最近耳にすることが多くなった「株式投資型クラウドファンディング」。
しかし、「株式投資型クラウドファンディングの仕組みについてはよく知らない…」という方もまだまだ多いのではないでしょうか。
株式投資型クラウドファンディングは様々なクラウドファンディングの中でも、ハイリスク・ハイリターンな部類に入ります。
これから始めるにあたっては、仕組みはもちろんのこと、メリットやデメリットに関してもきちんと理解しておく必要があるでしょう。
この記事では、
- 株式投資型クラウドファンディングの仕組み
- 株式投資型クラウドファンディングのリターン
- 株式投資型クラウドファンディングのメリット・デメリット
を中心に、資産運用に関する情報を発信している当メディア「不動産投資の教科書」が解説します。
あわせて、株式投資型クラウドファンディングを始める方向けに、おすすめのサービスを4つ紹介します。
本記事が、株式投資型クラウドファンディングを検討しているという方の参考になれば幸いです。
目次
1、株式投資型クラウドファンディングとは?
本章では、株式投資型クラウドファンディングの基本について解説していきます。
- そもそもクラウドファンディングとは?
- 株式投資型クラウドファンディングの仕組み
- 株式投資型クラウドファンディングのリターン
(1)そもそもクラウドファンディングとは?
株式投資型クラウドファンディングについて解説する前に、そもそもクラウドファンディングとはどういうものなのか簡単に解説します。
クラウドファンディングは一言でいえば、不特定多数の人から資金を集めることです。
インターネット上で不特定多数の人に資金提供を呼びかけ、そのプロジェクト内容(商品・サービス)や個人の思いに賛同した人から資金を集めるという仕組みをクラウドファンディングと言います。
なお、資金を集めたい人のことを起案者、起案者に対して資金提供する人のことを支援者と呼びます。
(2)株式投資型クラウドファンディングの仕組み
それでは、本題である株式投資型クラウドファンディングについて解説していきます。
株式投資型クラウドファンディングとは、お金と引き換えに会社の株を得られるクラウドファンディングのことです。
投資家は未上場企業(ベンチャー企業等)などに資金提供する代わりに、未公開の株式を受け取ります。
この「未上場企業に資金提供し、未公開の株式を受け取れる」というところが、普通の株式投資と異なるポイントになります。
上場企業の株式は株式市場に公開されているため、自由に購入・売却することができます。これが一般的な株式投資です。
それに対して、未上場株は市場に公開されていないため、一般的には自由に取引することができません。
しかし、2015年5月に金融商品取引法などの改正が行われたことによって、株式投資型クラウドファンディングが解禁され、一般の人でも未公開株を取引できるようになりました。
ただ、未公開株であるがゆえに、一般的な株式投資とは異なるメリット・デメリットがあります。
株式投資型クラウドファンディングのメリット・デメリットについては、「2、投資初心者は知っておくべき!株式投資型クラウドファンディングのメリット」で、詳しく解説します。
(3)株式投資型クラウドファンディングのリターン
株式投資型クラウドファンディングの最大の特徴は、資金提供のリターンとして、未公開株を受け取れることです。
投資家として得られる利益は、株の値上がり益(キャピタルゲイン)と配当金(インカムゲイン)の2種類で、通常の株式投資と変わりありません。
ただし、株式投資型クラウドファンディングにおいては、株の値上がり益(キャピタルゲイン)が利益の中心になり、配当金にはあまり期待できないでしょう。
なぜなら、未上場企業は成長途上のため、事業で得た利益を事業投資に回す必要があり、配当に充てることができないからです。
2、投資初心者は知っておくべき!株式投資型クラウドファンディングのメリット
ここまで、株式投資型クラウドファンディングの概要について解説してきました。
本章では、株式投資型クラウドファンディングのメリットをご紹介します。
主なメリットとしては、
- 未上場企業に対して投資できる
- エンジェル税制が受けられ節税できる
- 少額投資ができる
- 株主優待を受けられることがある
の4つがあります。
それでは、詳しくみていきましょう。
(1)未上場企業に対して投資できる
株式投資型クラウドファンディング最大のメリットは、未上場企業の株式を購入できる、つまり、ベンチャー企業に投資できることです。
株式投資型クラウドファンディングで投資対象となる未上場企業は、通常の株式投資の投資対象の上場企業と比べると、圧倒的に小規模です。
企業規模が小さいほど、成長したときに大きなリターンを得られます。
株式投資型クラウドファンディングは、夢のある投資だと言えるでしょう。
(2)エンジェル税制が受けられるので節税できる
エンジェル税制を受けられることも、株式投資型クラウドファンディングにおける、強力なメリットです。
エンジェル税制は、ベンチャー企業に投資した投資家が受けられる税制上の優遇措置のことで、投資額のほとんどが所得から控除されます。
(3)少額投資ができる
株式投資型クラウドファンディングでは、10万円程度からベンチャー企業へ投資できます。
インターネット上で株式を購入できるので、一般的なベンチャー企業投資よりも手続きが簡単でしょう。
(4)株主優待を受けられることがある
株式投資型クラウドファンディングでは、株主優待を受けられるものもあります。
株主優待の内容は企業によって異なりますが、大半の場合は商品やサービスの割引などの特典が受けられます。
3、リスクは?株式投資型クラウドファンディングのデメリット
ここまでは、株式投資型クラウドファンディングのメリットを見てきましたが、デメリットについても、しっかり把握しておく必要があります。
主なメリットとしては、
- 好きなタイミングで売却できない
- 大きなリターンを得るには長い時間がかかる
- 倒産リスクが比較的大きい
- 投資額の上限が50万円と定められている
の4つです。それでは詳しくみていきましょう。
