「成功する事業計画の作り方」を知りたい。

あなたは今そうお考えではないですか?

世の中には事業計画書の作り方の本や動画が溢れています。

でもいきなりぶっちゃけると、多くの「事業計画書の作り方」は作っても使えない、もしくはその通りやっても事業が成功しないもの。

なぜか?

事業計画書というものは十分な知見・経験に基づき、かつ適切なフレームワークに沿って作らないと成功しないからです。

今回お伝えする事業計画書は、私山本尚宏が自社の事業を成功させるにあたって活用したものです。実体験に基づき作ったものだから成功するのです。

また、クライアント様の事業計画を作成することもありますが、今回お伝えする作り方で事業を成功に導いています。

是非、参考にして下さい!

目次

1、事業立ち上げ成功確率100%を可能にする事業計画書の作り方とは?

私は会社を3つ経営していますが、いずれも黒字です。日本には260万社ありますが、7割は赤字です。このコロナ禍でこの1年は9割以上は赤字と言われています。つまり黒字を維持し続けるのはかなり難しいと言えます。

うまくいっている理由に関しては、もちろん日々PDCAサイクルを回していることも大きいのですが、その基礎となっているのは事業計画書です。

事業計画の作り方が甘いと事業はうまくいきません。

逆を言うと事業計画書がきちんと作れていれば事業の成功確率は圧倒的に高まります。

売上・利益が伸びていることもあり、この1年でメンバーが約倍の55名ほどとなりました。

※現在週一出社で事業部ごとに分散して出社する形にしているので一部のメンバーですが、今年7月の私の誕生日の写真

2、そもそも事業計画書とは?

(1)そもそも事業計画書とは?

そもそも事業計画書とは、どのように事業を進めていくかの計画を書面で表したもののことを指し、ビジネスプランともいいます。

自分のアイデアを形にしようとしたときに、まずはどんなものを作って、どう売るのか、儲けることができるのかを具体化し、紙に落としていくことが必要です。

具体化していく中で、自分の事業計画の足りている部分、不足している部分が見えてきます。

事業計画書が必要になるのは、

  • 社内のメンバーにVISION、目標を指し示すため
  • VISION、目標を実現するためにどのような方針で(戦略)何をするか(戦術)を社内のメンバーに伝えるため
  • エンジェル投資家やVCに出資してもらうため
  • 銀行などの金融機関から融資を受けるため
  • IPOするにあたって監査法人や証券会社、東京証券取引所に見てもらうため

です。

 

(2)事業計画書の目的は?

そうすると、事業計画の目的は以下の通りです。

  • 社内のメンバーがどこに向かって何を頑張れば良いかの道標
  • 投資家(VCなど)や金融機関(銀行)に事業可能性を認めてもらって資金調達する
  • IPOする

では、次の項目ではこれらの目的を達成させる事業計画の作り方の全体像をお伝えしていきます。

3、事業計画書の作り方の全体像

(1)事業計画書で伝えるべきたった5つのこと

事業計画書というと小難しく考えられるかもしれませんが、伝えなければならないことはたった5つです。

①目的→Whyやりたいのか
②市況分析→このビジネスが勝てる理由
③ターゲット→Who
④Whoに提供する価値→What(ビジネスモデル)
⑤アクションプラン、人員計画、組織図→How

(2)10ページでまとめよ!事業計画書の構成は?

