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映画「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション」沼入り必至!5つの見どころ

#SYO
2021年8月30日 by
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TVマガをご覧の皆様、こんにちは。映画ライターのSYOと申します。前回のコラムで『僕のヒーローアカデミア』(『ヒロアカ』)の魅力を5つのポイントで書かせていただきましたが、今回はその発展形。現在絶賛公開中の映画第3弾『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』の見どころを5つの切り口で紹介させていただきます。

なお、今回は基本的に「TVアニメ版を楽しんでいる」方に向けて書かせていただきます。そのため、劇場版はもちろん、未アニメ化の部分のネタバレは極力行わないように頑張ります(本当は本誌最新話まで絡めて語りたいところですが、それはまた別の機会に……)。

ただ、僕自身『ヒロアカ』の大ファンですし、ライトに振り切った文はたぶん、というか確実に難しいので、これまでのアニメの歩み等を思い返しつつ読んでいただいたり、或いは本作に張られたリンクなどからTVアニメをもう1回観返すお供に役立てていただければ嬉しいです。

引用:https://twitter.com/heroaca_movie

1 デクたちが世界へ! 映画独自の展開が熱い

本作は、タイトルにあるように主人公・緑谷出久(デク)たちが“世界”に飛び出すストーリーが展開します。劇場版第1作『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE 〜2人の英雄〜』でも国外には行きましたが、こちらの作品では海上に浮かぶ人工島でした。

今回は、オセオンという国や、アメリカ、フランス、シンガポール、エジプトにおなじみのキャラクターが散らばり、全世界でひとつの任務に挑む姿が描かれます。『ヒロアカ』史上、最大規模の物語が展開するわけですね。まさに映画にふさわしいスケール感です。

画的にもパワーアップし、異国情緒あふれる街並みを舞台に、デクが新たな個性「黒鞭」を使って飛び回るシーンが展開・作画・演出すべてにおいて激熱です(余談ですが、街中のチェイスシーンも橋でのアクションも、『スパイダーマン』を彷彿とさせますね)。全体を通して、冒頭の潜入シーン、中盤のチェイスシーン、佳境のバトルシーン等々、アクション演出がさすが劇場版!のクオリティで繰り広げられるので、終始飽きさせられることがありません。

また、『ヒロアカ』は元々「世界総人口の約8割が“個性”を有している」という設定から始まるので、世界のヒーロー事情は多くのファンが気になっているポイントでもありました。その辺りに多少なりともタッチしてくれるのは、嬉しいところ。

少々コアな見方をすると、かといって原作の展開や整合性を考えて風呂敷を広げ過ぎないという、絶妙なさじ加減も大きなポイントです。『ヒロアカ』は劇場版と原作が間接的・直接的にリンクしているので、映画だからといってやりすぎてしまうと破綻してしまいます。そうしたギリギリのラインを見極めつつ、スケールアップに挑んだのは、非常に苦労したことと思います。その辺りも天晴れ!

2 “オリキャラ”のロディが良い! 吉沢亮の演技も最高

そして、本作の最大の収穫はなんといってもオリジナルキャラクターのロディ・ソウルでしょう。デクたちが任務で訪れた国で出会った青年で、高い身体能力と複雑な過去、密かな夢と弟妹愛にあふれた超・魅力的な人物です。今回の映画は、実質デクとロディのバディものの構造になっており、全編にわたって大活躍します。『ヒロアカ』の名ゼリフを借りるなら、「これはロディが最高のヒーローになるまでの物語だ」と言っても過言ではありません。

性格も良い奴で、感情も豊か。みんなが好きになってしまうキャラクターを演じたのは、『空の青さを知る人よ』でも抜群の声の演技を披露した吉沢亮さん! 今回はさらにプルスウルトラした表現力を見せつけており、上手すぎて惚れぼれさせられます(ご本人も大の『ヒロアカ』ファンというのも嬉しい限り)。

ロディの魅力&吉沢亮さんのハマり具合は原作者の堀越先生が「ロディ沢亮さん良かったです」「本編に出ないかな。出てほしい。」とTwitterでつぶやくほどなので、これは近い将来原作に登場するかもしれません。

3 爆豪&轟に見る、キャラ愛の深さに脱帽

今回は、劇場版第2作『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』のように、1年A組が全員で一緒に大活躍、という構造ではありません(むしろ、本作を経て成長したからこそ、それぞれ各国で頑張るフェーズに)。その代わりに、ロディと爆豪(かっちゃん)・轟(ショート)がしっかり描かれます。

