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最高のヒーローを夢見て進化し続ける、デクと仲間で取り戻す未来の笑顔【ヒロアカ対談】

2023年3月24日 by
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WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で日本が14年ぶりに優勝!!侍ジャパンのヒーローたちは、ひたむきに努力し続ければ、夢は掴めるということを私たちに教えてくれました。

同じくヒーローをテーマにした、アニメ「僕のヒーローアカデミア」(以下ヒロアカ)第6期「黒いヒーロー編」がもうすぐ最終回。

オールマイトたちの静止を振り切り、たった1人で死柄木弔とオール・フォー・ワンを止めるため、血と泥に塗れながら奔走するデク。しかし心身は限界を迎えており、新たな刺客ディクテイターに苦戦…。デクの危機を救ったのは1年A組だった。

1年A組の仲間の想いを受け止め、デクは心を開き、雄英高校へと帰還。しかし避難所の役割を請け負った雄英高校にオール・フォー・ワンの標的であるデクがいることで自分たちに危険が及ぶと考える避難民から反発の声が…。するとお茶子が拡声器を手に取り皆の前へ。

デクが1人で戦い続けていたこと、疲弊していることを伝え、「ここを彼のヒーローアカデミアでいさせてください」と訴える。その想いは届くのか…。そして皆が笑顔でいられる明るい未来を取り戻すことはできるのか…。

ーーそんなクライマックスの盛り上がりの中、人気映画ライターでありヒロアカガチファンのSYOさんと、同じくヒロアカガチファンであり、日本社会の未来を見据え、粋々とした社会の実現に貢献したいと考える株式会社WonderSpace代表の山本尚宏さんに、ヒロアカの魅力を語っていただきました。

※週刊少年ジャンプ本誌最新話(※2/24時点)のネタバレがありますのでご注意ください

引用:https://twitter.com/heroaca_anime

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差別や教育など、日本の社会問題がリアルに描かれている

引用: コミックシーモア

山本尚宏(以下、山本):どうですか?ヒロアカは魅力がありすぎて、何からしゃべったらいいのか(笑)。

SYO:そうですね。他の作品との違いでいうと、やはり、すごく「社会」を描いているなと、個人的に思っていて。

山本:分析がさすがっすね。

SYO:超人ものとか特殊能力ものはこれまでもありましたが、ヒロアカは「人間に個性という特殊能力が発現したら社会はどうなる?」という前提が細かく練られていて、超常社会の説明から始まるところが、異質ですよね。最新シーズンでも、ヴィラン(敵)が溢れて社会が崩壊したらどうなるか?を描いている。非常にリアリティがあるんですよね。

山本:そうですよね。それが個性がある背景前提で描かれているから、変に生々しく、そして変な意味で生々しくならないんですけど。ただ、本当に僕らが生きてる世の中もありえるなという出来事が描かれているので、それがめちゃめちゃ素晴らしいなと思ってます。

SYO:ヒーローがそもそも公務員っていう設定!公務員ですよ。だから仕事であるっていうところも面白いです。教育も描かれてますしね。あと今アニメの方でも差別についてしっかり描かれています。

山本:そうですね。差別を描いてますね。

SYO:そういった社会問題がものすごくリアルに描かれていて、こっちが思うことを先回りしてどんどんどんどんやっていってくれる。

山本:確かに。その通りですね。

ヴィランでもヒーローに!自分次第で人生は何度もやりなおせる

引用: コミックシーモア

SYO:あとはヒーローとヴィラン(敵)の描き方もいいですよね。全然一元的じゃないし。

山本:そうですよね。今の漫画の原作の話になっちゃいますけど、ヴィランでもヒーローになれるよっていうメッセージがあって。本当に勝手なんですけど、少年院の子どもたちに見せてあげたい、と思ってしまいます。そういったメッセージもこもってるのかな?と思って見てます。

SYO:やっぱり、今って、どうしてもやり直しを許さない社会といわれていますしね。

山本:そうなんですよね。

SYO:少年漫画として「こういう道もあるんだよ」っていうことを見せてくれたりとか、戦うことになっても、何を考えて人に悪いことをしてるのかを知りたいっていうところまで描いてくれるから。

山本:確かに。

登場人物の心情をディティールまで丁寧に描く

引用: コミックシーモア

SYO:ちゃんと対話してるっていうのがいいですね。最近アニメでやったマスキュラーとの再戦でも、もう1回戦う時に「何でそういうことをするんだ?」ってちゃんとデクくんが聞く。

山本:聞くんですよね。

SYO:そう。ああいう細かいディティールが本当にいいんですよね。ヒロアカって。

山本:もうめちゃめちゃ深くて、ひとつひとつが。デクとお茶子のヴィランを理解してあげようというスタンスも、ついつい日常生きてると忘れちゃうけど、でも本当はとても大事なことだなと思って。ちゃんと思いをはせてあげているということが。

SYO:そうですね。ヒーローとヴィランというのは、あくまで信念の違いなんだっていう。善悪っていうのもちろんあるんだけど、信念の違いだからぶつかり合うんだっていうのは、世界的な映画を見てもそういう流れがあります。

山本:なるほど。

SYO:そこで対話ができるっていうことと、対話ができないっていうことが、映画におけるトレンドのテーマでもあるので、そこに完全にリンクしてるよな、ヒロアカ、と思いますね。

山本:僕ちょっとあんまりアメコミの映画とか観てないので、あんまり分かんないですけど。でもSYOさんのTweetを見ていると、スパイダーマンだと描かれてると書かれていて、そういうのって結構あるんですか?

