「仮想通貨のレンディングってどんな仕組み?」
「仮想通貨を貸すことで利益が得られるってどういうこと?」
仮想通貨で利益を上げる方法として購入時と売却時の差額で儲ける方法が一般的ですが、レンディングという方法でも利益を上げることができます。レンディングの言葉の通り「貸し出す」ことで利息が得られるのです。
しかし、これには注意点もあります。レンディングを活用すれば確実に仮想通貨を増やすことが可能な一方で、必ずしも利益を得られるとは限りません。これはどういうことでしょうか?
この記事では仮想通貨レンディングを検討している方に向けて、レンディングの仕組みやメリット・デメリットについて解説します。
なお、仮想通貨による投資方法について、仮想通貨投資とは?仮想通貨の取引の仕組みや儲け方を徹底解説!にて詳しく解説しています。こちらも合わせてご覧ください。
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目次
1、仮想通貨レンディングとは?
(1)仮想通貨レンディングの仕組み
ネット上での支払いや送金手段として用いられる仮想通貨ですが、「レンディング(貸仮想通貨)」という仕組みを利用すれば仮想通貨を増やすことができます。
レンディングは、自分が保有している仮想通貨を取引所に貸し出すことで利息をもらえるサービスのことです。銀行に日本円を一定期間預ければ利息が得られるのと同じ仕組みになります。
通常、仮想通貨で利益を上げるには、相場の値動きを見ながらタイミングを見て売買を繰り返し、利益を上げていく方法が一般的です。しかし、この方法は仮想通貨の値動きを確認し続けなければならないため、少なからず手間がかかります。
その点、レンディングであれば一度取引所に預けたら満期を迎えるまで預けたままです。そして、一定期間経てば預けた仮想通貨に利息が付いて戻ってくるので、手間をかけずに利益が期待できます。
(2)レンディングは貸し手・借り手・取引所の三者で行われる
仮想通貨レンディングは貸し手、借り手、仮想通貨取引所の三者が存在して成立し、それぞれの利害関係は以下のように一致します。
- 貸し手 → 仮想通貨を保有しており、貸し出すことで利息を得たい
- 借り手 → レバレッジ取引のために仮想通貨を借りたい
- 仮想通貨取引所 → 貸し手と借り手を仲介して手数料利益を得たい
仮想通貨取引には、証拠金(担保として預け入れるお金)の4倍まで取引できるレバレッジ取引という方法があり、少額元本でも大きな利益が期待できます。このような取引方法が成り立つのは、取引所から資金を借りているからなのです。
言い換えれば、貸し手が預けた仮想通貨は、取引所を通してレバレッジ取引を行う借り手に充てられているということになります。
(3)仮想通貨レンディングの利率や最低貸出数量は?
レンディングの利率は貸出期間に応じて変動します。詳細は取引所によって異なりますが、どの取引所でも貸出期間が長くなればなるほど利率も高くなり、目安としては14日~365日で1.0~5.0%といったところです。銀行の定期預金金利が年間0.01%なのでレンディングの利率は圧倒的に高いと言えるでしょう。
最低貸出数量も取引所によって差があります。0.1BTC(ビットコイン)を最低貸出数量としている取引所もあれば、10万円相当分というように日本円ベースで最低貸出数量を設定している取引所もあります。2021年2月末時点のビットコイン価格は、1BTCあたり約48万円なので、最低貸出数量が0.1BTCであれば約5万円分からの利用となります。
2、仮想通貨レンディングのメリット
仮想通貨レンディングを利用することで得られるメリットが大きく2つあります。
(1)仮想通貨が確実に増える
仮想通貨レンディング最大のメリットとして、取引所に預けるだけで必ず仮想通貨が増えることが挙げられます。
通常は保有しているだけで仮想通貨が増えることはなく、増やすためにはタイミングを見極めて取引を繰り返したり日本円で買い増したりする必要があります。したがって、取引スキルに自信がない方や取引に使う予定がない仮想通貨を持っている方でも、レンディングサービスを利用すれば、安心かつ確実に仮想通貨を増やすことができます。
(2)相場を気にしなくてよい
仮想通貨を取引所に預けっぱなしにできるので、その期間は相場を見て取引する必要がありません。これは日中働いている方には大きなメリットといえるでしょう。
ただし、まったく相場を気にする必要がない訳ではありません。相場の変動の仕方によっては手数料を支払ってでも解約した方が良いケースもあります。売買によって利益を得るよりは遥かに相場を気にする必要がありませんが、定期的に相場を確認するようにしましょう。
3、仮想通貨レンディングのデメリット
レンディングには気を付けるべきポイントも存在します。実際にレンディングサービスを利用する前に理解しておかなければならないことを2点紹介します。
(1)原則途中解約できない
レンディングを利用するにあたって注意しなければならないのが、原則として途中解約ができないということです。
サービスによっては期間満了前であっても解約手数料を支払うことで解約できるものもありますが、中には解約できないものもあります。自分が利用するレンディングサービスはどちらに該当するのか、契約前に確認しておかなければなりません。
(2)契約期間中は仮想通貨を売却・送金できない
貸出期間中も仮想通貨の価格は変動します。もしこの期間中に価格が大暴落しても、自分の手元に仮想通貨があるわけではないので自由に売却することはできません。売却するには手数料を支払ってレンディング契約を解約する必要があります。
ただし、上でも述べたように、レンディングサービスによっては解約できないケースもあり、その場合は満期を迎えるまで売却することはできません。