かっちゃん&ショートのファン的には、見せ場のアクションもさることながら(かっちゃんがあのポーズを決めるのがシビれる!)、ふたりの「行くぞ」「命令すんな!」に代表される掛け合い、ショートとデクのステイン戦を彷彿させる会話が見られるのも嬉しいですし、「実は最も頭が切れるかっちゃん(彼のおかげでヴィランのアジトが速攻で割り出せる)」、「ショートくんはやっぱり過保護(とても親切に『スマホのバッテリーを抜かないと追跡されるぞ』と教えてくれる)」といった、それぞれのキャラのファニーな特長をちゃんと描いてくれている“ブレなさ”にニヤニヤさせられます。

もちろん、デクくんにも熱いシーンがたくさん用意されています。オールマイトの話題でロディと盛り上がるところも良いですし、「自分はカッコ悪いままだからカッコよくなりたい」というセリフや(ここは体育祭編とリンク)、「けがをしても護ろうとした人が無事ならそれでいい」という狂気にも似た自己犠牲の精神、「困ってる人を見ると、救けたいと思っちゃうんだ」というヒーローの本質(これは1話から描かれているデクの特長)、さらにはそのシーンでデクの傷だらけの上半身を見せる演出もあり、キャラクターへの愛が半端ないほど深いです。さすが『ヒロアカ』!

4 演出にセリフ…あるゆる箇所にリンクが張られている

先ほどの項目でちらりと述べたように、本作は至る所にこれまでの『ヒロアカ』シリーズとのリンクが張られており、いちいちグッときます。大きなところでいうと、クライマックスのフレクトとの闘いは「USJでのオールマイトVS脳無」「神野でのオールマイトVSオール・フォー・ワン」「デクVSマスキュラー」「デクVSオーバーホール」等々、これまでの歴戦の要素・演出がこれでもかと仕込まれており、ファンにはたまらないものがあるはず。

また、フレクトが率いる組織「ヒューマライズ」は、“個性”保持者の殲滅を企んでおり、そのために世界中に「個性因子誘発爆弾」をばらまく姿が描かれます。この設定・展開はちょうど今TVアニメで始まった「ヴィランアカデミア編」で登場する異能解放軍や、「死穢八斎會編」で描かれた個性をブーストさせる薬物も加味して考えると、とても面白いです。

端的に言うと、これまでの敵(ヴィラン)は「個性を自由に使わせろ!」という思想が多かった。そこに対し、今回のヒューマライズは「無個性こそが人間の真実の姿」という主張を行うわけです。そのギャップが新鮮ですし、元々は無個性だったデクがその野望を打ち砕こうとする、という構造がとてもグッときます(劇場版第1作のキャラ、メリッサが一瞬だけ挿入されますが、彼女も無個性。こうした演出も最高です)。『ヒロアカ』は個性に左右される人々の苦しみも描いていますが、今回もちゃんとその根幹を踏襲しているのです。

このように、ファンであればあるほど楽しめる要素が無数にあるので、ぜひ本作を観終えた後はTVアニメを観返したり、原作にも手を出していただければ嬉しいです。

5 原作もフォローすると楽しみがプルスウルトラ化!

はい、ということで最後に……。基本的にはTVアニメ版をご覧になっている方に向けて書かせていただいてきましたが、劇場版第2作がアニメの展開を追い越した物語を展開させたように、『ヒロアカ』はできる限り全部網羅しておいた方がどっぷりハマることができます。ちょっとMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に近いですね。“つながり”が非常に計算されている作品なので、宜しければ色々と予習・復習をしてからもう一度劇場版第3作を観てみてください。きっと、様々な仕掛けに気付くはずです。

また、今回はキャラクターを絞っているため、推しの活躍が観られなかった……と落ち込んでいるファンも多いかもしれません。ただ、例えば相澤先生だったらちょうどTVアニメで非常に大事な回が描かれましたし、もっと知りたければスピンオフ漫画『ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミアILLEGALS』を読むと良いでしょう。飯田くんのファンの方は、ぜひ本誌に追いついてください。大活躍が見られますよ。

このように、全部カバーしていると、推し成分が足りなくても他で補填できますし、むしろその辺りを全部計算しているのでは!?と思ってしまうほど、『ヒロアカ』の横展開は連動していて、奥が深いです。

まとめ

『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』は、スケール感あふれる物語や熱い友情ドラマ、ド派手なバトルアクションをライトに楽しむこともできますし、その一つひとつに込められた要素を深掘りすることで感動が爆上がりするコアな楽しみ方もできます。ただ正直、どんどんハマってコア寄りになっていく沼コンテンツなので、これを機にがっつり足を踏み入れていただけたら、もっともっと多層的に楽しめるのではないかと思います。来いよ少年少女、ここが君のヒーローアカデミアだ!

※ページの情報は2021年8月30日時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。

SYO (映画ライター)

1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイトの勤務を経て映画ライターに。「CINEMORE」「装苑」「CREA」等に寄稿。劇場公開映画の脚本・編集協力や映画祭の審査員等も務める。

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