訪日外国人客の急増が続きインバウンド景気が本格化する中、インバウンド銘柄に興味をお持ちではないですか?
「これからさらに訪日外国人客が増えれば、インバウンド銘柄のさらなる上昇が期待できるはず」とお考えになるのは当然のことで、インバウンド銘柄と呼ばれる銘柄には、すでにそうした考えに基づいた値動きも見られます。
しかし、少し考えてみてください。
インバウンド景気という言葉すらなかった頃は、「外国人観光客が増えているらしい」という程度の認識で、それが多大な経済効果をもたらし、株価に影響を与えるほどに成長すると思っていた人は少なかったのではないでしょうか。
それが現実になった今、インバウンド銘柄に注目が集まるのは当然のことです。しかも、国は訪日外国人客をさらに増やす計画を立てているため、その計画通りになればインバウンド銘柄への追い風はより強くなると考えられます。
それなら今のうちにインバウンド銘柄を見つけ出して、しっかりと買っておきたいというのが当然の投資家心理です。
盛り上がるインバウンド景気と、その恩恵を受けるインバウンド銘柄。この関係を理解することが、これから株価が大きく成長する銘柄を見つけ出すことにつながります。
そこで、以下のように順を追ってインバウンド景気とインバウンド銘柄について、毎月資産運用に興味ある方が数万人訪問するメディアである不動産投資の教科書が、解説をしていきます。
- インバウンド景気の凄まじさ
- インバウンド銘柄と呼ばれる業種
- 編集部厳選のオススメインバウンド銘柄
まずはインバウンド景気の現場で何が起きているのかを知っていただき、その上でその恩恵を受けるインバウンド銘柄の特徴を知り、最後に具体的なインバウンド銘柄をご紹介します。
このチャンスをしっかりモノにするためにも、しっかりとインバウンド銘柄について学んでいきましょう。
目次
1、インバウンド銘柄の株価が上昇する理由!インバウンド景気の現場で起きていることとは?

(1)百貨店、ホテル、家電量販店などが空前の好景気
長引く不況でどん底の状態にあった百貨店やホテル、家電量販店などが軒並み空前の好景気に沸いています。その原動力は言うまでもなく、訪日外国人客によるインバウンド消費の効果です。
特にその恩恵は関西地区で顕著に表れており、百貨店の売り上げに占める免税客(つまり訪日客)の比率が全国平均で4%であるのに対し、関西地区では倍の8%に上ります。
関西地区には人気の観光地が密集する京都や、買い物や食の好適地である大阪が近接しているため、どちらも楽しみたい観光客から高い人気を維持しています。
(2)爆買いが一服しても力強いインバウンド消費
一時期、主に中国人観光客による大量の買い物、いわゆる「爆買い」が話題になったことがありました。この爆買いは大きな経済効果をもたらしましたが、現在ではそれだけの極端な買い物はあまり見られなくなりました。それにもかかわらずインバウンド消費が伸びているのは、全体の訪日外国人客の人数が増えていることと、モノ消費だけでなくコト消費にも経済効果が及んでいることが理由として考えられます。
これはつまり、インバウンド景気が爆買い頼みというわけではなく、訪日外国人客の人数が好調である限り腰折れしにくいということを意味しています。
この傾向が続く限り、インバウンド消費はさらに拡大すると見られます。
(3)庶民の台所だった商店街がインバウンド最前線に変貌
大阪ミナミからほど近くにある「黒門市場」はもともと、庶民の台所と呼ばれるように生鮮食料品の店が軒を連ねる商店街でした。今もその役割は残っていますが、訪日外国人客による「日本の庶民的な商店街を見たい」という人気が高まり、今では観光商店街へと変貌しました。
実際に商店街を歩いてみると英語や中国語の看板や張り紙が目立ち、多くの観光客が屋台などで食事を楽しんでいる様子が見て取れます。商店街自身がこのように変貌をしたということは、それだけインバウンド消費が魅力的であることの表れです。
この黒門市場のような場所は、京都の「錦市場」や、北海道倶知安町の「ニセコ」など、全国各地に誕生しています。中には寂れてしまっていた観光地や商店街に大量の訪日外国人客が訪れることによる復活を遂げたという場所もあり、インバウンド景気の凄まじさを実感させられます。
(4)すでにインバウンド銘柄では株価が急上昇中
