女性にとってのライフプランと言われても、転職・結婚・出産育児など不確定な要素が多いため、具体的に考えられないと言う人は少なくないのではないでしょうか。
ただ長生きするほど必要な老後生活資金は増えますし、公的年金だけでは不安な点も多いですよね。
資金を増やすための資産運用にはどのようなものが女性のライフプランに比較的マッチするのか見ていきましょう。(小山智子・不動産コンサルティングマスター、ファイナンシャルプランナー)
目次
・女性のライフプランで押さえるべきポイント
一般的に女性の方が男性より長生きという点です。
厚生労働省の「平成29年簡易生命表」によると、現在65歳の方の平均余命は男性なら19.57年、女性は24.43年です。統計では女性は男性より5年ほど長い老後生活に備えなければなりません。
また出産をするかどうかも重要になって来るのではないでしょうか。
お金の面からみると体調次第では退職しなくてはいけなくなったり、産休や育休などで給料が減ったりと影響が大きいですよね。
このような事を考えたときに、どのような資産運用法が良いか見ていきましょう。
・女性のライフプランに合った投資方法とは?
「投資」と聞いてまず、株式投資や投資信託といった金融商品を思い浮かべる方は多いでしょう。
株投資の場合ですと企業の見分け方は難しいですし、専業投資家でもなければ毎日値動きに目を配るのは負担が難しいですよね。
また、投資信託の場合も商品の見極めが難しく、手数料も高い所が気になります。
気軽にできるのは、長い時間をかけてトータルでプラスを目指し、金融商品の価格の上り下がりに関わらず少額ずつ定期的に積み立てる積立投資ではないでしょうか。
毎月1万円でも年利3%を想定した金融商品で積み立てると、30年後に複利効果で約583万円になると計算できます。
しかしデメリットとしては積み立てている間にまとまった資金が必要になったとき、例えば子供の留学費用などに対応できません。
そこで、意外な資産運用法の1つとして考えたい不動産投資という選択肢も視野に入れてみましょう。
・意外に女性のライフプランに合った不動産投資
不動産投資はイメージとして初期投資の金額が大きい、損をしたときにどうしたら良いかわからない……など、なぜか他よりもちょっとハードルが高そうに感じる方は多いのではないでしょうか。
購入する物件をきちんと選び、管理の方法など最初の計画を立てる段階でできれば、株投資のように値動きを気にする必要がなく、働けなくなってしまった時期にも一定の家賃収入が確保できます。
もしまとまったお金が必要になった場合には、物件を売却することもできます。
・不動産投資を行う前に考えたいポイントは?
(1)手持ちの資金を考える
購入する物件を担保に金融機関からの融資を受けることで、手持ちの資金以上の価格の物件を購入することも可能になります。
とはいえ、融資を受けるとしても頭金や手数料、購入後のメンテナンス、管理費用などがかかるため、手持ち資金としてどれぐらい確保できるか考えておくことが必要です。
(2)物件選びと不動産会社選び
不動産投資の場合は、物件を実際に目で見ることができます。
例えば顧客側の立場となって賃貸マンションを借りるときにどのような物件を選んだのかを目安に、自分が住んでみたい物件なのか感覚的にも判断しやすいのではないでしょうか。
物件選びと並行してパートナーとなる不動産会社を選んで行き、良い不動産会社を見つけて行きましょう。
(3)売却時期を考えておく
また物件を購入する計画をたてる時に売却時期についても考えておくと良いでしょう。
建物は時間が立てば劣化していきます。
海外とはちがい、日本の不動産の場合は築年数が古くなると価値が下がり、賃料の下落やメンテナンス費用の増加などが予想されるので、大体何年後くらいに売却すれば良いかも考えておく事が大切です。
・女性が不動産投資を始めるときの注意点
とにかく規模は小さいものから始めることです。
急にまとまった資金が必要になったとき、買い手が見つからなければすぐに不動産を売却できるとは限りません。
金融機関から融資を受けられたとしても、返済がこれからの結婚・育児・キャリアアップの負担にならないよう緊急のときのための資金は確保したうえで、余剰資金を元手として行うようにしましょう。