過払い金請求に強い弁護士の探し方!司法書士との違いも解説

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借金していたにもかかわらず、お金が返ってくるという過払い金請求をしてみたい人は多いでしょう。

過払い金請求をする場合には、弁護士に依頼することが一般的ですが、自分で手続きするよりも弁護士に依頼するとどのようなメリットがあるのでしょうか?
また、過払い金請求に強い弁護士を探す方法も知っておくと役立ちます。

過払い金請求は弁護士だけでなく司法書士にも依頼することができますが、弁護士と司法書士にはどのような違いがあるのかも抑えておきたいところです。
今回は、過払い金請求に強い弁護士の探し方と注意点、司法書士との違いについて解説します。

※この記事は2017年2月27日に加筆・修正させていただきました。

1.過払い金請求を弁護士に依頼するメリット

過去に高利率で消費者金融会社などと取引していた人の場合、相手方業者に対して過払い金請求をすることができます。
過払い金請求とは、払いすぎた利息を取り戻すための手続きのことですが、過払い金請求手続きによって100万円を超える多額のお金の返還が受けられることもあります。

過払い金請求は、自分で手続きすることもできますが、弁護士に依頼するとたくさんのメリットがあります。
以下で、具体的にそのメリットの内容をご紹介します。

(1)面倒な手続きが不要になる

過払い金請求をする場合、いろいろな手間がかかります。
まずは業者に対して取引履歴の開示を請求して、それを利息制限法に引き直し計算をして過払い金の金額を計算します。
そして、相手方業者に対して過払い金請求書を送って具体的に過払い金の返還金額や返還方法(分割払いか一括払いか、返還時期をいつにするかなど)について交渉しなければなりません。

このような煩雑な作業を、普段の生活もしながらすすめていくのは困難です。

ここで、過払い金請求手続きを弁護士に依頼すると、弁護士がこれらの手続きをすべて代行してくれます。
依頼者は、自分ではほとんど何もしなくて良いので、非常に楽になります。
このように、弁護士に過払い金請求手続きを依頼すると、依頼者は面倒な手続きが不要になるというメリットがあります。

(2)家族に知られず手続きできる

借金をしている場合、家族に借金問題を秘密にしていることが多いです。
過去に消費者金優などと取引していた人でも、そのことを内緒にしたまま完済したケースもあるでしょう。
場合によっては、今現在でも借金を続けていることもあります。

このように、家族に借金を秘密にしている場合、自分で過払い金請求手続きをすると家族に借金問題がバレてしまう可能性が高くなります。
過払い金請求をする場合、上記のようにたくさんの作業が必要になりますし、相手方業者との間でしょっちゅう電話や手紙でのやり取りが必要になるので、同居の家族がいる場合に、秘密にしたまま手続きをすすめることはほとんど不可能です。

ここで、弁護士に依頼すると、家族に知られるリスクがほとんどなくなります。
弁護士に手続きを依頼した場合、面倒な作業や相手方業者との連絡はすべて弁護士が代行してくれます。

相手方業者からの連絡は、すべて弁護士事務所を通じることになるので、依頼者の電話や自宅に直接連絡が来ることは一切なくなります。

よって、過払い金請求手続きをしていることが家族にバレることはなく、借金問題が知られるおそれもなくなります。
このように、家族に秘密で手続きをすすめられることも、弁護士に過払い金請求を依頼するメリットの1つです。

(3)自分で手続きするより回収額が大きくなる

過払い金請求手続きを弁護士に依頼すると、自分で手続きする場合よりも多額の過払い金を回収できる可能性が高くなります。
過払い金請求をする場合には、相手方業者との間でいくらの過払い金の返還を受けるかや、返還時期などについて交渉をしなければなりません。

このとき、利用者本人が交渉の席についていると、相手方業者はその法的な知識の不足につけこんできて、不当に低い条件で和解を勧めてこようとすることが多いです。

たとえば、100万円の過払い金が発生していても、相手方の貸金業者から
「会社の経営が苦しいので、今支払えるのは10万円だけです。他の顧客もみんなその条件で和解しています。それ以上要求するなら、会社が倒産するので一円も回収できなくなりますよ。」
などと言ってきて、10万円で納得するよう要求してきます。

