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衝撃作【推しの子】魅力を考察!アイ・アクア・ルビー・かな・あかねキャラ分析も

2023年6月5日 by
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TVマガをご覧の皆様、少しご無沙汰しております。SYOと申します。今回のコラムは、現在人気沸騰中のTVアニメ「【推しの子】」をご紹介します。

「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」の赤坂アカ先生(原作)×「クズの本懐」の横槍メンゴ先生(作画)という人気漫画家同士のコラボレーションで生まれた本作、コミックス既刊11巻までの累計発行部数は800万部を超え、4月にアニメ版が放送開始されると話題作がひしめく夏クールの新作の中でも抜きんでた存在となりました。

「【推しの子】」の人気の秘密はクオリティの高さはさることながら、日本の芸能界の裏側やSNS時代の功罪に切り込むセンセーショナルな内容、そして魅力的なキャラクターたちかと思います。本稿では作品の概要と各キャラクターの特徴を僕の目線で紹介させていただきます。なお、本記事はアニメ化済みの内容にとどめますのでご安心ください!

引用:https://twitter.com/anime_oshinoko

“推し”が生きる世界のもろさを可視化したストーリー

「【推しの子】」は、人気アイドルの子どもに転生した男女が芸能界に進み、のし上がっていく物語。16歳の女性トップアイドルが双子を妊娠・出産し(父親は不明)、公表せずに芸能活動を継続するもファンに襲われて殺傷されてしまう――。母を奪われた兄は実行犯の裏に“黒幕”がいると考え、復讐を遂げるために芸能界入り。妹は母のようなアイドルに憧れて芸能界入りと、動機は違えど兄妹が芸能人となり様々な仕事に挑んでいきます。

そもそも「推し」とはファンとして自分が追いかけている存在であり、ある種の“幻想”を抱いている相手でもありますが、その対象にも人生があるという“事実”が、本作の根底には流れています。恋愛をするかもしれないし、妊娠・出産もありうる。誹謗中傷に晒されれば心も破壊されるし、ストレスも多い環境で悩んで生きている――ということが、「ドラマやリアリティショーの舞台裏ネタ」と絡めて描かれるのが「【推しの子】」。

放送時にTwitterでトレンド入りした「恋愛リアリティショー」を題材にとった漫画自体が珍しいですし、出演者やプロデューサー、監督それぞれの思惑に、出演者の人生を消費する視聴者の加害性等々、描かれる内容がリアルタイム×シリアスで、観ているこちらも緊迫感が消えません。原作の「目が変わる」ギミックを効果的に用いた演出&作画、出演者の熱演といったクオリティも抜群に高く、独自性×時代性×品質が揃った傑作といえるでしょう(YOASOBI、女王蜂が手掛けたOP&ED主題歌も名曲!)。

そして、推せるキャラクターが次々と登場するのも「【推しの子】」の強み。以降は、メインキャラクター5人の魅力を紹介します。

一番星の生まれ変わり…不世出のトップアイドル、アイ

引用:Amazon

人気アイドルグループ「B小町」の絶対的エースで、不動のセンターである絶対的美少女。華やかなイメージの裏で、幼少期に母に捨てられて養護施設で育ち、「自分の気持ちより相手が欲しがる言葉を言う嘘つき」「愛情がわからない」という悩みを抱えています。そんなアイを変えた存在が、双子の子どもであるアクアとルビー。ふたりと過ごす時間の中で、アイに感情が少しずつ芽生えていくのが観る者を泣かせるのです……。

ごく一部の存在を除き周囲には2人との関係を隠しながら、大衆にとびきりの嘘=愛を振りまくアイ。ステレオタイプなアイドル像をぶち壊す存在でありながら、最期まで天性のスターであり続けた彼女が魅せた嘘と愛は、『【推しの子】』の根幹にかかわるテーマともいえるでしょう。

復讐に燃えるクールな兄・アクア

引用:Amazon

アイの出産を担当した産婦人科医師・ゴローが何者かに殺害され、転生した存在。何の因果か“推し”であるアイの息子に生まれ変わった(前世の記憶を保持した状態で)アクアは、陰ながらアイをサポートしつつ幸せな生活を送っていましたが、アイのストーカー化したファンが自宅を突き止め、母を殺傷したことで人生が一変。母の復讐のために生きるようになり、容疑者を絞り込むために芸能界入りを決意します。

クールな性格ながら、妹のルビーを何が何でも守り抜こうとしたり、誹謗中傷で追い詰められた共演者のあかねを救うために一計を案じたりと、熱い心の持ち主でもある一方、アイの死の真相を突き止めるためには周囲を容赦なく利用しようとするなど、危うい部分もあるダークキャラ。アクアの不安定さが、作品の緊迫感に一役買っています。個人的には、突出した演技の才がないぶん、見え方から逆算して芝居を構築していく“演出脳”を発揮するシーンに痺れました。

