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非の打ちどころのない真正の天才!役者・林遣都の5つの才能

#林遣都 #SYO
2024年1月9日 by
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映画ライターのSYOと申します。日本のドラマ・映画界に欠かせない俳優さんの「5つの魅力」を分析する本企画も、ついに10回目。

今回取り上げるのは、先日ドラマ「世界は3で出来ている」で圧巻の1人3役を披露した林遣都さん。儚げにも、幼げにも見える得も言われぬ美しさがあり、一挙手一投足からドラマ性が立ち上る名優です。

1990年生まれの林遣都さんは、2007年ころから映画・ドラマに出演し始め、「おっさんずラブ」や「HiGH&LOW」シリーズで幅広い世代に人気が拡大。今日までずっとトップランナーで居続けています。

もはや説明不要のベテランであり、万能型の役者でもある林遣都さんについて分析することは、非常に難しい……。死角も弱点もなく、「林遣都」という名前がもう確固たるブランドのため、言うべきことがありません。

そのため今回は、映画を中心に、偏向したラインナップと個人的な「推しポイント」に注力して、語っていきたいと思います。ご容赦いただけますと幸いです。

引用:Amazon

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1 デビュー作から別格!尽きることない「演技派」の輝き

林遣都

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林遣都さんについて語るにあたり、やはり彼のデビュー映画「バッテリー」は欠かせません。原作は、あさのあつこさんの人気小説。監督は、「おくりびと」の滝田洋二郎さん。この盤石の布陣が敷かれた青春スポーツ映画で、林遣都さんは天才野球少年を瑞々しくも、ストイックに演じ切っています。

父親の転勤で、田舎に引っ越してきた才能あふれるピッチャー。野球一筋の彼は、自分が特別だとわかっているからこそ、周囲に対して傲慢な態度をとりがち。だけれどその裏には、病気がちな弟や母親への複雑な感情があって……。

「運動神経」「演技力」「微細な感情表現」など、高いスキルが要求される難役ですが、林遣都さんは彼以外の役者では考えられないほど、見事に体現。本作で見せた「少年らしい傲岸不遜さ」は、最新出演作であるドラマ「世界は3で出来ている」に至るまで、彼の得意技であり続けています。

真白いユニフォームに身を包み、マウンドに立つ林遣都さんは、荘厳ささえ感じさせる存在感を放っており、日本映画界に新たなスターが誕生したことを高らかに宣言するよう。林遣都さんはこの「バッテリー」で、数々の新人賞に輝きました。

2 アスリート役に次々と挑戦!スポーツも万能

「バッテリー」が神がかり的なハマり役だったこともあってか、林遣都さんのキャリア初期の出演作は、スポーツ映画が多数。

池松壮亮さん、溝端淳平さんと共演した映画「DIVE!!」では飛び込み、北乃きいさんとの共演映画「ラブファイト」ではボクシング、三浦しをんさんの小説を映画化した「風が強く吹いている」では駅伝と、全く違った種目に挑んでいます。そのどれもで異なる表情を見せつつ、本気のパフォーマンスを披露しているのは、今観てもスゴい。

「DIVE!!」では、高さ10メートルのジャンプ台から飛び込むという、想像するだけで縮み上がりそうなシーンにも自らチャレンジ。10代の躍動する肉体がまぶしい……!

そして……。忘れてはいけないのが、「HiGH&LOW」シリーズで見せた、狂気のケンカバトル。大勢に囲まれてもひるむどころか不敵に微笑み、相手を徹底的に痛めつける姿には戦慄させられます。

「HiGH&LOW」シリーズでは、“復讐の壊し屋”の異名を、全身で表現した林遣都さん。「ラブファイト」では180度異なる気弱ないじめられっ子を演じており、役柄の幅広さもさすがとしか言いようがありません。

3 キャリアを積んでも若々しさが衰えず!永遠の「少年性」

先ほど、林遣都さんの演技の特長を「少年らしい傲岸不遜さ」と書きましたが、彼の演技はキャリアを積んでもずっと「青い」。これは、驚嘆すべき才能です。

通常、彼ほどのキャリアがあれば、演技はどんどん円熟味が増し、重く渋くなっていくもの。ですが、林遣都さんの場合は十余年経っても「鮮度」が一切落ちない。先日放送されたドラマ「世界は3で出来ている」では3つ子を演じていますが、リモートワークになって出世した次男のドヤ演技、純粋無垢でノリのいい三男のフレッシュな演技など、長らく映画・ドラマ界を引っ張ってきた人物とは思えないほど軽やかなのです。

