弁護士なしで離婚調停を進めるために知っておくべき8つのこと

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これを読んで下さっている方の中には、離婚をする為に必要な議論が上手くまとまらず、このまま議論がまとまらないと離婚調停になってしまうという方もいらっしゃると思います。

離婚調停とは、簡単に言うと当事者同士の話し合いによる協議離婚ができなかった場合に裁判所を通じて、離婚をするために行う調停のことです。

今回は、離婚調停について説明する。
ご参考になれば幸いです。

※この記事は2017年5月16日に加筆・修正しました。

1.離婚調停とは?

まず、改めて離婚調停について説明いたします。

(1)離婚調停とは?

離婚調停とは、簡単に言うと裁判所を通じて離婚をするために行う調停のことです。
もう少し詳細に言うと、裁判所の調停委員が当事者から事情を聴取して話し合いの手続きをすることです。

訴訟ではないため、当事者間で合意ができなければ調停は不成立となり離婚はできないことになります。

他方、調停で当事者が合意に至れば判決と同じ効力を持ち、離婚成立になります。

(2)離婚調停で決めることができること

そして、調停では、離婚をするかどうかを決めるだけではなく、以下のような事柄も決めることになります。

  • 財産分与
  • 慰謝料
  • 家財道具の配分
  • 子供がいる場合には、親権者の決定、子供との面会交流、養育費の支払

なお離婚調停は、広く夫婦の問題について仲裁する場ですので、たとえまだ離婚するかどうかの気持ちが決まっていなくても申し立てることができます。

2.離婚調停にかかる費用は?

本人が家庭裁判所に離婚調停を申立てる場合、以下の費用がかかります。

  • 収入印紙1,200円
  • 家庭裁判所へ連絡用の郵便切手966円(東京家裁の場合)
  • 戸籍謄本など提出書類の取得費用
  • 裁判所への交通費

などの費用がかかります。

また、郵便切手は家庭裁判所によって多少異なる場合がありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。

3.離婚調停は弁護士に依頼すべきか?

では、離婚調停は弁護士に依頼した方が良いのでしょうか。
ここでは弁護士に依頼するメリットとデメリットについて説明していきます。

(1)弁護士に依頼するメリット

離婚調停は、自分で行うことも可能であるため、必ずしも弁護士に依頼しなければならないわけではありません。

しかし、弁護士に依頼した場合には、「専門知識に基づいた的確なアドバイスをしてもらえる」という大きなメリットがあります。

離婚調停の際には、ただ単に離婚をするかどうかを決めるだけではなく、財産分与をどうするか、親権を得るためにどうすべきかなど、当事者同士だけで調整をするのは難しい時が多いです。

なので、専門家である弁護士が間に入る意味は大きいです。
さらに、弁護士がいると場合によっては調停委員を味方につけながら有利に話し合いを進めることができることにもつながります。

さらに、専門家が側にいることで、安心感を得ることもできます。

(2)弁護士に依頼するデメリット

そうは言っても、弁護士に依頼すれば弁護士費用がかかることになるため、その点も含め、弁護士に一度相談し、見積りを出してもらうと良いです。

4.離婚調停の申立て方法について

実際に離婚調停の申立てをする方法について説明します。

大きく以下の流れになります。

1)必要書類の準備

以下のような書類が必要です。

  • 夫婦関係調整申立書
  • 夫婦の戸籍謄本
  • (年金分割請求の場合)年金分割のための情報通知書
  • (子供の養育費請求の場合)源泉徴収票など収入に関する書類

事案によって必要書類が異なるので、裁判所の指示に従って書類を提出しましょう。

2)家庭裁判所で申立手続き

  • 相手方の住所地の家庭裁判所
  • 当事者(夫婦)が合意で定める家庭裁判所

中には、DVの事案など、相手方に住所を知られたくない場合には、相手方に送る書面の現住所部分を黒塗りにするなどして分からないようにする方法があるので、申立前に裁判所にその旨を伝え、相談するといいでしょう。