事業計画の構成は以下の通りです。

1、サマリー
(1)サービス概要
(2)会社概要
2、目的・社会的意義・数値計画
(1)目的
(2)理念・社会的意義
(3)数値計画(主に売上・利益)
3、市況分析
(1)Consumer
(2)Conpany
(3)Competitor
(4)Customer
(5)Community
(6)分析を踏まえた上でのビジネスの可能性
4、ターゲット(Who)
(1)ターゲットの詳細
(2)なぜそのターゲットなのか?
(3)数値計画とターゲットの関係→市場における母数×CVR×LTV
5、サービス(What)
(1)サービスの内容とターゲットへの価値
(2)ビジネスモデル
6、実行体制(How)
(1)マーケティング4P
(2)収支・財務計画
(3)組織体制と人員計画と役割分担
(4)実行スケジュール

それぞれについて詳しくは次の項目から解説していきます。

4、サマリーの項目

(1)サマリーとは

サマリーとはまとめ・要約を意味しており、この事業計画書で提案するものがどんなビジネスであるのかサービスの概要を簡単に説明する必要があります。また、運営予定の会社の基本的な情報をまとめておきましょう。

今回は事業コンセプトの考え方についてもいくつかご紹介します。

サービスの概要がすでに固まっている方は読み飛ばしていただいて構いません。

(2)サービス概要を考える

サービス内容とは、新しく考案する事業の内容そのものです。

新しい事業として魅力的かつ可能性を感じられるものを考える必要があります。

新しいアイデアを考える時に何もないところから産み出そうとしてしまいがちですが、実はアイデアの生み出し方には方法があるんです。

それは、「既存のものの組み合わせ」を作るということです。

それじゃ新しい斬新なものが生まれないんじゃないか?と思ったそこのあなた。

その考えは間違っているんです。

大きな変化を生み出すのは、思いもよらぬ組み合わせです。

既存のものであっても「何を組み合わせるか」によって新しい斬新な物を生み出すことができます。

あのスティーブ・ジョブズもスタンフォード大学の卒業スピーチで言っているConnecting Dotsです。

具体的な考え方としては他の業界にも目を向けることで今までにない新しい組み合わせを考えることが大切です。

たとえば

  • 富士フィルムの化粧水=フィルム技術×化粧品市場
  • ルンバ=地雷除去技術×家庭用掃除機市場

など。既存のものの組み合わせによって生まれたサービスは数多くあります。

とはいってもなかなかアイデアがでない…という方に二つの方法をご提案します。

①インプットを増やす

アイデアは多様なもの組み合わせと言いましたが、まず自分の中に組み合わせる要素がなければ意味がありません。

まずは自分の中に多くの要素を得るためにインプットの機会を増やしましょう。

②クロストライアルをやってみる

クロストライアルとは今までのインプットを試しにランダムに組み合わせてそこから事業の展開案を考えることで、ビジネス大喜利のようなものです。

クロストライアルで発想をより豊かにしていくためには、とにかく多くの人と議論しいろんなアイデアを出すこと、そしてそのアイデアを途中で消さないことが大切になります。

実現が不可能に思われるものであっても少し形を変えれば有効なアイデアもあるかもしれないからです。

すでに存在している市場の要素を多角的な視点で見ることができるようになり、今まで自分の思考を凝り固めていた固定観念を取り払うことができるようになるのです。

インプットの機会を増やしクロストライアルを積極的に進めることでアイデアや発想をより豊かにすることができるでしょう。

5、目的・社会的意義・数値計画の項目

それでは事業計画書の必須要素を確認していきましょう。

「何をするのか」についてまとめたら、なぜこのような事業を行うべきなのか「事業・サービスに取り組む価値」について考えます。

(1)目的

一つ目は目的です。

目的とはまさに「なぜこの事業をやろうと思ったのか?」です。

この事業を考えたきっかけであり、事業・サービスを思いつくまでのストーリーや出来事なども書けるとより良いでしょう。

事業を行う目的が明確かつ具体的であるほど魅力的になります。ご自身のこれまでの人生経験なども踏まえて目的を整理すると良いでしょう。

例えば私であれば、洋服が好きすぎて毎月洋服を30〜40万円購入した結果、バイトで学校に行く時間がなくなり大学を中退した経験があります。

その経験が元になり、アパレル系の事業を立ち上げました。

このように、事業を立ち上げた理由、きっかけを書くのが「目的」です。

 