送金したい場合も同様で、貸出期間中は自由に取引することができない点には注意しましょう。
4、レンディングを利用した時のシミュレーション
仮想通貨レンディングを利用した時の収益を、以下のような条件でシミュレーションしてみましょう。
- 貸出数量:0.1BTC(ビットコイン)
- 貸出期間:1年間
- 利率:5%
- 1BTC = 400万円
このような条件の場合の利息は、
0.1BTC × 5% = 0.005BTC
この利息を日本円に換算すると、
400万円 × 0.005BTC = 2万円
また、貸し出したビットコインの日本円での価値は
0.1BTC ×400万円 = 40万円
これらの計算をわかりやすく言葉にすると「40万円分のビットコインを1年間レンディングで運用すると2万円の利息が得られる」ということになります。
しかし、このシミュレーションは契約期間中にビットコインの価格が変わらないという前提があります。
実際には、仮想通貨の価格が1年間で変化しないとは考えにくいため、1BTCが①420万円に上昇した場合と②380万円に下落した場合に分けて再びシミュレーションしてみましょう。
①1BTCが契約時400万円→期間満了時420万円に上昇した場合
1年後の元利合計は、
0.1BTC × 1.05 = 0.105BTC
1BTC = 420万円で換算すると、
420万円 × 0.105BTC = 44.1万円
40万円分のビットコインが44.1万円になり4.1万円の利益が出ました。レンディングによる利息でビットコインが0.1BTCから0.105BTCに増えたことに加え、ビットコイン1単位当たりの価格も増加しているため、当初のシミュレーションよりも利益が増えたのです。
次に下落した場合も考えてみましょう。
②1BTCが契約時400万円→期間満了時380万円に下落した場合
1年後の元利合計は、
0.1BTC × 1.05 = 0.105BTC
1BTC = 380万円で換算すると、
380万円 × 0.105BTC = 39.9万円
ビットコイン自体は0.1BTCから0.105BTCに増えていますが、ビットコイン価格が下落したため、日本円に換算すると39.9万円になり0.1万円の損失が出てしまったのです。
レンディングでは仮想通貨の価値が上昇した時には利率以上に儲かる一方で、仮想通貨自体が増えているにもかかわらず損失が出る可能性があることを以上のシミュレーションからお分かりいただけたでしょうか。
5、レンディングは仮想通貨を長期保有しようと考える人におすすめ
ここまで説明したメリット・デメリットやシミュレーションから、レンディングは仮想通貨を長期にわたって保有していく人に向いているといえます。
レンディングは、期間満了時に日本円換算した価値が下落するというリスクを伴うことに加え、契約期間中は売買取引ができないというデメリットがあるので、デイトレーダーなどの短期的に利益を求める方にはあまりおすすめできません。
反対に、今後の仮想通貨普及に伴う価格上昇を見越して、長期的かつ確実に保有量を増やしていきたい方には非常に魅力的なサービスなのではないでしょうか。
6、仮想通貨レンディングを利用できる仮想通貨サービス3選
この章ではレンディングを利用できるサービスを3つ紹介します。どれも手軽に始められるサービスですが、貸出期間や利率、解約手数料などそれぞれ異なる特徴があるので、ご自身に合ったものを探してみてください。
(1)Coincheck
「Coincheck」は国内の仮想通貨取引アプリの中でダウンロード数No.1を誇るサービスです。また、取扱通貨も15種類で国内最多となっています。スマホアプリも提供されており、約500円から仮想通貨を購入できるので、初心者の方は迷ったらCoincheckで投資を始めるとよいでしょう。
レンディング期間と年利はそれぞれ
- 14日:1%
- 30日:2%
- 90日:3%
- 180日:4%
- 365日:5%
であり、最低貸出数量は1万円相当額からと手軽に利用することができます。ただし、途中解約はできない点には注意してください。
(2)SBI VCトレード
「SBI VCトレード」は大手証券会社のSBIグループが提供しているサービスで、トップクラスのセキュリティ対策が特徴です。スマホアプリも提供されており、シンプルな操作性がビギナーからの支持を集めています。取扱通貨はビットコイン、イーサリアム、XRP(リップル)の3種類ですが、リップルの手数料が安いことからリップルを軸にする投資家に人気があります。
レンディングに関しては
- ビットコイン:貸出期間84日・年率1%、最小貸出数量0.1BTC
- リップル(XRP):貸出期間84日・年率0.1%、最小貸出数量1,000XRP
となっています。
(3)GMOコイン
「GMOコイン」は大手企業のGMOグループが提供しているサービスで、スマホアプリは初心者の方でも直感的に操作できる設計になっています。GMOコインでは「つみたて暗号資産」というサービスを提供しており、暗号資産(仮想通貨)の金額を自分で設定して毎月自動的に積立購入できます。1,000円から設定でき少額から積立を始められるので初心者の方でも安心です。
レンディング期間と年利は「90日:3%」と「30日:1%」(BTCの場合)で、全11種類の仮想通貨でレンディングができます。また、手数料を支払えば途中解約も可能です。
まとめ
仮想通貨を効率的に運用する方法の1つであるレンディングについて解説してきました。レンディングの大きな特徴として、仮想通貨を確実に増やせることが挙げられますが、それによって利益が出るとは限らない点には注意してください。
レンディングは安定した利回りが期待でき、確実に仮想通貨を増やせるため、今後仮想通貨が普及していくと予測する人にとって非常に魅力的なサービスだといえるでしょう。