扇町のアート文化を受け継ぐミニシアター「扇町キネマ」の見どころ
家で映画を観るのもいいけれど、たまには気分を変えて映画館に足を運んでみるのはいかがでしょうか?ミニシアターなら、他の映画館では上映していない特別な作品に出会えます。
そこでTVマガでは、日本全国の素敵なミニシアターを取材。ミニシアターならではの映画の楽しみ方をご紹介します。
扇町キネマとは
今回ご紹介するのは、2023年10月3日に大阪・扇町の複合施設「扇町ミュージアムキューブ(OMC)」のM2階にオープンしたミニシアター「扇町キネマ」です。
扇町にかつて存在した複合施設「扇町ミュージアムスクエア(OMS)」では、2003年に閉館するまで、演劇の公演やアート系の映画などが上映されていたそうです。
扇町に根付くそんな文化を継承するべく、2023年に開業した扇町ミュージアムキューブの中にミニシアターとしても活用できるスペースを作ったのが、扇町キネマ誕生の理由なのだそう。
扇町キネマとして上映を行うのは、月に3週間ほど。それ以外の日は演劇やダンスの公演を行うこともあるので、映画と併せて舞台を楽しむのもいいですね。
扇町キネマは多様な上映タイトルが魅力!
ジャンルの垣根を超えるような作品や、多様性のある上映タイトルが、扇町キネマの特徴です。
2023年10月3日オープン時のこけら落とし上映は、多様な恋愛のあり方が描かれた、ウォン・カーウァイ監督の代表作のひとつ「ブエノスアイレス」だったそう。
作品のテーマだけでなく、ジャンルもエンタメ系からドキュメンタリー、ホラーやアニメ、インド映画、音楽ものなどを上映しており、幅広い作品を楽しんでいただけるように工夫しているのだとか。
さらに、この施設には演劇、音楽、美術、映画などさまざまなバックグラウンドを持つスタッフが在籍。それぞれの専門性を生かした運営が強みで、スピーカーの音質一つとっても、作品の内容に合わせて音響テクニカルスタッフが調整しているとのこと。
映画上映に必要な備品は舞台テクニカルスタッフが担当するなど、作品上映への熱意とこだわりがひしひしと感じられます。
施設内には「マチソワ」というコミュニティ・サロンがあり、映画鑑賞の前後に立ち寄って、お茶を飲みながらお友達やスタッフさんと作品の感想を語り合えます。ぜひ利用してみてくださいね。
【教えてくれた人】扇町キネマ 宮下さん
扇町キネマは2024年10月に1周年を迎えたばかりの、まだ若いミニシアターです。これから観客のみなさまに育てていただき、より魅力的な場所へと成長させていきたいと思っています。
また、みなさまの生の声に触れることができるように、ロビーの一角に掲示板スペース「キネマポスト」をご用意しています。作品鑑賞後に感想など書いていただけましたら、私たちスタッフの励みになります。
みなさまのご来館をお待ちしております。
扇町キネマ 宮下さんおすすめの映画
①NTLiveハムレット
「NTLive」は、ロンドンのロイヤル・ナショナル・シアターで上演された傑作舞台を映像に収めたもので、特にベネディクト・カンバーバッチの主演が話題となったシェイクスピア悲劇「ハムレット」は、何度見ても色褪せない名作です。
②スワロウテイル
当館では、この1年で岩井俊二監督の3作品「Love Letter」「四月物語」「キリエのうた」を上映しました。次は「スワロウテイル」「リリイ・シュシュのすべて」「リップヴァンウィンクルの花嫁」などを上映できればと思っています。
「スワロウテイル」は私が大学生の時に公開され、その当時見た作品の中でも印象に残っているもののひとつです。映画を見る前にその世界観やキャラクターを、当時大ヒットしたYEN TOWN BANDのMVで知っていたという、あまりない入り方をした作品でもあります。
③鉄男
扇町キネマでは、2年連続して10月に塚本監督の『鉄男』を上映することになりました。監督からの要望で迫力のある大音量で上映しますが、ただ音量を上げるのではなく、「鉄男」の魅力を最大限引き出せるような音質、音圧にするべく試行錯誤しています。
また、扇町にゆかりの深い「劇団☆新感線」の舞台を映像化した「GEKI×CINEシリーズ」も、ぜひ扇町キネマにてご覧ください。
扇町キネマ店舗情報
住所:大阪府大阪市北区南扇町6-26 扇町ミュージアムキューブ(OMC)M2階
電話:06-6766-4166
最寄り駅:大阪メトロ堺筋線「扇町」駅(5番出口)から徒歩3分、JR環状線「天満」駅から徒歩7分、JR「大阪」駅から徒歩15分
公式サイト
※ページの情報は2024年11月15日時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。