マンションを売るときの理由としては、急に現金が必要になった、住み替えをしたくなった、あるいは子供が巣立っていったので小ぶりなマンションに買い換えたい、相続したが住む予定が無いので売りたいなど、様々な理由があるのではないでしょうか。
ここでは渋谷で不動産会社を経営する筆者が売却する前に気をつけておきたいポイントをご説明していきましょう。
目次
・売却前に気をつけたいこと(1)気になることは事前に直す
マンションで配管や設備などで気になることは事前に直しておく。直せなかった場合は、不動産会社にきちんと伝えておきましょう。
またリフォームなどで設備を変更している場合はきちんと把握して、図面などはきちんと保管しておく事が大事です。
戸建と違って基本的にマンションは大きな不備は出にくいものですが、売買契約書や重要事項説明で現況と異なることを記載して売却をしてしまいますと後々大きなトラブルの原因になりますので注意しておきましょう。
・売却前に気をつけたいこと(2)不動産会社
不動産の売却に関しては、大手だから安心ということは一切ありません。最も大切なのは、経験豊富で信頼できる担当者がいるかどうかでしょう。
不動産会社はレインズという不動産会社ネットワークにつながっており、情報の差は大手と中小で差はありません。
また契約書や重要事項説明などは、不動産協会というネットワークで共通のものを使っており、経験豊富な担当者であれば問題ありません。
そのため不動産売却時には信頼できる人が担当しているかどうか、親身になって相談に乗ってもらえるかどうかで選ぶべきでしょう。
できれば不動産コンサルティングマスターや宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーなどを持っている、経験豊富な不動産コンサルタントに相談するとよいでしょう。
・売却前に気をつけたいこと(3)査定額だけで選ばない
不動産の売却査定で、複数の不動産会社に見積もりを出してもらい、一番高い金額の会社を選ぶことが多いのではないでしょうか。実は、そこに大きな落とし穴があるのです。
不動産の価格は唯一無二のものであり、いくらで値付けをするかは非常に難しいものです。そのため不動産会社によって大きな価格差が生じやすいものです。
しかし不動産には近隣事例や貸した場合から逆算する収益還元法などによる、相場の価格というものがあります。
相場よりもかなり高い価格を出してきた会社がでてくるとそこに頼んでしまいたくなるのが人情ではあるですが、その会社に依頼した場合、実際にはほぼその価格で売却できません。
これは売却のための媒介契約が欲しいために、高値をつけているだけなのです。その後買主からの反応が鈍いと値下げを言い出し、結局は相場通りの価格で売るということになってしまうケースもあります。
これは大きな時間のロスであり、値下げをした物件というイメージがついてしまい、かえって買いたたかれてしまう危険があるのです。
大事なのは、きちんと相場通りで誠意をもって、値付けをしたうえで、その中で少しでも高く、そして早く買主を見つけてくれる不動産会社を見つけることです。
・売却前に気をつけたいこと(4)税金
不動産の売却に関しては、税金の特例がいろいろとあります。
下記はマイホームを売って利益が出た場合の特例です。
●居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例
●10年超所有軽減税率の特例
●特定居住用財産の買換え特例
下記はマイホームを売って損失が出た場合の特例です。
●居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
上記のような特例があることや、その計算方法などをきちんと説明してもらえる担当者かどうかも大切です。
マイホームでない場合や相続の場合の特例等多くの税に関する法律があるので、これらも含めて相談してもらえるような不動産コンサルタントに相談すると良いでしょう。
・信頼できるコンサルタントと出会う事が大事
アメリカではプロの不動産コンサルタントやファイナンシャルプランナーに相談しながら不動産を売買することが当たり前になっています。
しかし日本では有名な大手不動産会社というだけで売買を依頼して、いいようにカモにされているケースが非常に多いのが現状です。
これからは、自分の財産をきちんと考え資産運用する時代になって来ますので、信用できる不動産コンサルタントに出会える事を願っています。