年々市場規模が拡大し、存在感を増しているインバウンド景気。それに伴ってインバウンド銘柄の株価も上昇を始めています。インバウンド景気が今後さらに拡大するのが確実視されている以上、インバウンド銘柄のさらなる成長に期待が集まるのは当然のことです。
インバウンド銘柄のすそ野は広がり続けており、出遅れ銘柄も含めて、まだまだ今からでもエントリーは十分間に合います。この力強い経済効果をご自身の資産増につなげるために、次章以降で解説するその具体的な方法を読み進めてください。
2、インバウンド銘柄の有望性が分かる5つの事実

こちらは、1964年から2017年までの訪日外国人客数を集計したグラフです。ある程度想像はされていると思いますが、ここ数年の急増ぶりが際立っています。
出典:https://www.tourism.jp/tourism-database/stats/inbound/
政府は訪日外国人客数の目標を年間4,000万人と設定しており、東京オリンピック開催の2020年までに達成したいとしています。この勢いなら、目標は十分達成できそうな気がしてきます。
そうなると現在の水準よりもさらに1,000万人というとてつもない人数の訪日外国人客が増えることになるため、消費パワーもそれだけ大きくなります。
(2)モノ消費からコト消費へ、インバウンド消費が多様化
インバウンド景気が存在感を示し始めた当初は、訪日外国人客の消費行動は大半が買い物(モノ消費)でした。それを象徴するのが、中国人観光客による爆買いです。
今ではそれが一段落しているものの引き続きモノ消費への意欲は強く、それに加えて体験やアクティビティといったコト消費が拡大しており、インバウンド景気の恩恵を享受する業種が拡大しています。
これはつまり、インバウンド銘柄に分類される銘柄が多彩になり、数が増えているということです。
(3)日本の人口の3分の1近くの人数が毎年日本にやって来る
ご存知の通り、日本はすでに人口が減少に転じています。人口減少に伴って経済規模も縮小していくわけですが、もし仮に訪日外国人客4,000万人という政府の目標を達成してそれを維持したとすると、毎年日本人の3分の1に相当する人数がやってきて、しかもその人たちは購買意欲が高いのですから、それがどれだけの経済効果をもたらすかは言うまでもないと思います。
(4)従来の国に加えて東南アジアや中東からの訪日客も増加中
2018年現在、訪日外国人客の国別内訳を見ると中国、韓国、台湾、香港などが上位を占めています。日本国内で見かける訪日外国人客を見ているとおおむねイメージ通りといったところですが、最近はこの内訳にも変化が生じてきています。
女性の旅行客の中に、頭にヒジャブ(イスラム教徒の女性が頭にかぶる布)をまとった人の姿を見ることが多くなりましたが、こうした人たちはインドネシアやマレーシアといった東南アジアのイスラム教諸国からの訪日外国人客であると思われます。
その他にも明らかに中国や韓国といった国からではない人たちの姿を見ることが多くなっており、訪日外国人客の内訳が多様化していることを物語っています。これはつまり、特定の国からの訪日客が減ったとしてもそれを補完するように世界中の国々から観光客が訪れるため、インバウンド景気の足腰がとても強いことが分かります。
(5)地価上昇率の上位をインバウンド関連が占めている
地価公示ランキングでは、前年比の変動率を見ることができます。前年比の変動率から分かることは、最近になって急に価値を高めている土地・エリアです。それを踏まえて、平成30年の公示地価ランキングを見てみましょう。
出典:http://www.tikara.jp/rank/ranking
20位までをピックアップしてみました。その中に「大阪ミナミ」と呼ばれるエリアが5ヶ所もランクインしています。大阪は別のエリアもランクインしていますが、そちらは従来から地価が高いエリアなのでインバウンドだけの影響ではないと思われます。
大阪ミナミ地区はインバウンド景気の最前線といわれるほど訪日外国人客があふれている地区だけに、そのエリアの地価が急上昇しているのは間違いなくインバウンド景気の影響です。
変動率が1位と2位の心斎橋と道頓堀では、インバウンド景気が地価を4割以上押し上げるほどのパワーを見せつけています。
3、インバウンド銘柄にはどんな業種がある?
