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【ドラマ語ログ】漫画家・東村アキコ「愛の不時着」「梨泰院クラス」よりハマった韓ドラとは?

#宮地ケンスケ #愛の不時着 #梨泰院クラス #ドラマ語ログ
2024年1月9日 by
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こんにちは、ドラマ大好き芸人のニブンノゴ!宮地です。

この連載は、ドラマが好きな著名人に私がインタビュアーとなってドラマの魅力、そしてドラマの話から派生したエピソードを取りこぼすことなくお伝えする内容となっています!第2回目のゲストは人気漫画家・東村アキコ先生!

実は私は芸人以外に放送作家もやっています。放送作家として初めて担当させてもらった番組が東村先生が代表の芸能事務所「東村プロ」のYouTube番組だったのです。

今回ダメもとでオファーをさせていただいたところ、快く承諾してもらいました!しかもドラマ関連の取材は初めてとのこと!そんなバージンを私がいただけるとは…

今年の運はこれで使い切ったと思っています(笑)

東村先生の初めて観たドラマから人生でハマったドラマ。そして東村先生の原作漫画のドラマについてもたっぷりと聞いています!

東村アキコおすすめ!死ぬほどおもしろい韓ドラは「椿の花咲く頃」

宮地ケンスケ(以下 宮地):東村先生、ドラマ関連の取材が初めてと聞きましたが。

東村アキコ(以下 東村):初めてなんですよ。だから私もすごく楽しみに来たんです。職場のスタッフって若い子が多いんですよ。だからスタッフと食事行っても世代が違うからドラマの話ってあまりできなくて。宮地さんって今いくつ?

宮地:44歳です。

東村:私と同世代なんですよ。やっぱドラマって同世代の人と話すのが一番楽しいじゃないですか? なので今日は遠慮なくいきます(笑)

宮地:アハハハー!遠慮なく喋ってください!ではさっそくですが…最近はドラマ観られてました?

東村:コロナの自粛中は韓ドラブームに完全に乗っかりました。

宮地:ということは、愛の不時着とか梨泰院クラス?

東村:もちろんどちらも見ました。っていうかNetflixの韓ドラはほぼ観ました。

宮地:す、すごい!

東村:自粛中はスタッフも自宅で仕事してもらってたんですけど、スカイプで韓ドラの感想をただただ語り合う日々が3ヶ月続きましたね(笑)

宮地:仕事そっちのけになってますよ!

東村:初めて若い子とドラマを共有できたから!うれしくて!

宮地:そのたくさん観た韓ドラの中で一番よかったのは?

東村:話題になった「愛の不時着」「梨泰院クラス」もすごく面白かったですけど、私が一番に挙げるのは「椿の花咲く頃」です!

宮地:すいません、今初めて聞いたドラマのタイトルです…。

東村:これもNetflixで観れるドラマなんです。「愛の不時着」とか「梨泰院クラス」って世界的に流行ったじゃないですか?韓国には年に一度、ドラマアワードがあり「椿の花咲く頃」は同じ年に放送されたんですけど、この2作品を抑えて12冠獲ったんですよ!

宮地:ええ?!すごい!

東村:とんでもないドラマなんですよ、このドラマは!面白すぎて大変!スタッフもみんな「愛の不時着」「梨泰院クラス」を超えたと口を揃えて言いますね。

宮地:よく”隠れた名作”なんて言いますが、本当に隠れてるもんなんですね…名作って(笑)

東村:テイストは日本でいうと山田洋次さんや倉本聰さんみたいな人情モノ。ざっくり言うと、田舎町にシングルマザーが引越してきて、その町でスナックを始めるっていう話なんですよ。ヒューマンなんだけどサスペンス要素もあったりで…っていうかめちゃめちゃ面白いんです!!

宮地:先生、声がとんでもなく大きくなってます!(笑)

東村:死ぬほど!死ぬほど面白いですよ!

宮地:漫画家さんでここまでの声量の人見たことないです(笑)声を読者にお届けできないのが残念です。

東村:韓国では史上最高傑作と言われているほどですから、宮地くんも是非観てください!

宮地:観ます!これで観ないと東村先生の絶叫が報われませんからね(笑)

「警視庁・捜査一課長2020」はコントみたいでハマる!

宮地:日本のドラマでハマっているのありますか?

東村:内藤剛志さん主演の「警視庁・捜査一課長2020」です。タイトルだけ聞くとおかたい刑事ドラマでしょ?でもすごい変なドラマなんです!ほぼコント!