SYO:ありますね。めちゃくちゃ。ヒロアカのベースにアメコミがありますから。堀越先生がアメコミがお好きっていうところで。

山本:そうですね。

SYO:最近デクが会得した個性の「危機察知」も、スパイダーマンが持ってるスパイダーセンスに被ってきますし、黒鞭はもう言わずもがなで。

山本:そうそう。

SYO:こういったネタはたくさんあって、トゥワイスっていうキャラクターのメインの回のタイトルが、ジョーカーの漫画版のタイトルだったり、寮生活が始まるときの「恵まれし子らの」ってセリフが『X-MEN』だったりするんですよ。バットマン然りアメコミが描いてきた社会とか、社会からこぼれ落ちた人がヴィランになっちゃうという視点はヒロアカに影響を与えていると思います。

ファンの期待を必ず超えてくるヒロアカ

引用: コミックシーモア

山本:それはジェントルに関してもそうかもしれないし、出てきたとき感動しますよね。

SYO:そうですね。アニメでもステインが再登場しますが、今原作の方では、これまでのキャラクターがまた違う立場で出てくるので、そこも本当におもしろいんです。

山本:最近の号では士傑高校が。

SYO:そうですね。駆けつけてくれたし、読者が待ってることをちゃんとやってくれる感動がある。

山本:そうですよね。すごくいいのが、内通者にせよ、ちゃんと納得できるじゃないですか?しっかり伏線を張ってて納得できる展開を書いてくれるからそのへんがすごくめちゃくちゃロジカルで納得感が増すという。

SYO:伏線の張り方がね、すごい。1話に出てくる髪型が特徴的なおじさんとかいるんですけど。

山本:1話ですよね。

SYO:そうそう。手裏剣刺さってるみたいな。その人もちゃんと出てくるし。

山本:そう。33巻から出てくるんですよね。

SYO:そう。全然モブだと思ったら。

山本:いや、そうなんですよ。

SYO:大事なキャラクターとして出てくるしっていう。ここもここも伏線なのか?とか。さっきの差別の話でいうと、警察回りのキャラクターに動物ルックが多いのですが……これも伏線で。

山本:動物ルックのゴリラとか。

SYO:警察とか公的な職業に、差別を無くすためにあえてそういう人を入れているのだ、というニュアンスから示されたりして、こうした政治的な動きって、僕たちの人類史にガッツリ関わってくると思うし。

山本:そうですよね。

SYO:それも?みたいな。キャラデザも全部伏線なの?っていう。何ループもして読んでます。

1年A組全員が切磋琢磨し成長する、ヒロアカ以上に素晴らしい作品に出会えない

引用: コミックシーモア

山本:僕の人生の中で、ヒロアカ以上に素晴らしい漫画に出会えるのかな?本当にそう思ってて。それこそジャンプでいったらドラゴンボールとか、スラムダンクも素晴らしいし、ワンピースも佳境で素晴らしい。そういうことをトータルで考えても、ヒロアカ以上に素晴らしい漫画ってないんじゃないかなって、僕は勝手に思っているんです。

SYO:分かります。僕もヒロアカの連載開始号、2014年のジャンプを未だに持ってるんですよ。捨てられないっていう。

山本:捨てられないですね。これ、絶対捨てられないですよね。

SYO:完全に神棚行き、みたいな。

山本:いや、神棚ですね。間違いなく神棚だな。

SYO:常にリアルタイムで追いかけてるので、9年ぐらいか。一緒に成長している感がありますし。

山本:本当そうですよね。しかも描かれる成長が、主人公のデクだけじゃないのもいいですよね。

SYO:うんうん。

山本:かっちゃんもそうだし、轟くんもそうだし、お茶子もそうだし、さらに言ったら死柄木とかもそうだし。

SYO:そうですね。

山本:深掘ってくれる範囲がめちゃくちゃ広いなと思ってて。だからそれがまたすごく素晴らしいというか。

SYO:あとアニメのね、アニオリ(アニメのオリジナルの演出)がすごくて。セリフがすっごい細かく足されてて。原作を読んで感動するっていうのもひとつなんですけど、これアニメになったら?って思う二重の楽しみがあるっていう。

山本:めっちゃ分かる!!語ろうと思ったら時間が足りないっすね。3時間はいけると思う。笑

 

【ヒロアカ対談】は次回へ続きます。

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プロフィール

SYO(映画ライター)

1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイトの勤務を経て映画ライターに。「CINEMORE」「装苑」「CREA」等に寄稿。劇場公開映画の脚本・編集協力や映画祭の審査員等も務める。Twitter「syocinema

山本尚宏(株式会社WonderSpace代表)

東京大学中退後、約3年間のフリーター生活を経て法律事務所に勤務。
その後、IT企業·広告代理店での勤務を経験し、2012年より参議院議員·弁護士である丸山和也氏の秘書を務める。PURPOSEは「マーケティングの力で日本の課題を解決する」

 

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TVマガ編集部

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