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【映画ライターが分析】中村倫也・成田凌・佐藤健…心地よく響く”声の演技”が魅力的な俳優

#中村倫也 #佐藤健 #成田凌
2021年7月1日 by
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こんにちは。映画ライターのSYOと申します。先日始まったTVマガの新企画「流し目俳優」が大変好評で、第2弾を書かせていただけることになりました(読んでいただき、ありがとうございます!!)。

今回取り上げるテーマは、「声の演技」。役者にとっては表情やしぐさはもちろん、“声”も非常に重要な芝居道具です。トーンや声量、或いは声色や高低……さまざまな声の表情を使い分けることで、その作品ごとの役柄になり切ったり、同じ人物の成長や変化を示すのです。

もちろん「耳が喜ぶ」ような声をお持ちの役者さんは多数いらっしゃいますが、今回はその中でも特に「声の演技」が特徴的な方々を3人、ご紹介させていただきます。(本当は“推し”が多すぎて云十人単位で書きたいのですが、まずは第1弾ということでご容赦ください)。

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役に合わせて声を自在に変化! 稀代のテクニシャン、中村倫也

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飛ぶ鳥を落とす勢いの人気実力派・中村倫也さん。大好評のうちに幕を閉じたドラマ「美食探偵 明智五郎」や、公開中の映画「水曜日が消えた」、あるいはCMなど、多くの作品で大活躍中です。

もともと柔らかな低音が心地よい素敵な声質の中村倫也さんですが、演じる役柄によって多彩に声の温度を変化させるテクニシャン。例えば映画「水曜日が消えた」では、曜日ごとに人格が変わる――つまり1人7役を演じており、生真面目な“火曜日”とオラオラ系の“月曜日”では、発語の瞬間やテンポ、さらに息遣いに至るまで完璧に演じ分けています。

中村倫也さん自体、「どんな役でもできる」貴重な存在ですが、映画「孤狼の血」では血気盛んなヤクザを荒々しく演じて街中で絶叫し、映画「美人が婚活してみたら」や映画「オズランド」では爽やかな好青年(前者はおっとり系、後者はハキハキ系)、ドラマ「凪のお暇」では「メンヘラ製造機」の異名を持つ天然人たらしをふわりとしたかわいい声で表現しています。

9月4日に公開される映画「人数の町」では、借金取りに追われるお人よしの若者を演じており、彼が特殊な環境に置かれたことでどう変わっていくのかを、見事に声で見せ切っています。ご本人も「声の遊び」が得意な印象で、声のチャンネルを替えることで演技のアプローチをチューニングしている感がありますが、あくまで彼のスタンスは「役者ではなく、役が前に出てくること」(以前インタビューで発言されていたことですが、この言葉を聞いたときはしびれました)。

役柄を深く突き詰め、ぴったりハマるように自分を作り替えていく職人気質の中村倫也さんにとって、多くの“声”を使い分けることは必然であり、当然なのかもしれませんね。しかし、それをなしうる圧倒的な才能には、ただただ驚かされるばかりです。

俳優・声優・ミュージシャン! 声の演技のエキスパート、成田凌

病気療養中の清原翔さんに代わり、「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」に出演されることになった成田凌さん。彼のキャリアもまた、“声”が重要なキーワードといえます。

映画「キセキ あの日のソビト」では、菅田将暉さん、横浜流星さん、杉野遥亮さん(豪華すぎる!)と共に、劇中の音楽グループ「グリーンボーイズ」を結成。歌唱力を披露し、CDデビューも飾っています。さらに、映画「君の名は。」や映画「ONE PIECE FILM GOLD」では、声優を務めています。特に映画「君の名は。」で演じた勅使河原克彦(通称てっしー)は、非常に人気を博しました。あまりの声の演技の上手さに、成田凌さんだと気付かなかった方も多いのではないでしょうか。

約100人の中から主演に選出されたという映画「カツベン!」では、映画がサイレント(無声)だった時代、軽快な語りや登場人物を演じ分けて、観客を引き込んだ「活動弁士」役に挑戦。時にとどろくような野太い声で、時に可憐な声で多数のキャラクターを演じ分けるなど、成田凌さんの卓越した技術力が凝縮された作品といえます。