ここまでの解説で、インバウンド景気の恩恵を受ける業種は拡大していると述べました。それでは今ではどんな業種がインバウンド銘柄に分類されるのでしょうか。
(1)鉄道
国内での移動において最も手軽かつ安全な手段は、鉄道です。日本の鉄道は世界的にも時間に正確で安全、快適という評判が知れ渡っているので、日本の鉄道に乗ることを目的にしている訪日外国人客も少なくありません。
そんなニーズを受けてJR東日本、JR西日本、JR東海の3社は最高益を更新中です。その他にも観光列車やプレミアム列車などを運行している鉄道会社も好業績を収めており、これらはすべてインバウンド銘柄に属します。
(2)ホテル
日本に滞在をしたら、どこかに宿泊をする必要があります。交通機関の次に重要なのが宿泊施設なので、ホテル業界も立派なインバウンド銘柄です。ホテルチェーンなど直接的にインバウンド銘柄だと分かる企業だけでなく、不動産会社がホテル事業を手掛けていたりする場合があるので、そういった銘柄も含めてインバウンド銘柄を探すのが良いでしょう。
(3)旅行会社
旅行会社は日本人向けに事業をしている一方で、訪日外国人客向けにも国内ツアーの手配などを行っており、インバウンド景気の恩恵を享受しています。
逆に日本の景気回復に伴って海外旅行者が増えているため、インバウンドとは関係ありませんが、その意味でも旅行会社は投資価値が高まっています。
(4)百貨店
消費行動の変化により、一時は不要説まで囁かれていた百貨店ですが、インバウンド景気という「神風」によって軒並み業績の回復を果たしています。特に関西地区での好調ぶりが目立っており、高島屋(8233)や大丸を傘下に収めるJ.フロントリテイリング(3086)などがインバウンド銘柄の最有力候補です。
逆に関西地区で苦戦する三越伊勢丹(3099)は赤字転落しているので、インバウンド需要の取り込みで明暗が分かれた形になっています。
(5)家電量販店、ドラッグストア
訪日外国人客の中でも中国人観光客の消費行動はインバウンド景気に大きな役割を果たしていますが、その中国人観光客が好んで足を運ぶ買い物先が家電量販店とドラッグストアです。
家電量販店ではかつて炊飯器やヘアドライヤーなどが飛ぶように売れましたが、今でも幅広い家電製品に対する消費意欲が旺盛です。ドラッグストアについては、当の中国人観光客に聞くと「日本では本物しか売られていない」ことが魅力だそうで、中国国内で買おうとしない人がいる限り好調が続きそうです。
(6)化粧品メーカー
前項で述べたように多くの中国人観光客が日本のドラッグストアに殺到している現在、彼らが何を買っているのかというと、その多くを化粧品が占めています。中国に帰ってお土産にすると喜ばれる、転売すると儲かるなど理由はさまざまですが、そんなドラッグストアに化粧品を供給している化粧品メーカーは、インバウンド銘柄として業績、株価ともに好調です。
4、編集部おすすめのインバウンド銘柄10選
ここまで解説を踏まえて、「不動産投資の教科書」編集部がオススメするインバウンド銘柄を10銘柄ピックアップしました。
インバウンド銘柄投資の参考にしてください。
(1)高島屋(8233)
インバウンド景気に沸く関西地区に多くの店舗を持ち恩恵を受けるという、インバウンド銘柄の典型例です。2012年頃から株価の上昇が始まっており、1,000円挟んでの高値圏推移が続いています。
出典:https://minkabu.jp/stock/8233/chart
(2)J.フロントリテイリング(3086)
前項の高島屋と並び、関西地区を地盤に大丸百貨店を展開しています。さらに東京・銀座の「GINZA-SIX」でもインバウンド景気の恩恵を享受しており、好調さが株価にも反映しています。
出典:https://minkabu.jp/stock/3086/chart
(3)ドンキホーテホールディングス(7532)
量販店の「ドン・キホーテ」を運営する持ち株会社です。安売りと多彩な品ぞろえを売りにしていることもあって訪日外国人客からの人気がとても高く、インバウンド需要が業績を押し上げています。株価を見てもインバウンド景気が本格化してからの上昇が見て取れます。