こちらが素人の場合「そうかな。みんなその条件なら仕方がないな。」などと考えてその条件を受けてしまうでしょう。

ところが、弁護士に依頼した場合には、そのような低い条件で和解することはありません。
場合によっては訴訟を起こしてでも、100万円満額に近い金額を請求してくれます。

このように、弁護士に手続きを依頼すると、自分で過払い金請求手続きをする場合よりも大幅に回収できる過払い金の金額が上がることが多いので、メリットがあります。

2.過払い金請求に強い弁護士の探し方

過払い金請求をする場合には、自分で手続きするよりも弁護士に依頼する方がメリットが大きいですが、依頼する場合どのような弁護士でも良いと言うことにはなりません。

弁護士の事件取り扱い分野はとても広いので、過払い金請求を依頼するには過払い金請求に強い弁護士を探す必要があります。
弁護士とは言っても過払い金請求をほとんど取り扱っていない人もいますし、そのような弁護士に手続きを依頼してもスムーズに進まないことも多いからです。

当サイトの過払い・債務整理に強い弁護士ページで弁護士を紹介しているので、すぐに相談を考えている場合はアクセスしてみてください。

以下では、過払い金請求に強い弁護士の探し方を具体的に説明します。

(1)ホームページの記載をチェックする

過払い金請求に強い弁護士を探すには、まずはインターネットで弁護士事務所のホームページを検索して、内容をチェックしてみましょう。

過払い金請求に強い弁護士は、ホームページ上に債務整理や過払い金請求などについての解説記事やブログなどの関連記事をたくさん載せていることが多いです。
「債務整理の相談無料」などと書かれている事務所もあります。

このような記載が多い弁護士事務所は、少なくとも過払い金請求をはじめとした債務整理案件に力を入れていると言えるので、過払い金請求に強い可能性が高いです。

(2)過払い金請求事件の取り扱い件数、実績や本の執筆歴をチェックする

過払い金請求に強い弁護士を探す場合、その弁護士の過去の過払い金請求事件における実績や取り扱い件数なども問題になります。
一般的に、多数の過払い金請求事件を取り扱った実績が多い事務所の方が過払い金請求に強い傾向があります。

また、過払い金請求や債務整理に関する本や法律雑誌などの執筆経験がある弁護士も、過払い金請求に強い可能性が高いです。

このような弁護士の実績や取り扱い件数、依頼者の声などの情報も、弁護士事務所のホームページ上に掲載されていることが多いので、チェックしてみると良いでしょう。

(3)実際に弁護士と面談して確かめる

過払い金請求に強い弁護士を探す場合、まずはホームページなどのインターネット上の情報を収集すると良いですが、それだけでは不十分です。
本当に過払い金請求に強いかどうかを知るには、実際にその弁護士と面談して確認する必要があります。

今は、多くの弁護士事務所が債務整理の無料相談サービスを実施しているので、このようなサービスを利用して弁護士による法律相談を受けましょう。

まずはホームページをチェックして、気になる弁護士事務所に連絡を入れて弁護士に面談します。
面談の場では、弁護士の過払い金請求についての説明がわかりやすいか、リスクもきちんと説明してくれるか、費用についての説明が明確かなどの点をチェックしましょう。
事務所における過払い金請求事件の取扱件数や実績などを直接尋ねてみても良いです。

このことによって、特に失礼になることもないので、気になる場合には聞いてみると良いでしょう。

(4)複数の弁護士事務所で無料相談を受ける

過払い金請求に強い弁護士を探す場合には、複数の弁護士事務所で無料相談を受けて比較することが重要です。
1つの事務所でしか相談をしないと、他の事務所と比べてその弁護士が本当に過払い金請求を得意としているかどうかが判断できません。