(2)理念・社会的意義

二つ目は理念や社会的意義です。

サービスの目的の視座を少し高めて見たときに社会に対してどのような意義を持つサービスになるのか改めて整理することが必要です。

サービス実現の先に夢見る将来像(”インフラ基盤となるサービスにする”など)についても考えましょう。

 

(3)数値計画

三つ目は数値計画です。ここまで考えてきた目的や社会的意義の段階からより現実的な収益化を考えます。主に以下の3つを考えましょう。

①売上・利益
②顧客数
③過去からの推移や検証結果

サービスを継続すること自体にもコストはかかります。今後の顧客数、売上・利益の数値計画を3年後ぐらいまで立てておくと良いでしょう。

また、すでにサービスを開始している場合は過去からの推移もまとめます。

6、市況分析の項目

事業の目標や意義を確認したら市況分析を行いましょう。

市況分析とは企業を取り巻く市場環境の特性について、データ分析を用いて明らかにしていくものです。特に以下の5Cと呼ばれるものを分析していきましょう。

【5C分析】を行う

  • Consumer(消費者の理解)
  • Company(自社の理解)
  • Competitor(競合他社の理解)
  • Customer(流通などの中間顧客の理解)
  • Community(ビジネスを取り巻く地域社会の理解)

(1)Consumer(消費者の理解)

一つ目のCはConsumerです。

消費者の分析は主に二つの観点から分析すると良いでしょう。ここでいう二つの観点とは、量的理解と質的理解です。

量的理解とは消費者の年齢や性別、さらに家族構成などの基礎情報です。

一方で質的理解とは消費者のニーズや消費者に響くインサイトなどのことです。消費者がどんな悩みを抱えていて、商品に対してどんな願いを持っているのか分析しましょう。

(2)Company(自社の理解)

二つ目のCはCompanyです。自社や自社のサービスについて理解を深めていきましょう。

ここでは大きく3つ確認しましょう。

まずは「会社の目指す方向性」です。

どんなビジョンを掲げていて、どんな歴史や文化を持っているのか整理しましょう。

次に「使用可能な経済資源」を確認します。

経済資源として、自社特有の技術や工場設備などが考えられるでしょう。

最後に「自社の強みと弱み」です。他社と比較した時に自社が持つ強み、その一方で弱みとする点はあるか分析していきます。

(3)Competitor(競合他社の理解)

三つ目のCはCompetitorです。

こちらは基本的にはCompany(自社)と同様の視点で分析すると良いでしょう。

また、競合となり得る商材やサービスをリストアップしておきましょう。

(4)Customer(流通などの中間顧客の理解)

四つ目のCはCustomerです。Customerと言われるとよくわからないかもしれませんが、Amazonや楽天などの流通などが当てはまります。

中間顧客と直接関わる中で理解を深めていくのが良いでしょう。

(5)Community(ビジネスを取り巻く地域社会の理解)

五つ目のCはCommunityです。

世の中の変化や流行を幅広く社会の理解をしましょう。新聞やニュースなどを日常的にチェックしておくことが大切です。

(6)分析を踏まえた上でのビジネスの可能性

5C分析の全ての観点をふまえて、どんな市場があってビジネスの可能性がどこにあるのかまとめましょう。

 

7、ターゲット(Who)の項目

(1)ターゲットの詳細

①ペルソナ

ペルソナとはマーケティングのおける架空のユーザー像・人物モデルを意味しています。

よく聞く「ターゲット」という言葉との違いはより”深く、詳細に”人物像を設定していくことです。この商品を買って「幸せになるのはどんな人か」ということを意識して詳細な人物像を描きましょう。

②顕在的に抱える悩み

ペルソナを考えたら、そのペルソナが顕在的に抱えている悩みを考えましょう。

顕在的とは現れているという意味であり、顧客自身が気づいている悩みのことです。

③潜在的に抱える悩み

さらにペルソナが潜在的に抱えている悩みを考えましょう。

潜在的とは顕在的の対義語で隠れている悩みのことです。顧客自身もまだ気付いていない悩みにアプローチすることができれば新しい価値の提案につながったり、他社との差別化を図ることもできます。