3)夫婦関係調整申立書について

夫婦関係調整申立書は、裁判所のHPからダウンロードすることが可能です。

記載事項は以下の通りになっています。

①事件名

「離婚」「円満」など、自分に該当する事件名を記入します。

②申立人の氏名・本籍地又は国籍・住所・本籍地・生年月日

住所は、住民票に記載されているものを記入します。

③相手方の氏名・本籍地又は国籍・住所・生年月日

申立人と本籍地や住所が同じ時は、「申立人と同じ」で大丈夫です。

④未成年の子

未成年の子どもがいる場合、記入します。

⑤申立ての趣旨

調停で話し合いたい事項に○を付けます。

⑥申立ての理由

同居・別居の時期

同居を始めた日と別居した日を記入します。

申立ての動機

該当する項目にすべて○をつけ、その中でもっとも大きな理由となるものに◎をつけます。

5.離婚調停の流れについて

離婚調停の申立てをする

  • 家庭裁判所から離婚調停の日が記された呼出状が届く
  • 決められた日時に、家庭裁判所に行く

また、調停当日の大まかな流れは以下のようになっています。

  • 相手方とは別々に待合室で待機する
  • 調停室へ行き、調停委員(男女それぞれ一人ずつ)から、申立人の申立ての趣旨や言い分を聞かれる
  • 相手方の調停室にて相手方の言い分を聞く
  • 申立人と相手方の言い分が食い違っていた場合などには、もう一度申立人に事情を聞く

このようなやり取りが数回行われた後、次回の離婚調停の日が決められ、調停期日は終わります。

一回の調停の所要時間はまばらだが、2時間程度が多いです。

もし、裁判所への行き帰りに相手方とバッタリ会うことを防ぎたい場合は、事前に裁判所へ伝えることで、当事者双方が裁判所に入る時間をずらすなど、配慮してもらうことができます。

6.離婚調停にかかる期間は?

半年から1年程度かかることが多いと言われています。
他方で、条件面などで特にこじれることがなければ、すぐに終わる場合もあります。

7.離婚調停を欠席するとどうなる?

離婚調停は何度も行われることから、もし、仕事などで欠席することになった場合にはどうなるのでしょうか。

離婚調停は、あくまで話し合いの手続きであり、訴訟ではないため、欠席したからといって不利になるわけではありません。
例えば、体調が悪い時や仕事で都合が悪い時などには、その旨を素直に裁判所に伝えるようにしたいです。

しかし、一回の欠席なら良いが、あまりに欠席を繰り返す場合には話し合う意思が無いとみなされ、調停が不成立になることがあります。

そして、調停が不成立になった後、当事者の一方がどうしても離婚をしたいという場合には、離婚訴訟つまり裁判になります。

裁判になれば、公開の場で行われることになるため、相手方の言い分に対して反論をしなかったり、欠席をしたりすると不利な判決が下されてしまうことになります。

したがって、話し合いで解決をしたいのであれば、あまり欠席を繰り返さない方が賢明でしょう。

8.離婚調停を上手くすすめるポイント

では、離婚調停を上手く進めるポイントは何があるのでしょうか。

繰り返しになるが、離婚調停はあくまでも話し合いなので、訴訟のように裁判所の判断ではっきりと決めるわけではありません。

そのため、自分の中で優先順位をつけて、合意形成に向けて話し合いを進めることが離婚調停を上手く進めるポイントになります。
具体的には、以下のような場合です。

(1)お金のことはおいてでも、絶対に離婚したい場合

離婚の意思を強く打ち出す一方で、財産分与慰謝料額等で譲歩する余地を見せて相手方の納得を引き出すようにしたいです。

(2)別居はしたけれど、生活もあるから相手方からちゃんとお金を貰いたい場合

金銭面でのボーダーラインを死守し、離婚で合意できずとも、当面別居を継続し相当額の婚姻費用を支払ってもらうという暫定的な解決を選択することも一つの手でしょう。

しかし、調停があまり上手くいかず訴訟が見えてきた際には、訴訟で更に時間や費用がかかることと一定面で妥協することのどちらが有利であるかも判断しなければなりません。

また、訴訟も考えているのであれば、調停をする前から離婚原因の認定や慰謝料額等、自分に有利な証拠を収集しておくと良いでしょう。例えば、

  • 浮気のメール、写真
  • DV時の診断書

などです。

また、財産分与等のためには相手方の財産を把握しておく必要もあります。
そのため、可能な限り、相手方の持っている

  • 不動産
  • 預貯金口座
  • 株式

等の財産を把握するようにしましょう。

まとめ

今回は、離婚調停について説明したがいかがだったでしょうか。
離婚は人生の一大事です。

ぜひ、今回の話が幸せの一助になれば嬉しいです。

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