工事にかかる費用が異なるので確認が必要です。

その他、駐車場を確保する場合や、オートロックなどセキュリティサービスを充実させる場合も別途工事費がかかります。

②諸費用

諸費用には、古い建物の撤去費用や地盤改良工事(必要な場合)、登記費用や税金、住宅ローン関連費用などが含まれます。全体の10%前後が目安となるでしょう。

付帯工事費も諸費用も、地域特有の事情や土地の整備状況により大きく差が出てくるものです。

実際の具体的な初期費用を知るためには、一括プラン請求の利用がおすすめです。一括プラン請求を使うことで、無料で複数業者の見積もりを取ることができるため、広い視野を持つことができる点が最大のメリットといえます。

2、100坪のアパート建築で注意すべき3つのポイント

この章では、アパート建築をプランニングする際に注意が必要な「用途地域の確認」、用途地域による「建ぺい率」、「容積率」について解説します。

(1)用途地域の確認

まずは、アパート建築を予定している土地の用途地域を確認しましょう。

用途地域とは、都市計画法に基づき計画的な市街地を形成するために、用途に応じて分けられたエリアのことです。

アパート建築予定の用途地域は、国土交通省のサイトで調べることができます。

参照:国土数値情報|用途地域データ(国土交通省)

用途地域は13地域あり、大きく分けると

  • 住居系(8地域)
  • 商業系(2地域)
  • 工業系(3地域)

の3タイプに分けることができます。

それぞれの地域で建てられる建物等の種類や大きさが、建ぺい率や容積率などによって制限されているのです。次項で、建ぺい率と容積率について説明します。

(2)建ぺい率とは

建ぺい率とは、土地の面積に対する建築面積(建物を真上から見たときの面積)の割合のことで、計算式は下記のようになります。

建ぺい率 = 建築面積 ÷ 土地の面積 × 100

建ぺい率はエリアによって差があり、

  • 都市部…80%
  • 住宅街…30~60%

となっているケースがほとんどです。

(3)容積率とは

容積率とは、土地の面積に対する延べ床面積の割合のことで、計算式は下記のようになります。

容積率 = 延べ床面積 ÷ 土地の面積 × 100

建ぺい率と同様、容積率もエリアによって細かく指定されています。

アパート建築予定の土地の建ぺい率・容積率を把握しておくと、建築するアパートのイメージができるでしょう。市区町村に問い合わせる方法が最も確実です。

3、100坪のアパートの部屋数とエリアごとに適した間取りとは

この章では、100坪のアパートの部屋数の目安とエリアごとに適したタイプのプランニングについて説明します。

(1)100坪アパートの間取り別の部屋数

100坪の土地は、具体的にどのくらいの広さなのでしょうか。

平米に換算すると、1坪 = 約3.3㎡なので、100坪 × 3.3 = 330㎡になります。6レーンの25mプール1つ分と同等の広さというと、イメージしやすいかもしれません。

仮に、アパート建築予定の100坪の土地で建ぺい率が60%だとすると、フロアの床面積は60坪です。

60坪(100㎡)の床面積であれば、

  • 単身者向けのワンルームや1K(20~25㎡)……1フロアに6~8戸
  • 2人暮らしやファミリー向けの1LDKや2DK以上(40~50㎡)……1フロアに4~6戸

が目安になります。

(2)エリアごとに適した間取りとは

アパート建築をプランニングする際には、建築予定の土地のエリアにはどの属性の人が多く住むか把握しましょう。

例えば、

  • 駅から近く交通の便がいいエリア……単身者や2人暮らしのニーズが多い
  • 駅から多少遠くても大学や大企業があるエリア……単身者のニーズが多い
  • 住宅地で学校やショッピングセンターなどが近いエリア……ファミリーのニーズが多い

ことが予想できます。

単身者であればワンルームや1K2人暮らしであれば1LDK以上ファミリーであれば2LDK以上がニーズに合った間取りとなるでしょう。

また、車が必需品になっているエリアで近場に駐車場を確保できない場合は、駐車場を設ける必要があります。駐車場を設けるケースでは部屋数が少なくなることが考えられます。

アパート建築予定のエリアが都市部であったり、地方でも駅近であればワンルームで部屋数を増やし、敷地内には駐輪場やバイク置場のみの物件でも十分ニーズがあるでしょう。

4、100坪アパート経営のメリット・デメリット

本章では、100坪の土地を活用する方法として、アパート経営を選ぶメリット・デメリットについて説明します。

(1)100坪のアパート経営のメリット

100坪のアパート経営のメリットは以下の通りです。

  • 収益性が高い
  • 節税効果が期待できる

①収益性が高い

アパート経営において、基本的には部屋数が多ければ多いほど、高い収益性が見込めます。坪数が広いか容積率が高いほど多くの部屋数をつくることができます。一般的なアパートの坪数は60~100坪だといわれているので、100坪の土地があれば十分な収益が見込めるアパートを建築できるでしょう。なお、顧客ニーズに合わせた設備やデザインを取り入れるなどすれば、より資産価値の高いアパートなるため、安定した家賃収入が得られます。