④インサイト

先ほど考えたペルソナが抱える悩みから強烈な「インサイト」を考えます。

インサイトとは消費者が思わず買ってしまうような購入のきっかけです。

ここでインサイトとしての条件が3つあります。

  • 消費者にとって固定概念を覆す新しい発見があるか
  • 消費者にとって大きなベネフィットがあるか
  • そのブランドだからこそ実現できるものであるか

この三点を意識しながらインサイトを考えましょう。

⑤サービス・製品購入に至るにあたっての不安

消費者が抱える悩み、そしてその悩みへの訴求が決まったら購入に至るまでにどんな不安要素があるか、考えましょう。

⑥サービス・製品との接触時間・場所

最後にペルソナとされる人物がサービス・製品を利用する場所や時間帯です。具体的にイメージを膨らませておきましょう。

(2)なぜそのターゲットなのか?

顧客となるメインターゲットを絞ったらその商品やサービスが利用してもらえる理由となる部分をまとめます。顧客が抱えている課題がどのように解決されるのかを具体的な場面をもとに説明するのが有効でしょう。

(3)数値計画とターゲットの関係→市場における母数×CVR(シェア率)×LTV

ここでもう一つ、ターゲットの選定の際にヒントとなるのが数値計画とターゲットの関係を考えることです。市場規模とその中で目指すシェア率、LTV(生涯顧客価値)を考慮した上でターゲットにふさわしい顧客を選びましょう。

LTVとはLife Time Valueの略である一人の顧客が将来の関係全体に寄与する価値の予測のことです。

例えばある女性はコスメを初回とその後3ヶ月間定期購入してくれたとします。そうなるとこの女性のLTVは初回料金+3ヶ月分の料金ということになるのです。

8、サービス(What)の項目

(1)サービスの内容とターゲットへの価値

①サービス内容

ここでは事業で実際に扱うプロダクトやそのソリューションについて具体的に確認します。商品やサービスの使用の流れを確認しましょう。

また、内容に加えて利用シーンのイメージ画像や、プロトタイプを用意するようにしましょう。写真やビデオを見せることは非常に大事で相手のより具体的な理解につながります。

②ターゲットへの価値

・コアベネフィット

先ほどのWHOで考えたペルソナにとって最大の魅力を考えます。

その際に競合として最低限外せないポイント(POP)、他社との差別化ポイント(POD)の二つを満たしていることを確認しましょう。

・ベネフィット

その商品が消費者にとってどんないいことがあるのか、改めてまとめていきます。まとめるべき項目には以下のようなものがあります。

→権威性、実績、キモとなる重要な成分、簡便性、社会的証明、お得感、安心感

・競合優位性

先ほど挙げた競合他社の中から競合となりうる製品やサービスを整理していきます。

まず、競合製品・サービスの特徴、そして自社商品・サービスの優位性をまとめましょう。

その後に出てきた競合優位性をもとに戦略キャンバスとポジショニングマップを作成すると良いでしょう。

これらの作成によって新事業で顧客に提供される「価値」は何かという部分をより明確にします。

提供価値とは単に製品やサービスの具体的な内容だけではなく、それによって顧客にもたらされる価値(ベネフィット)を考える必要があります。

ここで基本となる顧客への提供価値は大きく3つあります。

  • 機能的価値:製品やサービスの機能
  • 心理的価値:所有によって優越感や自己実現ができる
  • 経済的価値:製品やサービスによって効率化ができる、コストが削減できる

