環境への関心が高まった今、よく耳にする言葉、「エシカルファッション」。みなさん、正しく理解しているでしょうか。
ここでは、「エシカルファッション」の意味や基準、私たちができることを紹介していきます。
これを読んで、地球に優しい取り組みを毎日の生活に取り入れていきましょう！
目次
１、エシカルファッションとは？
（１）エシカルファッションの意味
「エシカルファッション」とは、直訳すると「倫理的なファッション」のこと。
分かりやすくいうと、「地球と人に優しいファッション」を指します。
例えば、環境に負荷がかかりにくい素材を使用によって地球に優しかったり、人権に配慮された生産によって人に優しかったりします。
（２）エシカルファッションの10の基準
2004年に設立されたエシカルファッション推進団体The Ethical Fashion Forumでは、エシカルファッションの基準を次のように定めています。
①ファストファッションや環境に害のあるファッション消費に反対している
Countering fast, cheap fashion and damaging patterns of fashion consumption
②生産における労働者の賃金や権利、健全な労働環境を守っている
Defending fair wages, working conditions and workers’ rights
③持続可能な暮らしの助けになっている
Supporting sustainable livelihoods
④有毒な農薬や化学薬品の使用に抗議している
Addressing toxic pesticide and chemical use
⑤環境に優しい繊維や素材を採用している
Using and / or developing eco-friendly fabrics and components
⑥水の使用を最小限に抑えている
Minimising water use
⑦リサイクルをして、エネルギーを無駄にしていない
Recycling and addressing energy efficiency and waste
⑧サステナブルなファッションをつくりだし推し進めている
Developing or promoting sustainability standards for fashion
⑨人々の環境に対する意識を向上させる取り組みをしている
Resources, training and/ or awareness raising initiatives
⑩動物の保護に取り組んでいる
Animal rights
２、エシカルファッションの起源
では、どうして「エシカルファッション」が注目されるようになったのでしょうか？
それは、ある悲惨な事故が発端でした。
出典：bbc.com
2013年にバングラデシュで起きた「ラナ・プラザの悲劇」。
ファッションブランドの縫製工場が入った、8階建てのビル「ラナプラザ」が崩落し、死者は約1,100人、行方不明者は2,500人以上に上りました。
この事故の原因は、世界的なファストファッションブランドによる労働者の権利を無視した劣悪な労働環境。
ブランド側は、「大量生産・大量消費」のビジネスモデルを保つため、労働者を低賃金で雇い、危険な現場で働かせていました。
これをきっかけに、ファッション業界における倫理観が見直され、「エシカルファッション」の考えが広がっていきました。
３、エシカルファッションに取り組んでいるブランド
エシカルファッションの知識がついたところで、エシカルな商品を展開しているブランドをご紹介します。これらの服を購入するだけであなたも地球を守る行動がとれます！
（１）GUCCI
出典：gucci.com
グッチは、環境に配慮した「Gucci Off The Grid」コレクションを展開。
再生素材やオーガニック素材、バイオベースの持続可能な原料による素材を使用しています。さらに、「地球と人々の未来のために」をコンセプトにした「Gucci Equilibrium」プロジェクトも立ち上げています。
（２）Stella McCartney
出典：ステラマッカートニーは2012年から環境損益計算書を作成しており、環境負荷を減らす取り組みを実施しています。こちらのリジェネレーテッドカシミヤジャンバーは、再生カシミヤを利用することで環境負荷が7分の1まで軽減。その他、再生ナイロンや再生ポリエステルを使用した製品も多くあります。
（３）Levi‘s
出典：levi.jp
デニム製品で有名なリーバイス。途上国での水不足が深刻な中、デニム製品の工程には多くの水が必要です。そこでリーバイスは、2011年に従来の96％の水を排除する「Water<Less™製法」を確立しました。これまでに30億リットル以上の水を節約しています。
（４）RALPH LAUREN
出典：ラルフローレンは、2019年に「アースポロ」シリーズを発表。ペットボトルのみで作られた革新的な素材を使用して、水を使わない染色技術で出来上がっています。ペットボトル処理や水不足の問題を解決してくれる製品です。
（５）EVERLANE
出典：流行にとらわれないサスティナブルな商品展開をしている、エバーレーン。「ReNew」コレクションはリサイクル素材を100％使用しています。リサイクル素材で作られているにもかかわらず、機能性も抜群。まさに地球に優しいアパレルメーカーです。
（６）Patagonia
出典：patagonia.jp
パタゴニアは、1996年から100％オーガニックコットンを使い始め、世界のサステイナブル製品の先駆けとなった衣料品メーカです。オーガニックコットンだけでなく、リサイクル素材やフェアトレード製品も取り入れています。
（７）H&M
出典：2.hm.com
衣服ロスの直接的な原因であるファストファッションでも環境への関心は高まっています。H&Mは、「CONSCIOUS PRODUCTS」を展開していて、サスティナブルな製造工程を意識しつつも、ベストプライスで商品を提供しています。
（８）無印良品
出典：muji.com
地球や動植物、生産者に気を配った商品を展開している、無印良品。「再生コットン混」シリーズでは、製品を作る工程で出る端切れとオーガニックコットンで作られた素材が使用されています。
４、服を買うだけじゃない！誰でもできるエシカルな取り組み
環境に配慮しているブランドを紹介してきましたが、中にはハイブランドもあり、エシカルを意識したファッションの難しさを感じた人も多いはず。
しかし、日常的に行えるエシカルな取り組みもあります！
（１）素材を見て買う
服を買うとき、思わずデザインやカラーで決めてしまいますよね。
その習慣を変えて、たまには素材をチェックして服を購入してみませんか？
例えば、化学物質や化学肥料を一切使っていないオーガニックコットン。また、排水整備がなされた工場で生産された天然皮革のエコレザー。これらの素材が使われた服にぜひ挑戦してみてください！
（２）一度買った服を長く使う
毎シーズン、プチプラアイテムを購入してワンシーズで着なくなり、新しい服をすぐ買っていませんか？実は、その行動、環境にとても悪影響を及ぼします。一度買った服は長く大切に着ましょう。雑誌でも「捨てないおしゃれ」特集(MORE2021年3月号)がされるほど、長く着られる定番のデザインやオールシーズン着られるアイテムが今人気です。
（３）着なくなった服を捨てない
「衣服ロス」。この言葉をご存知ですか？まだ着られるにもかかわらず、服が大量に廃棄されています。それを解消するために、消費者の私たちは着なくなった服を捨てないようにするのが大切。フリマアプリを使ったり、寄付したりしましょう。
（４）リユースショップを利用する
ハイブランドアイテムもリユースショップなら安く手に入ります。お財布にも環境にも優しい買い物がリユースショップならできます。
５、エシカルファッションを取り入れて充実した暮らしを！
エシカルファッションの意味や誰でもできる取り組みを紹介してきましたがいかがだったでしょうか？環境に気を配った行動は、ハードルが高く感じますが、決してそんなことはありません！
多くの人が少しでも普段の習慣を変えるだけで持続可能な社会につながります。