②節税効果がある

下表で、アパート経営をすることで節税対策になる制度をまとめました。詳しくは「6、100坪の土地の税金について解説」で解説します。

節税が期待できる税金

軽減制度

所得税

損益通算・経費計上

住民税

相続税

貸家建付地・賃貸割合

贈与税

特例贈与財産

固定資産税

住宅用地の特例

都市計画税

(2)100坪のアパート経営のデメリット

100坪のアパート経営のデメリットは以下の通りです。

  • 空室リスクがある
  • 駐車場が必要な場合、アパートの部屋数が減ってしまう

①空室リスクがある

アパート経営は、当然、空室であれば収入は得られません。空室が続くと、維持費や管理費だけがかかり、支出だけが増えてしまいます。アパート経営は区分と比較して、部屋数が多い分、全室空室であることは考えにくいため、多少のリスクは軽減できるでしょう。

②駐車場が必要な場合、アパートの部屋数が減ってしまう

都心から離れていたり、駅から離れていたりする場合、アパートの部屋数分くらいの駐車場が必要になります。駐車場を設置すると、建築できる面積が減るので、アパートの部屋数も減ることとなります。その結果、収益性が低くなってしまうかもしれません。

5、100坪のアパートの利回りと収益性

この章では、100坪のアパートの利回りの計算方法とシュミレーションツールの紹介、アパート経営のポイントについて解説します。

(1)利回りの計算方法

利回りには、主に「表面利回り」「実質利回り」の2種類があります。

①表面利回り

投資した元金から、どれだけ収益を得られたかで計算する利回りのことです。

計算式は以下の通りです。

表面利回り = (全室満室時年間収入 ÷ 建築費用) × 100

②実質利回り

表面利回りでは計算式に入っていない仲介手数料・税金などのアパート建築に必要な諸経費や、ランニングコストを加えて計算する利回りのことです。

計算式は以下の通りです。

実質利回り = (年間収入 − 年間支出) ÷  建築費用 × 100

実質利回りは、表面利回りよりも低くなりますが、現実的な利回りであるといえます。

建築費用の見積もりを出してもらう際は、どちらの利回りが設定されているか意識しましょう。

(2)シュミレーションツールを利用してみる

収支シミュレーション|利回り計算|不動産投資連合隊」を使うと、実際にどれほどの利益を得られるのかシミュレーションすることができます。

一目で収支や利回りがわかるため、一度試してみてください。

出典:収支シミレーション|利回り計算|不動産投資連合隊

(3)100坪アパート経営のポイント

100坪アパート経営のポイントとして、以下の2つが挙げられます。

  • 自己資金を多めに準備する
  • 信頼できる管理会社を選ぶ

①自己資金を多めに準備する

アパート経営は、区分マンション経営よりも建築費用などの初期投資が高くなります。さらに、初めてアパートを建築する場合は経営実績がないため、融資の審査も厳しくなります。したがって、初期費用の自己資金を多めに用意しておく必要があるのです。

目安として自己資金を1割以上準備して借入金を少なくすることで、月々のキャッシュフロー(手残り)も良くなり、安定した経営につながるでしょう。

②信頼できる管理会社を選ぶ

アパート経営は、20年以上におよぶ長期の事業です。

そのため、アパート管理がしっかりなされているかどうかは、収益性に大きく関わります。

建築予定の地域に密着した、管理実績のある管理会社を選びましょう。地域のニーズをつかむ情報収集という点から見ても、重要なポイントになります。

6、100坪の土地の税金について解説

この章では、100坪の土地にかかる税金について解説します。

(1)固定資産税・都市計画税

①固定資産税とは

固定資産税は、毎年1月1日時点の不動産の所有者に課せられる税金で、「固定資産税評価額」によって決まります。

固定資産税評価額は、公示地価価格の70%を目安に定められます。

②固定資産税の調べ方

すでに保有している土地であれば、納税通知書で確認できます。これから取得する予定の土地に関しては市区町村で確認できるので、調べておくことで固定資産税をどのくらい払うことになるか把握できるでしょう。

固定資産税の計算方法は、以下の通りです。

固定資産税額 = 土地の課税標準額 × 1.4%

③都市計画税

地域によっては、都市計画税がかかることがあります。固定資産税と同様、毎年1月1日時点の不動産の所有者に課せられます。

都市計画税の計算方法は、以下の通りです。

都市計画税 = 土地の課税評価額 × 0.3%

※税率は自治体によって異なる場合がありますが、0.3%を超えることはありません

④小規模住宅用地の特例

住宅用地のうち、一戸あたり200㎡以下の部分を小規模住宅用地といいます。賃貸住宅の場合、1戸あたり200㎡以下の部分に固定資産税と都市計画税の軽減措置があります。

軽減割合は、以下の表の通りです。

敷地面積軽減割合
固定資産税小規模住宅用地1戸あたり200㎡以下の部分1/6
一般住宅用地1戸あたり200㎡超の部分1/3
都市計画税小規模住宅用地1戸あたり200㎡以下の部分1/3
一般住宅用地1戸あたり200㎡超の部分2/3