機能的価値は先ほど出たような製品の具体的な内容のことを意味していますが、提供価値として機能的価値に加えて心理的・経済的価値の要素があることがポイントになります。

〈ポジショニングマップ〉

〈戦略キャンバス〉

この際他社に比べて優位なポジショニングをするために着目するべき点は、

「顧客が魅力を感じるか」

「自社で提供できるか」

「競合がまだ参入していないか」

というところになります。自社近辺の業界だけではなく広く競合を見極めましょう。

例えば、映画「鬼滅の刃」の競合は同じタイミングで上映されていたドラえもんなどの他の映画だけではありません。

広い意味では携帯ゲームやyoutubeなど、可処分時間を取り合う関係にあるあらゆるエンタメが競合になり得ます。

(2)ビジネスモデル 

①マネタイズモデル

マネタイズモデルとは収益を得る仕組みのことで、「誰から」どういった「名目」でどういった「方法」でお金を得るのかということを意味しています。

この際、売り上げよりも「利益」で目標を決めていくことが大切です。

なぜなら会社にとって必要なことはあくまでも利益を出すことであるからです。

課金の対象者を考える(誰からお金をいただくか?)

課金の対象者を考える際に製品やサービスを利用する人とお金を支払う人を分離するという視点も持っておくといいかもしれません。

例えばテレビの仕組みがあります。テレビを実際に見るのは視聴者であってもテレビ局にお金を支払うのはCMを出しているスポンサーです。このように製品の受益者と支払者を分離することを考えると通常とは少し異なる新しいマネタイズモデルが生まれることもあります。

利益モデルを考える

利益モデルには大きく3つのパターンがあります。

・マージン型

価格とそれにかかるコストの差(=マージン)を大きくすることで利益を上げる。

・回転型

低価格低マージンでとくにかく販売量を増やすことで利益を上げる。

・顧客ベース型

単発の売り上げよりも顧客のリピート、継続利用を目指すもの。先行投資して無料や低価格でのお試しを実施したりする。継続的に利用してもらうためにロイヤリティの維持・向上が必須で日々顧客のデータを活用し、顧客を逃さない仕組みが必要になる。

今まではマージン型と回転型が圧倒的でしたが最近は「顧客ベース型」が増えています。

事業モデルに最適な利益モデルを考えるようにしましょう。

対価の獲得方法

次は具体的な対価の獲得方法を考えていきます。

利益モデルでも取り上げたように、現在は売り切り型からの脱却と継続的な収益確保を目指すことが求められています。

そのため対価の獲得方法として以下の3点を検討するようにしましょう。

  • 別の課金名目での収益が見込めないか
  • 広く薄く取るのか、それとも狭く厚く取るのか
  • 固定収入を得るのか、それとも変動収入を得るのか

以下は課金名目リストになります。これらの名目が新しく作れないか、一度検討してみてください。

②顧客単価と顧客生涯価値

価格設定にあたって必要なのは「自社視点」「競合視点」「顧客視点」の三つの視点です。

  • 自社視点(コストプラス)=いくらで提供できるのか?
  • 競合視点(競合比較)=競合はいくらで提供しているか?
  • 顧客視点(バリュープライシング)=顧客がいくらなら購入するか?

ここで一番大切な視点が顧客視点です。

製品やサービスが顧客に提供する価値に見合った価格設定を心がけましょう。

また、収益性を高めるために二つのタイプの価格戦略があります。

一つ目は「浸透価値戦略」というもので低価格で提供することで早期に市場に浸透させ、シェアを拡大するというものです。販売数のボリュームを獲得することで利益をあげます。

二つ目は「スキミング価格戦略」というものでロイヤリティを高めて高価格で提供し高い利益率を上げるという方法です。

製品やサービスによって価格設定の際に価格戦略も考えると良いでしょう。

③バリューチェーン

バリューチェーンとは事業実現のために必要な流れのことで簡単にいうと「価値提供の仕組み」です。

この段階では今までの事業アイデアを儲けの仕組みにしていきます。

売り上げとコストの差をどう作り、利益を出していくかというビジネスモデルの詳細を構築していくのです。

バリューチェーンの構築にあたって様々な機能の流れを考える必要があります。機能といってもそのノウハウを持っているかどうか、そして持っていないのであれば調達可能であるか判断する必要があります。