複数の事務所で面談をして弁護士を比較すると、どの弁護士が一番過払い金請求の説明がわかりやすそうか、取扱件数や実績などがありそうかなどが明確になります。

このように、複数の事務所を比較検討することによって、本当に良い弁護士事務所を見つけることができます。

費用相場については過払い金請求にかかる費用と弁護士に依頼した場合のメリットでも詳しく解説しています。

3.弁護士と司法書士の違い

過払い金請求を依頼できる法律の専門家としては、弁護士と司法書士がありますが、この両者にはどのような違いがあるのでしょうか?
賢く過払い金回収をするためには、どちらにメリットが大きいのかも知っておく必要があります。

そこで、以下では弁護士と司法書士の違いについて説明します。

(1)取扱金額の違い

弁護士と司法書士は、過払い金請求事件において取り扱える金額が異なります。
司法書士の場合には、取り扱いができる金額が140万円までに制限されています。
よって、140万円を超える金額の過払い金が発生している場合、司法書士に手続きを依頼することができなくなります。

過払い金請求をする場合、当初にはいくらの過払い金が発生しているかがわからないことが普通です。
相手方業者から取引履歴を取り寄せて利息制限法引き直し計算をして、はじめて正確な過払い金の金額が明らかになります。

ここで、司法書士に過払い金請求を依頼していて、利息制限法引き直し計算をした結果140万円を超える過払い金が発生していることがわかったら、その時点で、それ以上司法書士に過払い金請求手続きを継続して依頼することができなくなってしまいます。

司法書士には辞任してもらって、自分で相手方業者に過払い金請求手続きをしないといけなくなるのです。もし自分で手続できない場合には、改めて弁護士に過払い金請求手続きを依頼しないといけません。

そうすると、当然弁護士費用がかかってしまうので、当初の司法書士費用と合わせて、費用の二重払いになってしまいます。

これに対して、弁護士には取扱金額の制限はありません。1000万円の事件でも1億円の事件でも取り扱うことが可能です。

よって、過払い金請求を依頼する場合には、はじめから取扱金額に制限のない弁護士に依頼する方が安心ですし、メリットが大きくなります。

(2)利用できる裁判所の違い

弁護士と司法書士は、利用できる裁判所にも違いがあります。
司法書士には、簡易裁判所の代理権しかありません。簡易裁判所で審理ができるのは、140万円以下の第一審の事件のみです。

よって、140万円を超える過払い金や遅延損害金の請求をする場合、合計額が140万円を超えていたら、司法書士に訴訟手続きを依頼することはできなくなります。

また、簡易裁判所で審理ができるのは第一審だけです。
そこで、簡易裁判所で判決が出た場合、消費者側か相手方業者が控訴した場合、地方裁判所に審理が移行するので、司法書士に代理を依頼することができなくなります。

この場合、裁判手続きを消費者が自分ですすめていかなければなりません。
もしそれができないのであれば、やはり弁護士に手続きを依頼する必要があります。

これに対して弁護士にはこのような裁判所の代理権についての制限がありません。
弁護士は、簡易裁判所だけではなく、地方裁判所、高等裁判所、最高裁判所、家庭裁判所などあらゆる裁判所で完全な代理権を持っています。

そこで、当初から弁護士に過払い金請求訴訟を依頼すると、控訴審に移行してもスムーズに手続きをすすめることができます。
このように、利用できる裁判所に制限がないことも、司法書士より弁護士に過払い金請求を依頼すべき弁護士のメリットになります。

4.弁護士に依頼する場合の注意点

過払い金請求手続きを弁護士に依頼する場合、いくつか注意点があります。以下で、具値的に解説します。

(1)費用の説明が明確な事務所を選ぶ

過払い金請求を弁護士に依頼する場合、弁護士費用が大きな問題になります。
過払い金請求にかかる弁護士費用は、各弁護士事務所によって異なります。弁護士費用は自由化されているので、各事務所が自主的な判断によって自由に報酬基準を定めているからです。

過払い金請求をする場合の弁護士費用としては、着手金と報酬金がかかります。
着手金とは、過払い金請求事件を依頼する際に当初にかかる費用のことです。
報酬金とは、過払い金が回収できた場合に、回収できた過払い金の金額に応じてかかる費用のことです。

