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スクリーン映えするSixTONES松村北斗!カメレオン俳優への成長を期待【よしもと芸人が分析】

#宮地ケンスケ #松村北斗
2021年3月26日 by
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こんにちは!芸人であり、放送作家であり、脚本家であり、ライターでもある宮地ケンスケ(ニブンノゴ!)です。

TVマガでジャニーズの俳優を語る連載「Jアクター研究部」の第2回目、今回私が深掘りしたい人物はSixTONESの松村北斗さんです。

デビュー後すぐに挫折を経験、仕事がない日々も前だけを見ていた

大人気グループSixTONESのメンバーでもあり、今年は亀梨和也さん主演のドラマ「レッドアイズ 監視捜査班」にも出演。2月公開の主演映画「ライアー×ライアー」も大ヒット。そして2021年後期NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(ヒロインは上白石萌音さん、深津絵里さん、川栄李奈さんの3人)にも出演が決まり、今まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの松村さん。

最近の仕事を見ると、順調な経歴を歩んでいるように見えますが、松村さんはデビューしてすぐに挫折を味わっているのです。2009年2月にジャニーズに入所後、すぐに中山優馬さん、中島健人さん、菊池風磨さん、髙地優吾さんとで中山優馬w/B.I.Shadowを結成。その3日後には山田涼介さん、知念侑季さんが加わり期間限定ユニットNYC boysを結成。ですが2011年に中島健人さん、菊池風磨さんがSexy Zoneでデビューするため中山優馬w/B.I.Shadowは事実上の解散となり、松村さんはこの後、仕事が全くない状態に……。

しかし、松村さんは腐りませんでした。「やれることはやる」と先輩グループのバックダンサーで自分をアピールし続けました。その頑張りがとあるプロデューサーの目にとまり、テレビドラマ「私立バカレア高校」の浅田哲也役に抜擢されたのです。「私立バカレア高校」の次は榮倉奈々さん主演ドラマ「黒の女教師」にも出演。「私立バカレア高校」の不良役とは180度違う、ミステリアスな生徒の戸田トシオ役を熱演。ドラマに連投して出演したことで芝居に魅了された彼は、努力を重ね、ひとつひとつチャンスを掴んできたのです。

映画「坂道のアポロン」出演でしっかり爪痕を残す

映画「坂道のアポロン」ではどうしても出演したいとオーディションから参加したというのは有名な話。見事オーディションに合格し、役を掴みました。

映画の設定は1960年代、役どころは当時人気だったグループ・サウンズのコピーバンドのボーカル。松村さんは役作りのために髪をマッシュルームカットに。役作りは髪型だけにとどまららず、長崎方言もしっかり身につけ、完全にジャニーズタレントというオーラを自ら密閉し、その当時のリアルな高校生を見事に作り上げていました。

出番は多くなくとも、自分の演じるキャラクターをしっかりと生かしたいと、監督と徹底的に話し合ったと聞いています。

松村さんはこの映画で大きなインパクトを残します。「熱演」といった手垢がついた言葉では語れないほどの水準。この映画の監督やプロデューサーも口を揃えて絶賛しています。お世辞抜きで「坂道のアポロン」全出演者の中でいちばん、1960年代の世界観を作れていたのではないかと思います。

しっかり耳に残る、不思議な魅力のある声の持ち主

過去の経験が財産となってしっかり芝居に反映されていると私は感じずにはいられません。それは、大ヒット中の映画、松村北斗さん、森七菜さんW主演「ライアー×ライアー」で遺憾無く発揮されています。

「ライアー×ライアー」で松村さんが演じるのは、クールでイケメンなヒロインの義理の弟、高槻透役。ラブストーリーの王道設定というのは、元気な女子に、モテるツンデレ男子というのが相場。そのため、男子のボソッと喋るセリフは必然的。私みたいにモテない男ほど声をはる(笑)

そのボソッと喋る演技というのは、声がこもって聞き取りにくいのが一般的ですが、松村さんのセリフは、ボソッと喋るのにクリアに聞こえてしっかり耳に残る!逃げない!

鼻につく声に一瞬聞こえますが、それが心地よく、全く鼻につかない不思議な魅力の声の持ち主なんです。

ラブストーリー映画なのに、異例の4.0評価!レベルの高い男泣きも

ネタバレになるのでおすすめシーンを深掘りできないので残念ですが、演技面も本当によかった。前半はクールな演技にもかかわらず、後半は情緒不安定になってしまう役どころを見事に演じ切っていました。

ある別れの時がきて、その別れを受け入れることができず泣いてしまうシーンがあるんですが、この涙のシーンが役者としての素晴らしすぎるスキルを感じずにはいられなかったのです。

ただ、泣いてしまうのではなく悲しい現実を理解したい……理解しなければ……けれど、もがいている自分がいる。その葛藤する心を、涙を流すつもりはなかったけど、思わず出てしまったという形で表現していたのです。

これは男泣きのレベルでいうならA5ランク!

なかなかできるものではありません。鬼滅の刃の言葉を借りるなら「全集中」で挑んだシーンと私は予想します。

回想シーンの、玄関で崩れ落ちるお茶目な演技もすごく印象に残っています。

完璧主義のクールな男と見せかけておいて、子犬のようなかわいい一面も見せるという、ギャップのある演技を再評価した人も多いのではないでしょうか?

ストーリーは、王道ながらも緻密なロジックがストーリーに厚みを出していました。

某映画サイトでは漫画原作のラブストーリー映画では異例のレビュー4.0と高評価。こんな40代のおじさんが観ても満足できるんですから(笑)たいしたもんですよ(上から目線)

日本映画界を背負って立つカメレオン俳優へ

松村さんは、今後さまざまな場所で活躍すると思いますが、私個人の意見として言わせてもらうと、松村さんは非常にスクリーン映えするアクターだと思います。

いい意味で、見た目はあっさりしています。けれど、このあっさりは逆にいえば、どんな役でもインストールできるということ。だから「坂道のアポロン」のときも誰よりも世界観を放っていたのだと思います。

そのためか、ジャニーズ事務所の先輩、二宮和也さんと近いものを感じてしまうのです。

松村さんには今後の日本映画を背負って立つ、カメレオン役者への成長を期待せずにはいられません。

 

ニブンノゴ! 宮地ケンスケ(みやじけんすけ)

芸人・構成作家。1976年生まれ、高知県出身。趣味はドラマ鑑賞、ジャニーズのチェック、体を鍛えること。

写真:岡村大輔

※ページの情報は2021年3月26日時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。

宮地ケンスケ(ニブンノゴ!)

芸人・構成作家。1976年生まれ、高知県出身。 趣味はドラマ鑑賞、ジャニーズのチェック、体を鍛えること。

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