母の面影を宿したピュアな妹・ルビー

引用:Amazon

ゴローがかつて担当した患者・さりなが生まれ変わった姿。アクアが引くほどのアイの強火ヲタであり、アイの遺志を継いでアイドルになろうと日々奮闘中。母親譲りのルックスや人を惹きつける天性の才能の持ち主で、誰からも好かれる明るい性格は彼女の大きな武器。しかし、どが付くほど純粋なため(嘘を極端に嫌う性格)、「一筋縄ではいかない芸能界で生き抜くには危険」と感じたアクアたちにこっそり妨害工作されてしまいます……。

しかし彼女の決意は固く、最終的に折れたアクアのサポートで幼少期からの知り合いであるかなとB小町を結成。新人アイドルとして一歩を踏み出しました。ギャグ要員も担っており、シリアスな展開も多い「【推しの子】」の中で貴重な「周囲を明るくする」存在です。アイとルビーが共にレッスンに励むシーンはさりなの過去も絡んだ名シーンであり、母の面影をもったルビーが大舞台で化ける瞬間(アイが果たせなかったドーム公演の夢)を待ち望んでいる視聴者も多いのではないでしょうか。

屈折したかつての天才子役・かな

引用:Amazon

映画に出演するアイについていったアクアとルビーが、撮影現場で会った「10秒で泣ける天才子役」。当時は周囲にちやほやされ、己の能力を過信して傲岸不遜に振る舞っていました。しかしその性格が災いし、徐々に仕事が減ってしまいます……。アクアとルビーが彼女に再会したのは、高校受験の際のこと。かなは芸能人が多く在籍する高校に進学しながら再浮上の機会を狙っていたのでした。

そのきっかけになりそうなのが、各事務所が売り出したい若手タレントを集めた深夜ドラマ。主役を任されたかなは、自身の演技力を封印して周りを立てる役割に回るのですが、不完全燃焼感は否めません。その彼女を支えるのが、かなのコネで出演が決まったアクア。かなや共演者から生々しい芝居を引き出す汚れ役を演じ、かなにとって特別な存在へとなっていくのです。そしてかなはあれよあれよという間にB小町に加入。アイドルとしても活動を始めることになり……。

毒舌キャラではありますが、誰よりも苦労人。SNSのリテラシーが低いルビーをいさめたり、業界の作法を指南したりと実は面倒見がよく、アクアに好意を素直に伝えられない(だが割とだだ洩れ)ツンデレ属性など、観ていて飽きないキャラクターです。

ドン底から大逆転!生真面目な憑依型俳優・あかね

引用:Amazon

かなをして「目の上のたんこぶ」と言われる若手トップクラスの演技派女優。ただし努力家で生真面目な性格から、人の意見を聞きすぎるきらいも……。その部分が裏目に出たのが、アクアと共演した恋愛リアリティショー。役を徹底的にリサーチして没入するのではなく、その人がもともと持っている性格や素質が出やすいこの番組であかねは後れを取ってしまい、「アピールしなきゃ」と頭がいっぱいになった結果、アクシデントで共演者の顔を傷つけてしまいます。その様子が放送・配信されるとSNSで大炎上。誹謗中傷が膨れ上がり、追い詰められたかなは自殺未遂をしかけ、間一髪のところでアクアに救われます。

「【推しの子】」が持っている現実味を背負った超重要なキャラクターであり、彼女が憔悴していく姿に胸を痛めた視聴者が続出。しかしその後、「自分の素ではなくキャラ付けしたほうがいい」→「アクアの好みであるB小町のアイを参考にしたら?」という意見を取り入れ、演技力フル稼働でアイを“憑依”させ、周囲を驚かせます。あかねがアイ化したシーンは、石見舞菜香さんの名演も相まってTwitterでトレンド入りほどの反響を呼び起こしました。今後の活躍に対する期待も高い人物です。

まとめ

他にも、人情家のインフルエンサー・MEMちょやアクアとルビーの保護者であり事務所の社長ミヤコなど、「【推しの子】」にはまだまだ魅力的なキャラクターがひしめいています。物語的にも、ここからどんどん衝撃な展開が待ち受けています。原作も連載中ですし、一ファンとして長期シリーズ化を願っています。

 

※ページの情報は2023年6月5日時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。

SYO (映画ライター)

1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイトの勤務を経て映画ライターに。「CINEMORE」「装苑」「CREA」等に寄稿。劇場公開映画の脚本・編集協力や映画祭の審査員等も務める。

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