北九州市 再建を果たした「小倉昭和館」 映画愛が紡ぐ地域の文化拠点
家で映画を観るのもいいけれど、たまには気分を変えて映画館に足を運んでみるのはいかがでしょうか?ミニシアターなら、他の映画館では上映していない特別な作品に出会えます。
そこでTVマガでは、日本全国の素敵なミニシアターを取材。ミニシアターならではの映画の楽しみ方をご紹介します。
目次
激動の歴史を歩んできた小倉昭和館
1939年、初代館主の樋口勇氏が「まちの人たちの喜ぶ顔が見たい」という思いで創業した「小倉昭和館」。
芝居小屋兼映画館としてスタートし、昭和の名俳優が訪れる活気ある劇場として愛されました。
ところが、時代の流れとともに姉妹館は次々に閉館。小倉昭和館だけが残り、その後も2代目館主樋口昭正氏による洋画やアニメ映画の導入、大規模改修、最新のデジタル映写機導入などで進化。
現館主樋口智巳氏のもとでは、映画上映以外にもトークショーや地域企業とのコラボイベントなどにも力を入れ、地域との発展を目指しているのだとか。
2022年8月、旦過地区で発生した大規模火災により小倉昭和館は焼失。一度は再建を断念するも、多くの人々からの支援により再建が決定。リリー・フランキー氏や地域住民の熱い支援を受け、2023年12月、同じ地に再建を果たしました。
独自の上映スタイルと地域密着の魅力
小倉昭和館の特徴は、テーマに沿った2本立て上映や、北九州で上映されない貴重な作品を積極的に取り上げる点です。
さらに、上映にトークイベントや期間限定の飲食物を組み合わせるなど、映画館での体験を超えた+αの楽しみを提供しています。
地元企業や個人の貸館利用にも対応しており、バンドライブや自主上映会など、多様なイベントの場としても利用できるのが魅力。
また、DLP映写機による高品質な上映だけでなく、北九州の劇場では唯一の35mm映写機での作品上映も行っています。
音響のクオリティは観客や映画人からも高く評価されており、良質な映画体験を提供するためのこだわりが詰まっているのだとか。さらに、休憩時間には館主自ら売店商品の販売や作品紹介を行うなど、温かみのあるサービスが魅力です。
【教えてくれた人】小倉昭和館館主 樋口 智巳さん
当館の座席は、場所に合わせて角度がついており、どの席からもスクリーンが見やすいよう設計されています。また、ご支援応援をいただいております映画人の方々の、お名前刺繍の入ったお席もございます。ぜひ迫力のある音響で、素敵な映画体験をお楽しみください。
映画鑑賞のお供に、焙煎世界大会優勝者が焙煎した当館自慢の昭和館ブレンドも、ぜひご賞味ください。
小倉昭和館館主 樋口 智巳さんおすすめの映画
①ニュー・シネマ・パラダイス
映画好きによる映画好きの為の映画だと強く感じる作品です。(館主樋口智巳の)祖父の時代から代々映画館を続けてきたこと、劇場が焼失し皆さまのご支援により再建を果たすことが出来たこと等、思い入れが強い作品であります。また、再建時のプレオープン作品として上映させていただきました。
②バケモン
まだ再建を目指している段階でご縁をいただき、他会場をお借りして上映させて頂いた作品です。また笑福亭鶴瓶様にもお越しいただき、落語会も合わせて行っていただきました。その時にいただいた「何もしなければ道に迷わないけど、何もしなければ石になってしまう。」という言葉に背中を何度も押していただきました。また、再建オープン時に再度上映させていただきました際に、山根真吾監督が特別映像を作ってくださり、「作品、いつでも上映していいから」と、監督と事務所社長様からおっしゃっていただいた大切な作品です。
③52ヘルツのクジラたち
福岡県出身・在住の作家町田そのこ様の小説を原作に映画化された作品で、完成披露上映会を当館で町田先生、成島出監督をお迎えして行いました。以前からのご縁がつながり、毎月当館で町田先生のシネマカフェ(トーク)&バーも開催中です。
読者の皆様へのメッセージ
皆さまのあたたかなご支援を頂戴いたしまして、また小倉昭和館として歴史を刻むことができました。創業100年を目指し、皆さまと共に歩んで参りたいと思っております。
北九州にお越しの際はぜひお立ち寄りください。ご来館を心よりお待ちしております。
小倉昭和館 店舗情報
住所:福岡県北九州市小倉北区魚町4-2-9
電話:093-600-2923
アクセス:JR小倉駅から徒歩約8分、モノレール旦過駅から徒歩約1分、西鉄バス停紺屋町より徒歩1分
公式サイト
※ページの情報は2024年12月27日時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。