宮地:これ、話題になってますよね?!僕がたまたま観た予告編はヤギが捜査を邪魔するっていうなかなかのカオスな内容でした(笑)

東村:全員棒立ちで喋るし、セリフも棒読み(笑)

宮地:演技派が揃ってるのに…。

東村:もっと気になるのが、変なタイミングでインサートが入るところ。とあるシーンで鏡餅ってセリフが出たら鏡餅のインサートが入ったりするの!はじめは「変なの」と思ってたんだけど、だんだんハマってちゃって…。これ、おすすめです。

宮地:まだちゃんと最後まで観たことなかったですけど、これをきっかけに観ます!

東村:話戻りますけど、なんでドラマって再放送しなくなったんですかね?私が漫画家やれてるのって再放送のドラマ観てたからだと思うんですよね。古いドラマから色々なことを知れることってあるじゃないですか?

宮地:それ、すごくわかります。

東村:この前、早起きしたら「暴れん坊将軍」が再放送してたんです。子供の時にちょこっと観た記憶はあったんだけど、ちゃんと観たことないなと思って1話しっかり観たんですけど、死ぬほど脚本が面白いんですよ!

宮地:え、そうなんですか?時代劇の脚本に着目したことないかも。

東村:めちゃくちゃ面白いの!1話完結の中にどんでん返しが2回くらいあったりして時代劇好きの知り合いにその興奮を伝えたら「あの時代の時代劇の脚本家は一流ばかりでレベル高かったな」って。

気になる脚本家は、野木亜紀子・徳尾浩司・徳永友一・田辺茂範

宮地:東村先生のドラマを観る上でのルールってありますか?

東村:私は脚本家で観るタイプかな。

宮地:必ず観る脚本家はどなたですか?

東村:最近だと野木亜紀子さんとか、「おっさんずラブ」の徳尾浩司さん。あとは「翔んで埼玉」を脚本した徳永友一さん。この徳永友一さんは私の「海月姫」もやっていただいたんですけど、その時にこんな脚本が巧い人がいるのか?!って衝撃で。それ以降、徳永友一さんの脚本ファンです。

宮地:先生の漫画がドラマ化される時って、先生の名指しとかではないんですね?

東村:今、脚本家さんって多いじゃないですか?だからおまかせすることが多いかも。ほんと手前味噌になるんですけど「美食探偵 明智五郎」の脚本を担当してくれた田辺茂範さんって方がいるんですけど、この方がもう天才なんです。

宮地:私も拝見してましたけどめちゃくちゃ脚本よかったですよね。

東村:ちなみに田辺茂範さんが昔、ロリータ男爵っていう劇団の脚本と演出をやってたんですけど、私その劇団のファンでしょっちゅう観に行ってたんですよ。で「美食探偵 明智五郎のドラマの脚本は演劇出身の田辺茂範さんという方が書いてくれます」って報告された時に「え?これってロリータ男爵の田辺茂範さんじゃん!」ってテンション上がりましたもん。

宮地:ファンだった劇団の脚本家が担当するって運命感じますね。

東村:まだドラマの脚本って数本しか書いてないですけど、間違いなく上に行く人です!「美食探偵 明智五郎」もコロナの影響で撮影方式が変わり二転三転する中、見事に対応してくださりました。

松村雄基の「美食探偵 明智五郎」出演を熱望。大映ドラマファンのオタ魂が報われる

宮地:初めて観たドラマは何ですか?

東村:初めて毎週観たのは「スチュワーデス物語」ですかね。

宮地:僕も観てました!片平なぎささんが恐かったですよね。

東村:私、冬学校で手袋していくと、口で手袋外すモノマネをよくやってた。それが友達に好評で「アキコちゃん!あれやってあれやって!」って言われて、ほぼ毎日やってました。人生最初のモノマネです(笑)

宮地:うちのクラスの女子もよくやってたな〜。

東村:少女期は大映ドラマを全部観ましたよ。大映ドラマと言えば松村雄基さん!去年、松村雄基さんの舞台を観に行ったんですけど、全く変わらずカッコよかったんですよ!大映ドラマファンとしては松村雄基さんを私のドラマにどうしても出て欲しいってプロデューサーさんに切望してたんです。で、私のわがままでこの前の美食探偵に松村雄基さんに出ていただいたんですよ。

宮地:ええ?松村雄基さんが出演されてたのにはそんな経緯があったんですね?!