彼のキャリアで重要な位置づけの作品には、ドラマ・映画と展開した主演作「荒川アンダー ザ ブリッジ」がありますが、そこで演じた大企業の社長の御曹司と本作を比べると、演技の成熟度は上がっているのに、見た目の若々しさや少年性は遜色ない。7・8年経っているのに、です。時を止める魔法でも使っているのでしょうか。

「荒川アンダー ザ ブリッジ」と「世界は3で出来ている」の間に入るのが、市役所職員を演じたゾンビコメディドラマ「玉川区役所 OF THE DEAD」や、庭師の見習いに扮したドラマ「京都人の密かな愉しみ Blue 修業中」ですが、並べてみても「か、変わらない……」とうならされるはず。

ずっと老いることなく、ずっと美しい。林遣都さん、とんでもない人です。

4 異性・同性関係なくラブシーンを演じられる、貴重な存在

「永遠の少年」といってもいい、不老の魅力。しかし、林遣都さんは意外とラブシーンにも挑んでいるのです。

例えば、瀬戸内寂聴さんの小説を映画化した「花芯」では、性の欲動を解放していくヒロインの夫に扮し、過激なベッドシーンで魅せます。彼のキャリアの中でも、かなり珍しい役どころといえますが、妻の愛を得られない夫の苦しみや嫉妬心を丁寧に編み込んでいて、非常に観ごたえがあります。

そして……異性だけではなく、同性とでも美しいシーンを生み出せるのが、林遣都さんの恐ろしいところ。金髪に染めて出演した映画「パレード」ではミステリアスな男娼、映画「悪の教典」では美術教師と関係を持つ男子高校生と、過激な作品で重要な役どころを担っています。この2作で芳醇に振りまく、妖しい色香にも注目です。

彼の新たな代表作「おっさんずラブ」も、林遣都さんだからこそ違和感なく、多くの視聴者に受け入れられたのかもしれません。ちなみに、ベジタリアンでゲイの教師を演じた映画「にがくてあまい」も、素敵な作品。クールだけど、毎日お弁当や夕食を作ってくれる優しい人物で、白シャツ姿で料理を作るシーンは眼福です(お風呂上がりのサービスカットもあります)。

5 正義にも悪にも染まる――圧倒的な「役柄の広さ」

さて、最後の項目です。ラストは、当たり前のことを書きましょう。「林遣都は、どんな役でも出来てしまう」。これまでの項目でも、彼が演じた様々な役どころを紹介してきましたが、これらはほんの一部。

市原悦子さんと共演した映画「しゃぼん玉」では、ひったくりや傷害事件を起こし、山中に迷い込んだ逃亡犯に扮しました。村の人々に居場所を与えられ、罪を償おうとする姿は、涙なしでは観られません。Netflixドラマ「火花」では、関西から上京したお笑い芸人を生活感たっぷりに演じています。どちらも、全身全霊の“泣き”の演技が出色。心の底から感情がとめどなくあふれ、ボロボロと泣く林遣都さんの演技は、観る者の感情をぎゅっとつかんで離しません。

映画「闇金ウシジマくん」ではビッグになろうと画策する危うい青年、映画「チェリーボーイズ」ではくすぶっている童貞、「ギャングース」では闇商人と、アウトローなキャラクターも多く演じています。

個人的に“推し”なのは、ドラマ「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」で演じたプロファイラー。正義と悪の狭間にいるダークヒーロー的な役柄を、完璧な配分に切なさを添えて演じています。サイコミステリーとしてもクオリティが抜群なので、おすすめです。

まとめ

林遣都さんについて語るときに、とても困るのは「ここから急に伸びたよね!」とか「これがターニングポイントだったよね!」が見当たらないこと。デビュー作から突き抜けて演技達者で、まったくぐらつかない“真正の天才”。非の打ちどころのない存在なのです。

今後、年内には、佐藤健さんと共演する映画「護られなかった者たちへ」が控えており、2021年には小松奈々さんと共演する映画「恋する寄生虫」の公開が予定されています。林さんは「恋する寄生虫」について「きっと今まで見たことのない恋愛映画になっている」とコメントを寄せており、期待が高まります。

林遣都さんは、例えるなら「源流水」。こんこんと湧き出る、冷たくて清らかな純度100%の水。その透明度は、何と混ぜても順応するのです。私たちはこれから先、何度彼の“引き出し”に驚かされ続けるのでしょうか。きっと、彼が演じ続ける限り、止まることはないのでしょう。彼こそが、ゼロから役を生み出す“無限の源流”なのだから――。

林遣都 歴代出演ドラマを星評価!

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※ページの情報は2024年1月9日時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。

SYO (映画ライター)

1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイトの勤務を経て映画ライターに。「CINEMORE」「装苑」「CREA」等に寄稿。劇場公開映画の脚本・編集協力や映画祭の審査員等も務める。

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