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【映画ライターが分析】佐藤健・横浜流星・松坂桃李…眼差しで別世界に誘う、流し目の麗しい俳優

#横浜流星 #松坂桃李 #佐藤健 #SYO
2023年12月25日 by
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TVマガをご覧の皆様、こんにちは。映画ライターのSYOと申します。多くの役者さんについて書かせていただくようになり、日々“推し”の沼にズブズブと踏み込んでおります。

さてさて、皆さんは、役者さんのどこに魅力を感じますか? 細分化していけば、要素は無限にありますよね。ですが、ほぼ確実に「好き!」の上位に入るのは、目の演技ではないでしょうか。中でも破壊力抜群なのが「流し目」。ストレートに目線を向けるのではなく、あえて外す。或いは、置く。それによって、残り香のようなアンニュイな色気がそこはかとなく漂い、画面越しでも観る者をぞくっとさせてしまうのです。

今回は、そんな「流し目俳優」を僭越ながら3人選出し、ご紹介させていただきます。

引用:Amazon

攻めと受け、変幻自在の「流し目」マスター・佐藤健

引用:Amazon

まずは、流し目俳優の筆頭、佐藤健さんです。そもそも流し目って何ぞや?と思う方は、佐藤健さんが出演された映画「るろうに剣心」とドラマ「恋はつづくよどこまでも」をぜひ、ご覧ください。一発でわかるはずです。

流し目には、いくつかパターンがあると思います。大きく分けると「アッパー(攻め)」と「ダウナー(受け)」です。前者は、ぐいぐいと仕掛ける流し目。顔をくいっと上げて斜め上から見下ろすようなパターンですね。そっぽを向いているけど実はこっちを見ている、というツンデレ表現でも使われます。これは、「恋はつづくよどこまでも」に顕著です。

人気漫画「ハイキュー!!」の名ゼリフを引用するなら「この位置・頃合い・この角度…どんぴしゃり」。「超クールな医者」という役柄の属性と、見事に融合した流し目の絶技……。ここまで完璧なお手本を示されると、惚れない方が無理というもの。

寡黙で内向的なキャラクターが、伏し目がちの中で時折見せる目線の動き、これが後者の「篭(こも)る流し目」。これは、映画「カノジョは噓を愛しすぎてる」でも堪能できますが、「るろうに剣心」では、より進化した姿がスクリーンに刻まれています。

切れ長の瞳が美しい佐藤健さんですが、彼の「目の演技」が高速アクションと組み合わさると、戦闘中なのに「流し目」が発動してしまい、観ているこっちの情緒がおかしくなるという現象が生じます。つまり、剣技に「アガる」のに、表情に「悶える」という状態。感情をどこに持っていったらいいかわかりません。これが「るろうに剣心」の隠れた恐ろしさです。まさに、「流麗」。

これらの佐藤健さんの演技は、天性の才能も有りつつ、技術力の結晶。自分の“魅せ方”を完璧に把握しているからこその職人芸といえるでしょう。

脳に浸透する「文学的な流し目」の使い手・横浜流星

引用:Amazon

若手俳優で、目の演技に非常に秀でている方といえば、横浜流星さん。吸い込まれそうに深い眼差しで、様々な役に奥行きをもたらしてきました。彼の場合は、役が纏う空気全体が視線に集約され、「目の中に、すべてがある」と思わせるような「誘い、問う」流し目が素晴らしい。

映画「いなくなれ、群青」では、浮遊するような不安定な流し目や、或いは目線が不自然に固定された流し目を使い分け、謎が謎を呼ぶ静謐な文学ミステリーの世界観を見事に表現。セリフに頼らず、目線で物語るという難役でしたが、「読解力を込めた流し目」という稀有な方法論を見せてくれます。

ドラマ「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」では、ヒロインに催眠をかけるメンタリストを熱演。このキャラクターも「目線で誘導する」ことが重要視されており、横浜流星さんは目線の中に「ダマす/惑わす」といった甘美な“毒”を混ぜつつ、ふわりとした流し目でヒロインや視聴者を虜にしました。

劇中で役柄がどんどん変化する映画「青の帰り道」の中では、前半は無邪気で直情的なキャラクターだったのが、痛みを知って大人になっていく過程で、目線にも変化を加えています。変わっていく自分と、変わりたくない自分と……。逡巡する心を、流し目を効果的に使うことで体現しました。

和装姿が披露され、話題沸騰中の新ドラマ「私たちはどうかしている」では、浜辺美波さんと共に、容疑者の娘と被害者の息子という関係に引き裂かれてしまった初恋相手を演じるそう。放送開始時には、彼の最新型の「流し目」が観られることでしょう。

役への没入がもたらす「無意識の流し目」俳優・松坂桃李

引用:Amazon

コメディもヒューマンドラマもバイオレンスも……。どんなジャンルも、どんな役もこなせるスペシャリスト、松坂桃李さん。彼が見せる「流し目」は、やや特殊です。一言でいうなら、「無意識の流し目」。

どういうことかというと、役になりきるあまり、流し目が自然発生してしまっているのです。役者として「ここで流し目を入れると効果的だ」と計算して行っている感じが、彼からは全く匂ってきません。むしろ、観る側が「素敵な流し目……」と思っている“だけ”なのかもしれない。そのため、彼が出演作の中で魅せる流し目は、非常に自然です。

映画「娼年」では、淡々と日々を生きていた青年が、“娼夫”として働き始めたことで、包み込むような優しさと色気を纏っていく姿を味わい深く演じていますが、主人公の成長にしたがって、流し目がナチュラルに出てくるようになるのが興味深い。

ミュージシャンを熱演した映画「キセキ あの日のソビト」では、父親との確執や、シビアな音楽業界の中で厭世的になっていく役柄にのめりこみ、目線にも影響が出ていますし、不倫に走る軽薄男になりきった「彼女がその名を知らない鳥たち」では、相手を見つめる際の目線の流し方にスローな動きを加えることで、エロティックな要素を付加。

反対に映画「孤狼の血」では、男くささを前面に押し出し、射るような流し目を披露しています。時代劇に挑戦した映画「居眠り磐音」では、壮絶な過去を背負うが故の哀しみを、遠慮がちな目線で提示しました。

「流し目」というある種作為的なテクニックを、役の血肉に変換してしまう松坂桃李さん。実に探求しがいのある役者さんです。

まとめ

今回は文字数の関係で3人限定でご紹介しましたが、まだまだ「流し目」が印象的な俳優さんはたくさんいます。中村倫也さんや北村匠海さん、菅田将暉さん、海外の俳優さんも加えれば無限大……。同時に、人によって“推し”の「流し目俳優」も異なるもの。

そのどれもが素晴らしいと思いますし、「流し目」をキーワードに、それぞれの推しについて語り合う機会も、素敵ですよね。ぜひ、お気に入りの「流し目俳優」を探してみてください!

佐藤健、横浜流星、松坂桃李の歴代出演ドラマを星評価!

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佐藤健の歴代出演ドラマを星評価

横浜流星の歴代出演ドラマを星評価

松坂桃李の歴代出演ドラマを星評価

 

※ページの情報は2023年12月25日時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。

SYO (映画ライター)

1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイトの勤務を経て映画ライターに。「CINEMORE」「装苑」「CREA」等に寄稿。劇場公開映画の脚本・編集協力や映画祭の審査員等も務める。

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