最初に一般的に強みやノウハウになりうるものをあげておきます。

バリューチェーンの設計でポイントとなるのはオペレーション(運営)とマーケティング(販売促進)です。

要は新規事業を社内でどういったプロセスで運営していくのか、そしてその製品をどのような形で世の中に広めていくのか、ということです。

9、実行体制(How)の項目

実行体制を整える上で重要になるのがマーケティングと収支計画です。

ここではこの二つを中心にどのように事業を開始するのか説明していきます。

(1)マーケティング〜4P〜

顧客獲得のための訴求メッセージと具体的なマーケティングアクションを説明します。

まず製品やサービスのコアベネフィットに基づいた顧客へ訴求するメッセージをまとめます。考え方としては「顧客が何に気づけばその商品・サービスを購入するか?」という観点で考えると良いでしょう。

4Pとはマーケティング戦略の立案・実行プロセスの1つです。

  • Product(プロダクト:製品)
  • Price(プライス:価格)
  • Place(プレイス:流通)
  • Promotion(プロモーション:販売促進)

の四つの要素を指します。

この4Pに基づいてマーケティング戦略を立てましょう。

製品のどんな強みの要素(Product)をいくら(Price)でどのサイト・卸(Place)でどのように(Promotion)売っていくのか。

初期に考えたWHATの部分をさらに深掘りするイメージで進めると良いでしょう。

Productに関しては製品のベネフィットの要因となる重要成分を炙り出すことがポイントです。

4Pがしっかりと考え込まれた事業ほど成果が現れやすいでしょう。

例えばヘルシア緑茶のような健康志向のお茶。最近は当たり前に見かけるようになりました。ヘルシア緑茶を4Pに当てはめて分析してみると以下のようになります。

Product:

体脂肪の燃焼効果が期待できると厚生労働省から特定保健用食品の認可を受けている。

お茶に「健康」の考えを加えた。

Price:

従来のお茶より少し高価格に設定し、「少し高くても健康のために飲みたいお茶」という感覚を生み出す。

Place:

健康に気を使うサラリーマンを狙うために、スーパーよりもコンビニで販売。

Promotion:

多くの人の目に止まるテレビでCMを行い、認知を広げる。

このように4Pが考え抜かれた末にヒット商品やサービスが生まれているのです。

 

(2)収支・財務計画

それではマーケティングと同じぐらい重要な収支計画についてもみていきましょう。

①収支計画

キャッシュフローモデルを考えます。事業計画において本当に儲かるのかどうかという根拠の部分を示すものです。

主に事業の評価に必要なポイントは以下の通りです。

これらの質問にしっかりと答えられるようなキャッシュフローモデルを作っていきましょう。

具体的に売り上げ見通しの数字を出すことが必要になります。まずは見通しの作成方法について説明します。

【売り上げ見通しの作成】

ターゲットとする潜在市場の規模を明らかにした上で顧客獲得ペースを設定し各期の獲得顧客数に単価をかけることで売り上げ見通しを立てます。

潜在市場の規模感を知るためにはフェルミ推定を利用することをお勧めします。

*フェルミ推定

市場の金額規模=顧客数×取引頻度×取引単価

のように細かく分解して、それぞれの値をパブリックなものや取引再起からの情報で計算する方法。

また、顧客獲得ペースは右肩上がりにうまくいく可能性は低く、一般的にはS字カーブで想定しておくと良いとされています。

コスト構造の設計

また、コスト構造を設計し、収支の見通しを立てる際に欠かせない基準となるのが「損益分岐点」です。損益分岐点とは事業の利益を出すために必要な売り上げのことで「コスト=売り上げ」になるタイミングのことを指します。

ではコスト構造の設計について説明していきます。

まず第一段階としてバリューチェーンで検討したコスト項目を「固定費」「変動費」に分けます。そして売上高に対する変動費の割合を出します。

これらをもとにすると以下の式から損益分岐点での売り上げを求めることができます。

*損益分岐点売り上げ=固定費÷(1ー変動比率)