出典:https://minkabu.jp/stock/7532/chart
(4)ANAホールディングス(9202)
航空会社大手ですが、ANA本体の業績向上よりも傘下のLCCであるPeachとバニラエアの好業績による貢献度の高さが目立ちます。このLCC2社は経営統合することが決まっており、その相乗効果でさらなる利益率アップが見込めそうです。
出典:https://minkabu.jp/stock/9202/chart
(5)価値開発(3010)
ビジネスホテル「ベストウェスタンホテル」を展開しています。訪日外国人客を強く意識した立地や価格設定、グレード設定によって人気を博しており、インバウンド銘柄として注目株です。それでいて低位株なので大化け期待の投資妙味も十分です。
出典:https://minkabu.jp/stock/3010/chart
(6)共立メンテナンス(9616)
ビジネスホテル「ドーミーイン」を全国に展開しています。もともとは日本人出張客を見込んだホテルチェーンでしたが、昨今のインバウンド景気の盛り上がりに対応して訪日外国人客向けのホテル展開にシフトしており、それが奏功して好業績が続いています。
出典:https://minkabu.jp/stock/9616/chart
(7)寿スピリッツ(2222)
「LeTAO」をはじめとするブランド菓子の展開が特に中国人観光客から人気を博し、爆買いを象徴する商品となりました。その後もインバウンド強化の戦略をとっており空港など外国人の目に止まりやすい場所での展開も奏功、業績の上方修正が株価上昇にも寄与しています。
出典:https://minkabu.jp/stock/2222/chart
(8)JR3社
新幹線をはじめとする国内の長距離移動に欠かせないのがJRです。大都市圏の近距離路線においてもインバウンド景気の恩恵が見られますが、JRの場合は長距離移動でも恩恵を受けることができるところに強みがあります。東日本、西日本、東海のJR3社は軒並み最高益を更新しています。
JR東日本(9020)
出典:https://minkabu.jp/stock/9020/chart
JR西日本(9021)
出典:https://minkabu.jp/stock/9021/chart
JR東海(9022)
出典:https://minkabu.jp/stock/9022/chart
(9)ツルハホールディングス(3391)
主に中国、台湾、香港など中華圏の訪日客に人気のドラッグストア大手です。店舗を見ていると中国語のPOPしかないこともあり、完全にターゲットを絞っている様子が窺えます。この戦略が的中し、業績も好調です。インバウンド景気の最前線である関西地区に積極的な出店攻勢をかけており、今後さらに業績アップが見込まれます。
出典:https://minkabu.jp/stock/3391/chart
(10)ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)
インバウンド景気の追い風を受け、ホテル業界全体の好調が続いています。特定のホテルだけでなくホテル業界に対する投資の選択肢として、J-REITの中でホテルに投資をする投資信託にも目を向けてみました。
出典:https://minkabu.jp/stock/8985/chart
まとめ
最後までお読みいただいた上でお感じのことは、凄まじいばかりのインバウンド景気と、その恩恵を受ける企業の好調ぶりではないでしょうか。こんなに多大な経済効果があるのであれば、それがインバウンド銘柄の株価を押し上げるのは不思議なことでもなんでもありません。
まだまだインバウンド景気は続くと見られているので、これからインバウンド銘柄に参戦しても遅すぎることはありません。この記事でご紹介した銘柄だけでなく、それぞれの銘柄の同業者や関連業種などからお宝インバウンド銘柄を見つけ出して、株価の成長を資産増につなげてください。
この記事をお読みの方はぜひ「資産運用とは?|金融商品の種類、メリットデメリット徹底解説」も併せてご参照ください。
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