このように声を生かしたお仕事が多いイメージがある成田凌さんですが、9月11日に公開される映画「窮鼠はチーズの夢を見る」での声の演技も、秀逸です。本作では、1人の男性を一途に思い続けるキャラクターを、儚くも美しく熱演。イノセントな声で「キスして」と大倉忠義さん演じる大学の先輩にせがむシーンは絵画のように整っていて、「心底惚れるって、すべてにおいてその人だけが例外になっちゃう、ってことなんですね」とつぶやくシーンは、切なく響いてきます。成田凌さんの代表作になることは間違いない1本であり、彼の“声の演技”を堪能できるでしょう。

声・表情・動作のコンボで魅せる総合芸術家、佐藤健

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さぁ、いよいよ最後のお1人の紹介です。やはり、この方を抜きにして「声の演技」は語れないでしょう。それは、佐藤健さん。目を閉じて聞いても、一発で彼の声だとわかる美声の持ち主です。

佐藤健さんの特筆すべき特長は、身体動作と表情、声の演技のすべてが連結・連動していること。つまり彼は、「声だけ」「表情だけ」で演技することがないのです。これは非常に難しいことで、ついつい変化をつけやすい“小技”に走ってしまいがちなのですが、佐藤健さんは体幹から演技が拡散していくタイプ。そのため、表面的な演技にならない。その分ものすごく役作りが大変そうなのですが、しっかりこなせてしまうあたり、流石と言わざるを得ません。表現力は言わずもがな、資本となる身体能力がずば抜けているのでしょう。

映画「るろうに剣心」やドラマ「恋はつづくよどこまでも」が印象的ですが、役の変化が表情・動作・声にダイレクトに表れています。映画「るろうに剣心」で狂気の人斬りと温厚な流浪人を行き来する際の変貌ぶりは衝撃的ですし、ドラマ「恋はつづくよどこまでも」は単なるツンデレに終わらない“深み”をキャラクターにもたらしています。

声の出し方をみても、「刺す」演技が抜群にたけているので、耳にキン…!と入ってくる。沈黙からの「馬鹿か」などは一見グサッと刺さる悪口ですが、その奥には優しさや気遣いが潜んでいるから、愛情の裏返しだとわかる。それを声・表情・動作の全ポイントで見せてくる佐藤健さんは、さながら総合芸術家のよう。

余談ですが、ハーゲンダッツのCMでの佐藤健さんのナレーションは耳がとろけるレベルなので、必聴です(最新版の「ああ」は神です)。

まとめ

今回は中村倫也さん・成田凌さん・佐藤健さんをご紹介しましたが、ミュージシャンとしても超一流の北村匠海さん、映画「空の青さを知る人よ」の1人2役がハマりすぎていた吉沢亮さん、優しさから狂気まで一気にギアを替えられる窪田正孝さん、ぽつぽつとしゃべる声の1つひとつが艶やかな横浜流星さん等々、声の演技が素晴らしい役者さんはまだまだ数多くいらっしゃいます(今回は男優さんに絞りましたが、女優さんまで広げれば本当に無限大)。

一つ言えるのは、素敵な役者さんは皆さん、声のお芝居が本当に上手いということ。役者の武器として、やはり“声”は不可欠な要素といえるでしょう。今後とも、しっかり耳を傾けて、素晴らしい声の演技たちを聴きもらさないようにしていきたいと思います。

 

中村倫也、成田凌、佐藤健の歴代出演ドラマを星評価!

TVログでは、今回ご紹介した3人が出演したドラマに星評価をつけることができます!よかったら評価をお願いします!

中村倫也の歴代出演ドラマを星評価

成田凌の歴代出演ドラマを星評価

佐藤健の歴代出演ドラマを星評価

 

 

※ページの情報は2021年7月1日時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。

SYO (映画ライター)

1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイトの勤務を経て映画ライターに。「CINEMORE」「装苑」「CREA」等に寄稿。劇場公開映画の脚本・編集協力や映画祭の審査員等も務める。

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