東村:大映ドラマファンのオタ魂です(笑)

宮地:すごいです!

東村:大映ドラマ期を経て90年代のトレンディドラマが始まった感じですね。中学3年生の時に「東京ラブストーリー」が放送されたんですけど、国語の男の先生が「東京ラブストーリー」にハマり過ぎて設問が全部東京ラブストーリーだった(笑)

宮地:アハハハー!

東村:「あの日、あの時、あの場所で会えなかったら」を文節で分けろって問題(笑)

宮地:もはや漫才ですね!じゃあ90年代は月9にハマっていった感じですか?

東村:月9もよかったけど90年代はTBSの今井美樹さん主演「想い出にかわるまで」にすごくハマりました!

気になる俳優は滝藤賢一と劇団EXILE俳優!

宮地:近年でハマったドラマは何ですか?

東村:ここ数年で一番ハマったのは福田雄一さんの作品「アオイホノオ」。今でも半年に1回は全話見返すくらい好き!

宮地:私も福田雄一さんの作品の中で1番好きです!

東村:日本のドラマでおすすめあります?って聞かれたらこのドラマを勧めてます。

宮地:次の質問なんですけど、最近気になる俳優さんとかいますか?

東村:滝藤賢一さん。滝藤賢一さんが出てると必ず観ちゃいます。若手だったら劇団EXILEの俳優さん達。皆さん演技が上手なんですよ!劇団EXILEの見た目と演技力を持ってすれば、天下取れるんじゃないかってくらい強い布陣!最近観劇した舞台「勇者のために鐘は鳴る」は私、舞台けっこう観てますけど人生ベスト3本入るくらい面白かった!

宮地:確か「美食探偵 明智五郎」に出てた佐藤寛太さんも劇団EXILEのメンバーですよね?

東村:そうなんです!あの子、顔も良いし演技もうまいから、間違いなくガーンっていく可能性大ですよ!

「美食探偵 明智五郎」崖のシーンが生まれた理由は、崖が描けるアシスタントの出勤日だから!?

宮地:東村先生の漫画ってたくさんドラマ化されてますけど、ぶっちゃけ自分のドラマは観る派ですか?

東村:もちろん全部観てます!ほんとに役者さんとスタッフさんには、感謝とリスペクトしかないです。私がノリで描いたシーンを映像化していただくのがうれしいのと、申し訳ないのとで…。

宮地:申し訳ないとは??

東村:こっちはドラマにすると思って描いてないから…「私のヘタな絵のシーンを力入れて実写化していただいて…すみません」ってことがあるんですよ。

宮地:(爆笑)そんなシーンがあったんですか?!

東村:例えば、ドラマ側は、先生はこのシーンに深い意味があってやってるだろうから削る訳にはいかないって思っているかもしれないけど、こっちとしてそんなのあんまりなくて(笑)

宮地:ええ?

東村:漫画って、その日来てるスタッフが誰かで変わってくるから!今日◯◯さん来てるとわかったら「◯◯さんいるってことは今日、崖描けるじゃん!」って崖のシーンにしたりするんですから(笑)

宮地:ええ?!崖が書けるアシスタントいるから崖描こうってなるんですか?

東村:そう(笑)

宮地:そんなことあっていいのかよ!?(笑)

東村:逆に今日背景描ける人いないなってなったら「(ため息)ほな…海か」って。

宮地:(爆笑)

東村:無理やり海のシーンにもってって成立させる。だって海は線一本でいいですから(笑)締め切りに間に合わないですって言われたら「じゃあ海、海」ってなりがち。

宮地:それ聞いちゃったら次から先生の作品で海のシーン見たら手抜きしてるって思っちゃうじゃないですか?(笑)このくだり、先生の名誉のために書かない方がいいですよね?

東村:書いちゃっていいですよ。

宮地:書いていいんかい!(笑)

東村:だから、ドラマでちゃんと海のシーンとかをやっていただいてると申し訳ない気持ちでいっぱいなんですよ… 変えていただいていいんですよって。

宮地:美食探偵のキモとなる1話の崖のシーンも…。

東村:本当に申し訳ない!毎週毎週締め切りがきちゃうんですよ… 漫画家って(笑)普通漫画のドラマ化って「漫画の方が面白いじゃん」って言われがちだけど私の作品の場合は「ドラマになったらちゃんとなる」って(笑)

宮地:アハハハハー!今日の取材でどんだけ笑いとる気ですか?!(笑)でも先生のドラマは確実に毎回話題になりますよね〜。

東村:ほんとありがたい限りです!キャストがいいですよね「偽装不倫」も宮沢氷魚くんというみんながまだ見たことない「こんな子がいたのか?」っていう子をポンっと使われて話題になったりとか。

「偽装不倫」は実写化される前から、杏をイメージしていた!