小規模住宅用地の特例により、土地だけを所有するよりも、住宅(賃貸住宅を含む)を建てた方が固定資産税を大幅に軽減できるのです。

(2)相続税

相続税は、亡くなった人(被相続人)から財産を相続する人にかかる税金で、土地や建物を含む金銭的価値のあるほとんどのものが対象になります。

土地を相続した場合、土地の価値に応じて相続税評価額が決まり課税されます。

相続税に関しても小規模宅地等の特例により、土地だけを相続するよりも建物が建っていた方が相続税評価額が下がり、相続税を軽減できるのです。

ただし、2018年4月1日以後に経営開始した賃貸住宅の土地で、経営開始3年以内に相続が発生した場合は特例から除外されますので、注意してください。

参照:No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁

アパート経営全般にかかる税金については、「アパート経営の税金7種を解説!節税方法も説明します」で詳しく解説しています。併せてご参照ください。

7、100坪のアパートの建築費用を調べるには

最後に、100坪のアパートの具体的な建築費の調べ方と、費用を抑える方法を3つ紹介します。

(1)まずは土地活用サイトで一括見積

この記事では、100坪のアパートの建築費用の相場やプランニング時の注意点を解説してきました。

しかし、あくまでも相場であって、具体的にどんなアパートをいくらで建てることができるのかは、ハウスメーカーや工務店に見積もりを出してもらう必要があります。

土地活用サイトを利用すると、提携している会社から複数の見積もりを取ることができるため、効率的にプランニングができるでしょう。

不動産投資の教科書では、NTTデータが運営するHOME4Uをおすすめしています。

HOME4Uの特徴として、

  • 厳選した優良企業と提携している
  • NTTデータが運営している安心感
  • 提携している建設会社から最大10社までプラン請求先を選べる

といった点があげられます。

アパート経営において、複数のプランから最適な選択をすることが収益の最大化の観点から非常に重要ですので、一括見積もりをぜひ活用しましょう。

(2)建築費用を抑える方法

アパートの建築費用を抑える方法としては、以下の3つがあげられます。

  • 一括見積を利用する
  • 建築費用に含まれる「マージン」を考慮する
  • シンプルな設計にする

以下にて詳しく解説します。

①一括見積を利用する

まずは、複数社のプランを比較検討することで建築費用が抑えられます。アパートの建築費用は大きな金額になるため、似たような内容でも建築費用に差が出ることがよくあるのです。

出典:HOME4U

②建築費用に含まれる「マージン」を考慮する

大手メーカーに依頼をした場合、実際に工事を行うのは地元の工務店であるケースがあります。このケースでは、工事費用に大手メーカーのマージンが加算され建築費用が決まります。

そのため、工事を行う地元の工務店に直接依頼した方が建築費用が安く済む場合があるのです。見積もりは大手メーカーだけでなく、地元の工務店からも出してもらうと比較することができるでしょう。

③シンプルな設計にする

建物は、「ありがち」でシンプルな形状の方が建築費用を抑えられる傾向にあります。さらに、複雑な形状よりも部屋数を多く設けられるケースが多いでしょう。

一方、シンプルな形状では周囲との差別化を図ることが難しくなるため、地域のニーズや周囲の競合アパートを調べて選択することが重要です。

8、100坪のアパート建築費に関するよくある質問

(1)都市部ではワンルーム条例があると聞きました。詳しく教えてください。

都市部ではワンルームマンションの建築に対して、自治体ごとに

  • 専有面積の下限
  • 駐車場・駐輪場の附置
  • 隣地間距離
  • 目隠しの設置
  • ファミリー向け住戸の一定割合の設置
  • 建物使用規則の確認

など様々な規制を設けています。

ワンルーム条例の有無を含め詳細を知りたい方は、アパート建築予定の自治体に問い合わせてみましょう。

(2)建築会社は何を基準に選ぶといい?

アパート建築を検討している方は、とにかく建築費を抑えたいと考えるでしょう。しかし、建築費の安さだけで建築会社を選ぶのではなく、以下のポイントも考慮することをオススメします。

  • 建築実績が豊富で、初めてアパート建築する人のサポート経験がある
  • 親身になって相談にのってくれる営業担当がいる
  • 複数の選択肢を提案してくれる

(3)アパート建築のほかに100坪の土地活用方法はある?

はい。

HOME4U土地活用の提携先の中には、賃貸併用住宅やパーキングを扱う会社もあるため、さまざまな活用方法の中から選択することが可能です。

まとめ

今回は、100坪のアパートの建築費用の相場や、プランニングのポイント、さらには税金について解説しました。

100坪の土地は、アパートを建築するのに十分な広さがあるからこそ選択肢が多く、エリアの特性を活かしたプランニングが必要になってくるでしょう。

100坪のアパート経営の成功に、この記事が役立ちましたら幸いです。

 


フドウくん

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