過払い金請求の弁護士費用の相場は、着手金が相手方業者1件について2万円~4万円程度、報酬金が回収できた過払い金額の15%~20%程度です。
弁護士に過払い金請求手続きを依頼する場合には、これらの費用についての説明が明確な事務所を選びましょう。

当初の面談の際や、実際に手続きを依頼する場合、手続き全体でどのくらいの費用がかかるのかについてわかりやすく説明してくれることが重要です。
追加費用がかかることがないか、かかるとすればどのような場合にどれくらいかかるのかなどもきちんと説明してもらいましょう。
必要なら、費用についての見積書を出してもらうことも重要です。

(2)委任契約書を作成する弁護士を選ぶ

弁護士に過払い金請求を依頼する場合、きちんと委任契約書を作成してくれる弁護士を選びましょう。

委任契約書とは、依頼者と弁護士の間の事件依頼内容を定めた契約書です。

委任契約書には、手続き全体でかかる費用の金額なども明確に記載されているものなので、これを作っておくと後々の費用や事件処理に関するトラブルを避けることができます。
通常の弁護士であれば委任契約書を作成しますが、中には委任契約書を作成しない弁護士もいるので、きちんと委任契約書を作成する姿勢の事務所を選ぶことが重要です。

(3)手続きの説明が丁寧な事務所を選ぶ

過払い金請求を依頼する弁護士事務所を選ぶ場合、手続きについての説明が丁寧な事務所を選ぶことも大切です。
弁護士の中には、説明や態度がぞんざいな人がいます。

そのような人に過払い金請求手続きを依頼してしまうと、何か疑問が発生した場合などにもきちんと説明が受けられるかが不安になりますし、問題が起こった場合にどのような対処が受けられるのかもわかりません。

本当に良い弁護士は、きちんと依頼者の立場に立って、依頼者がわかるように丁寧に説明をしてくれて、アドバイスをくれるものです。
よって、良い弁護士を探したいなら、説明が丁寧でリスクもきちんとわかりやすく伝えてくれる弁護士を選びましょう。
フレンドリーな感じで、こちらからも気軽に質問がしやすい弁護士を選ぶと、後々ストレスがかからず、安心して手続きを進めやすくなります。

(4)連絡がとりやすい事務所を選ぶ

過払い金請求を依頼する弁護士を探す場合、連絡がとりやすい弁護士を選ぶことも重要です。

弁護士の中には、「忙しい」などの理由で非常に連絡がとりにくい人がいます。
いつ事務所に電話しても不在で事務員しか出なかったり、折り返しの連絡もほとんどないケースもあります。
メールを出しても返信がなかったり、面談の予約を入れようとしても「予定が詰まっている」と言われてまったく予約を入れられないケースもあります。

このように、連絡がとりにくい弁護士に手続きを依頼してしまうと、手続中多大なストレスがかかります。
今現在手続きがどうなっているのかと不安になっても、確かめるすべもありません。きちんと手続きが進んでいるのかどうかすらわからなくなります。

そこで、過払い金請求を依頼するには、連絡がスムーズにとりやすい弁護士を選びましょう。
当初に面談の予約をした際に、すぐに面談の予約を入れてもらえたか、事務所に電話した際に弁護士につないでもらいやすいか、折り返しの連絡があるまでの期間やメールへの返信の有無、かかる期間などをチェックしましょう。

このようなことに注意をして、過払い金請求に強い良い弁護士を選ぶと、スムーズに高額な過払い金の回収ができて手続きに成功することができます。

まとめ

今回は、過払い金請求に強い弁護士の選び方と司法書士との違い、弁護士探しの際の注意点について解説しました。
過払い金請求に強い弁護士を探す場合、まずはホームページの記載をチェックして、その後実際に弁護士と面談して依頼する弁護士を決めましょう。
複数の事務所を比較することも重要です。

過払い金請求をするなら、司法書士より弁護士にメリットが大きいので弁護士に依頼すべきです。
弁護士を探す場合には、費用の説明が明確であり、手続きについての説明やわかりやすく話しやすいこと、連絡がとりやすいことなどが重要な注意点になります。

今回の記事を参考にして、良い弁護士を見つけてできるだけ多額の過払い金を回収しましょう。

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