宮地:東村先生の原作ドラマの中で印象に残ってるドラマって何ですか?

東村:印象に残ってる作品で言えば「主に泣いてます」ですかね。私の漫画が初めてドラマ化になった作品なんです。

宮地:そうだったんですね!?あれも菜々緒さんが主演で話題になりましたよね?

東村:菜々緒ちゃんが初めて演技したドラマなんですよ。しかも主役。当初はいきなりやってできるもんかなって不安だったけど、深夜帯だし、私も初めてのドラマだったからあんまり口出すのもなって思って。でも菜々緒ちゃん綺麗だし、顔はピッタリだからおまかせしたんです。で、蓋を開けたら演技が上手で。その後、女優としてもブレイクしたじゃないですか?私、思ったんですお芝居って、できる人っていきなりできるんだなって。

宮地:深いです!持って生まれたものなんでしょうね!

東村:つい先日「主に泣いてます」ぶりに菜々緒ちゃんと仕事で再会したんですよ。菜々緒ちゃんに「ほんとにあのドラマに出たことで私の人生が変わりました。あのドラマ出てなかったら女優やってないかも」って言われたんです。爆誕した瞬間を観れたって意味では印象深いですよね。ドラマは脚本だと思ってたけど役者の力で完成するっていうのを感じました。

宮地:漫画を描かれてて「この人が演じたらいいな」と思って、実際その人が演じたみたいなことはないんですか?

東村:「偽装不倫」は描いている時に「これがドラマになるんだったら杏ちゃんだね」ってアシスタントにすごい言ってたんです。

宮地:ええ?すごい!

東村:「でも杏ちゃんはやってくんねぇーか」とか諦めぎみに言ってたんですけど(笑)だから杏ちゃんが演じてくれるって聞いた時はすごくうれしかったです。

宮地:他にも「東京タラレバ娘」とかもみんなイメージ通りですよね!続編「東京タラレバ娘2020」もあるとネットニュースに出ていましたが。

東村:連ドラ終わった時にオリンピックがある年にスペシャルでやろうねって言ってたんですよ。あっという間に来ましたね。オリンピックは延期ですけど(笑)その間に田中圭さんはトップオブトップの役者になりましたしね。なのにスペシャル出てくれるって!素敵だよね〜。

田舎が舞台のドラマや壮大なスケールのドラマが観たい!

宮地:では最後に、ゲストにマストで聞く質問なんですが日本ドラマに要望とかありますか?

東村:そうですね… 日本のドラマって1クールが短いじゃないですか? 1話が大体50分くらいで9話か10話で終わるじゃないですか? もう少し長いスパンで観たいかな。あとは、地方ものが観たい。田舎町が舞台のやつ。朝ドラが人気なのは舞台が地方だからじゃないかなと。予算的に難しいとは思うんですけどね。でも私たちの世代は「北の国から」とかで育ったし、あの壮大なスケールのドラマを今後期待したいです。

 

東村アキコ
漫画家。宮崎県出身。1999年「ぶ~けデラックス」NEW YEAR増刊にて「フルーツこうもり」でデビュー。「ひまわりっ~健一レジェンド?」「ママはテンパリスト」「海月姫」「かくかくしかじか」「東京タラレバ娘」ほか、ヒット作多数。『海月姫』で第34回(2010年度)講談社漫画賞少女部門受賞、「かくかくしかじか」で第8回マンガ大賞、第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞、「東京タラレバ娘」で第6回ananマンガ大賞を受賞。

ニブンノゴ! 宮地ケンスケ(みやじけんすけ)
芸人・構成作家。1976年生まれ、高知県出身。趣味はドラマ鑑賞、ジャニーズのチェック、体を鍛えること。

写真:岡村大輔

※ページの情報は2024年1月9日時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。

宮地ケンスケ(ニブンノゴ!)

芸人・構成作家。1976年生まれ、高知県出身。 趣味はドラマ鑑賞、ジャニーズのチェック、体を鍛えること。

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