ここで出てきた損益分岐点での売り上げが市場規模と比較した時に可能な売り上げかどうか?どのくらい市場をシェアしたら実現するのか?という視点で現実的な売り上げになるようにコストや価格を調整していくのです。

市場に対して損益分岐点での売り上げが高すぎる場合、無駄削減でコスト(固定費、変動費)を下げる か価格を上げ変動比率を高める必要があります。

収支見通し

コスト構造が設計できたら表計算ソフトを用いて収支見通しを作成します。

  • 各期ごとの売り上げ(売り上げ見通し)
  • 各期ごとのコスト 
  • 初期投資額、追加投資額

の三つを入力してキャッシュフローの値を算出していくのです。

これらを考えた後で事業計画書には以下の5点を記載するようにしましょう。

  • 収支の規模感
  • 黒字化の可能性と達成時期
  • 将来の売り上げや利益
  • 粗利の見通し
  • 事業の特性と主な重要業績、評価指標

収支計画をまとめたら次はお金のやりくり(=資金計画)を考えていきましょう。

②資金計画

資金計画には以下3つの数字を記載するようにしましょう。

  • キャッシュフロー見通し、投資収益率
  • 初期投資と資金需要
  • 撤退時の最大リスク

最後にある撤退時の最大リスクというものは売り上げが伸びず、収益化が厳しくなった、予算を使い切ってしまった、などの理由で事業を撤退する時にかかる費用です。

この時の最大リスクとしては赤字になった分だけではなく、事業を市場から撤退するための費用も考えておく必要があるので注意しましょう。

③資金調達計画

ここからは資金をどう集めていくのか考えていきます。

資金使用用途、調達方法

必要資金は何に使うのか、そしてどれだけのお金をどこから借りるのかなど一覧表にしてまとめましょう。

条件、時期とプロセス

資金調達の時期や方法についても詳細に記録しておきましょう。

(3)組織体制と人員計画と役割分担

①創業者、社長、経営チーム

ここでは簡単に運営チームをまとめると良いでしょう。

運営会社の簡単な組織体系や新規事業の運営チームの構成、それぞれの役割をまとめます。

②アドバイザー、協力会社

社内チームに加えて外部組織の協力を必要とする場合はそれらの組織についてもまとめます。

③メンバーのスキルやリソース

①②で出てきた運営メンバーのスキルやリソースを簡単に表などで示せると良いでしょう。

④組織図、役割と権限

ここまでで出てきたチーム体系を一枚の図にまとめます。また、それぞれがどのような役割と権限を持っているかも簡単に記載しこの一枚を見たら新規事業チーム全体が把握できるようにします。

 

(4)実行スケジュール

実行スケジュールを立てていきます。

その前に、価値提供のために誰が何をするのか明確化するフローチャートを設計していくとよいでしょう。

オペレーションの段階で、業務と利用の二つのプロセスをまとめるようにしましょう。

業務プロセスは時系列で必要な業務項目と担当部署を整理したもの、利用プロセス図は時系列で企業と顧客の接点を整理したものにします。

いきなり完璧なオペレーションを組むことは不可能なのでまずはざっくりとした流れをつくり、具体的なものに作り込んでいくイメージで取り組みましょう。

 

  • 開発、製造、運営、管理

開発や製造からその運営、管理までの流れをまとめましょう。

  • 会議、連絡

会議や運営チーム間の連絡手段など具体的な部分を記載します。

  • 採用、評価

運営チーム内での評価方法なども簡単にまとめておきましょう。

  • コスト減やノウハウ化などの効果

オペレーションを通してどういった部分がコスト削減に繋がるかであったり、どのように社内にノウハウとして定着させていくかなども考えておきましょう。

フローチャートを作成し全体の流れがまとまったら事業を実現するまでのスケジュールを作成しましょう。

(5)重要なのは目標→戦略→アクションプラン→因数分解ができてるか!