(1)好きなタイミングで売却できない
株式投資型クラウドファンディングで取り扱う未公開株は、自由に売買できません。
したがって、好きなタイミングで売却することができないというリスクが発生します。
一般的に、未公開株には譲渡制限が設けられており、株式を譲渡するには、取締役会や株主総会からの承認を得なければなりません。
未公開株を売却できるタイミングとしては、投資した会社がIPOあるいはM&Aをした時になりますが、これらは投資家側がコントロールできることではありません。
以上のように、未公開株の売却は簡単に行うことができないので、短期的な投資には向いていないと言えるでしょう。
(2)大きなリターンを得るには長い時間がかかる
(1)で述べたように、リターンを得られるタイミングは投資先の会社がIPOあるいはM&Aをした時になります。
成長段階のベンチャー企業が、IPOやM&Aに至るには、約5~10年またはそれ以上の期間を要するでしょう。
たとえ、それだけの時間をかけたとしても、必ずしもIPOやM&Aをするとは限らないという点も注意すべきポイントの1つです。
(3)倒産リスクが比較的大きい
株式投資型クラウドファンディングでは、ベンチャー企業に投資することになるため、上場企業に投資するよりも、倒産リスクがあることを認識しておきましょう。
(4)投資額の上限が50万円と定められている
株式投資型クラウドファンディングで、個人が1つの企業に投資できる金額は、年間50万円までと定められています。
投資してから1年が経過すれば、また新たに50万円を上限として投資できるようになります。
4、株式投資型クラウドファンディングを始めるなら!おすすめサービス4選
前章までで、株式投資型クラウドファンディングのメリットとデメリットについて解説しました。
本章では、これから株式投資型クラウドファンディングを始める方へ向けて、日本国内の代表的な株式投資型クラウドファンディングサービスを4社ご紹介します。
- COZUCHI(コヅチ)
- CREAL(クリアル)
- OwnersBook(オーナーズブック)
- 利回り不動産
(1)COZUCHI(コヅチ)
サービス情報
- 期待利回り(年利):4.0~10.0%
- 運用期間:3~24ヶ月
COZUCHI は、1999年に創業したLAETOLI株式会社が運営している不動産投資型クラウドファンディングです。
長年不動産に関わっている企業なので、不動産投資に関する知識やノウハウは十分にあり、信頼性の面で申し分ないサービスです。
投資先は、主に都心のマンションですが、人気レストランが入った物件なども取り扱っています。
平均的な期待利回りは4~10%程度と比較的高く、利回りを重視したい方にとって最適な不動産投資型クラウドファンディングサービスです。
また、COZUCHIは手数料を支払えばファンドの途中解約ができるので、急に現金が必要になった際も安心です。
(2)CREAL(クリアル)
サービス情報
- 期待利回り(年利):3.0~6.0%
- 運用期間:6~18ヶ月
累計資金調達額が152億円で、運営会社のクリアル株式会社は東証グロースに上場予定です。(いずれも2022年4月時点)
クリアルの最大の特徴は、クラウドファンディング事業・ファンド事業を通じて様々な種別のアセットを扱っている点です。
中古区分・中古一棟・新築一棟の他にも、
- ビジネスホテルなどの宿泊施設
- 保育園や専門学校などの教育施設
- オフィス
- ヘルスケア施設 など
さまざまな案件の種類が非常に豊富となっています。
案件の種類が豊富であるため、多くの案件に投資したい人にとっては投資対象を分散できるため、高い安全性のもと投資することができます。
(3)OwnersBook(オーナーズブック)
出典:不動産特化型クラウドファンディング『OwnersBook』
サービス情報
- 期待利回り(年利):4.0~5.6%
- 運用期間:19~36ヶ月
貸付型の累計投資額は280億円を超えています。
運営会社のロードスターインベストメンツ株式会社は東証プライム上場のロードスターキャピタル株式会社の100%子会社で、確かな信頼のもと投資をすることができます。
また、オーナーズブックでは出資者の募集方法として、「先着方式」と「抽選方式」があります。
一般的に、募集方法は先着方式であるため、投資をしたいと思っても案件を獲得することができないという状況が生まれていました。
しかし、オーナーズブックは、案件によっては抽選方式を採用しているため、今までなかなか先着で案件を獲得することができなかった人にもチャンスが増えることになります。
(4)利回り不動産
サービス情報
- 期待利回り(年利):5.0~8.0%
- 運用期間:6~12ヶ月
利回り不動産は、1口1万円からの少額投資が可能ながら、公開済みのファンドはすべて利回り6%以上になるなど分散投資として検討したい不動産投資型クラウドファンディングサービスです。
優先劣後出資を採用するだけでなく、マスターリース契約を行うことで空室リスクを低減し、安定した賃料収入を確保しています。
最大の特徴は、投資する度に「ワイズコイン」が貯まることです。
貯まったワイズコインは1コイン=1円で「利回り不動産」で再度出資する際の原資に充てることが可能です。
さらに、「Amazon」とサービス連携しているので「ワイズコイン」を「Amazonギフトカード」と交換して買い物に利用することができます。
募集はファンドごとに先着または抽選と異なりますが、利回りの良い物件はすぐに埋まってしまいます。
新規公開ファンドや「ワイズコイン」プレゼントなどのキャンペーン情報を配信するメルマガに登録することをオススメします。
まとめ
今回は、株式投資型クラウドファンディングについて解説しました。
ベンチャー企業の未公開株に投資できる株式投資型クラウドファンディングは、投資家にとって夢のある投資方法であるといえるでしょう。
一方で、投資先企業がIPO・M&Aをするまでは株式を売却できないなどのリスクを抱えた投資方法でもあります。
メリットとデメリットの両方を理解したうえで、株式投資型クラウドファンディングを始めていただければ幸いです。