ここまで計画を立てても実現できるケースは稀です。

それは「計画の立て方が甘い」などの理由もありますが、もっと多いのは

  • 目標達成のためのやるべきことが明確化できていない(目標→戦略→アクションプランとブレイクダウンできていない)
  • 個々のメンバーのアクションプランが明確ではない
  • 個々のメンバーがアクションプランをやりきれていない

あたりでしょう。

ですので、まず大事なのは目標→戦略→アクションプランとブレイクダウンすることです。

その上で、事業単位でのアクションプランを因数分解して個々人に落としていきます。

つまり、

  • 事業部単位でやるべきことを個人単位に因数分解していく
  • 個人の仕事を月次、週次、日次とブレイクダウンし各メンバーが今日何をすればが良いか明確になっている
  • さらに週次で個々人のアクションプランの遂行状況を確認できるようにする

ということです。

事業を成功させるためには全メンバーが能力を発揮しやり切ることが重要です。

そのために上記のような仕組みもきちんと導入しましょう。

10、事業計画書の作り方

(1)事業計画書に盛り込むべきもの

ではここまで解説してきた「事業計画書」の内容を一つの事業計画書にまとめていきましょう。最初にも説明したように事業計画書で伝えなければならないことはたった5つです。

  • 目的→Whyやりたいのか
  • 市況分析→このビジネスが勝てる理由
  • ターゲット→Who
  • Whoに提供する価値→What(ビジネスモデル)
  • アクションプラン、人員計画、組織図→How

この5つの要素を通して「事業の意義を伝える」ということです。

具体化されたビジョンで事業の取り組みを詳細に説明し、成功の根拠(データ)をもとに事業の可能性を言い切るようにしましょう。

(2)事業計画をプレゼンテーションする際のポイント

また、全体を通して説得力のある事業計画書にするために大事なポイントは以下の三つです。

  • ストーリー:説明する項目とその順序
  • コンテンツ:各項目の具体的内容
  • デリバリー:プレゼン時の口頭説明と質疑応答

コンテンツの内容はその事業計画書の目的に立ち返って考え、誰に何を伝えるのか整理しましょう。その際に相手の理解度を考慮して作成を進めることも大事です。

大まかな流れとしてはまず材料の整理を行います。

作成した事業計画をもとに論点やメッセージ、その根拠や他社の事例をまとめます。

材料が揃ったら全体の構成を作っていきます。

この時に大事なのがわかりやすい構成を心がけるということ。

わかりやすいストーリーには決まりがあります。

①趣旨や目的を示し「なぜ」聴く必要があるのか明確にする
②全体の構造を先に示し事前にイメージを持たせる
③聞き手が集中している冒頭にメッセージを伝える
④大事な項目は最後にもう一度繰り返して整理する
⑤情報量の取捨選択をしてできるだけシンプルにする

この5つを常に意識するといいでしょう。

また、イントロー本文ーまとめの順に論点とメッセージ中心に流れを考え、根拠と事例で賄っていくイメージです。この際に余分な情報は極力入れないようにしましょう。

構成が出来上がったらコンテンツとして形にしていきます。

まとめ方やデザインはわかりやすくシンプルにしましょう。このサービスの事業計画書を読む人が「わくわく」できるかどうかという視点を忘れないようにし、伝え方も文字だけではなく図や写真を用いるなどして読み手がイメージしやすいような工夫しましょう。

11、まとめ

ここまで事業計画の立て方から事業計画書への落とし込みまでまとめてきました。

かなりボリュームのあるまとめにはなっていますが、段階を追って確認しながら事業計画を立てていただけると嬉しいです。

そして最後までこの記事を読んでくださったあなたに私からプレゼントが!ここまでまとめてきた事業計画書の作成方法が凝縮された実際のテンプレートを無料で配布させていただきます!

また、作成の際は具体例を参考にしてみてください。この記事がお役に立てば幸いです!