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NEWS 増田貴久 地味さや素朴さを高いレベルで演じられるジャニーズ俳優【よしもと芸人が分析】

#増田貴久
2021年11月26日 by

こんにちは!芸人であり、放送作家であり、脚本家であり、ライターでもある宮地ケンスケ(ニブンノゴ!)です。

TVマガのジャニーズの俳優を語る連載「Jアクター研究部」。今回研究したジャニーズアクターはNEWSの増田貴久(まっすー)さん。ここ数年、役者としての活躍が著しいジャニーズアクターのひとりです。

「ボイス 110緊急指令室」「パレートの誤算 〜ケースワーカー殺人事件」「レンタルなんもしない人」そして最近は「古見さんは、コミュ症です。」での熱演も話題になりました。

なぜ、ここにきてまっすーが注目を受けるのか?その理由は「背伸びをしない等身大の演技」だと私は思うのです。

まっすーは演じることに魅力を感じていなかった!?

まっすーは2001年のドラマ「3年B組金八先生」の第6シーズンに出演。その後はゲスト出演という形でドラマに出る程度でした。

まっすーといえば圧倒的な歌唱力、そして「ネタパレ」「ぐるぐるナインティナイン Hi-Tension TV」でのバラエティスキルがありますが、私は、演じることにそこまで魅力を感じてなかったようにも思えました。

ですが2019年「ボイス 110緊急指令室」で大きな転機が訪れ、演技の魅力に取り憑かれたように感じます。役どころは主役の唐沢寿明さんのバディ役という重要なポジション。

雑誌のインタビューなどに「唐沢さんとは公私ともに仲良くしてもらっていた」と書かれていましたが、唐沢さんから芝居の話などを色々聞くことができたのではないでしょうか?実際にドラマでも回を増すごとに芝居の厚みが出てきました。

そんな中、このドラマで積んできたスキルを遺憾無く発揮したシーンが第9話にありました。まっすー演じる石川は殺人鬼・本郷雫(伊勢谷友介)に弱みを握られ、裏で情報をリークをしていたことに樋口(唐沢寿明)が気づきます。貸し切りにした馴染みの中華料理屋に石川を呼び、真実を伝えるシーン。

このシーンには唐沢さんとまっすーの2人しかいません。ここでは何か唐沢さんが「私が教えてきたものを全部ぶつけてこい」という気迫を感じました。例えるならラーメン修行していた弟子の最終テストを見守る大将のよう。真相を突き止められた石川。そして樋口は石川に背を向け「俺を撃て」と指示します。石川の葛藤する演技に私は雷が落ちたような衝撃をうけました。

1話のまっすーの演技を見た時「正直大丈夫か?」と思いました。でも9話で見違えるような姿に単純に言語化できない感動がありました。

私の考察ですが、あの場面から明らかにまっすーは変わったと思います。

「レンタルなんもしない人」で魅せた、演技の進化

演技の火がメラメラとついた勢いのまま「レンタルなんもしない人」を迎えます。これは実在する人をモデルにしたヒューマンドラマ。実際のレンタルなんもしない人のドキュメント番組も観ていたので主役をまっすーがやると聞いた時「雰囲気は似ているかも」と思いました。

そして、実際見て度肝を抜かれました。もうそこにいるのは実際のレンタルなんもしない人だったのです。とんでもないインストール能力。演技も脱力感をすごく大事にしたセリフまわしも、ただ真似るのではなく自分のフィルターを通してアウトプットしている。ここでもまっすーの演技の進化を見せつけられました。

印象的な場面は1話。派遣切りにあい、実家に帰ることを決めた女性が、レンタルなんもしない人へ、東京で過ごす最後の一日に付き合ってほしいとお願いする。

なんもしない人は特に優しい言葉をかけることはない。嘘偽りない「なんもしない人」(笑)

だけどそのなんもしないことが、うわべだけの人間関係しかなかった派遣社員だった彼女には居心地良さそうだったのです。熱演とはまた違うベクトルのハマり方をしていて、さらに役者としての幅を広げました。もちろんドラマは話題になり、まっすーは自分の演技に自信を持ったようにも感じました。

「古見さんは、コミュ症です。」でも素朴な演技が爆発!

そして、今年9月に放送された人気アニメの実写化ドラマ「古見さんは、コミュ症です。」主役・只野仁人に抜擢。放送前は高校生役を演じることに一抹の不安はありました。ですが第1話を観た瞬間に消え去りました。もうただの高校生です。こんなにも違和感を微塵も見せない35歳がいるでしょうか?

役どころは平凡で小心者の高校一年生。前回の「レンタルなんもしない人」でものにしたThe素朴感の演技が爆発!人気漫画の実写化となると批判が多いものですが、絶賛の声に染まります!

私が個人的に好きだったシーンは第4話、高校デビューの片居誠(溝端淳平)がマレーシアに転校が決まり古見さん(池田エライザ)、万場木留美子(吉川愛)、只野で海に行く回。終始コミカルな展開だったのに最後とうもろこしをみんなで食べている時、別れが辛く片居が泣いてしまう場面、只野が「どんな遠くへ行っても、この空のように繋がっていますから」と言うのです。コミカルモードで見ていたのに急にジーンとさせる一言に私は自然と涙がこぼれていました。

巧みな緩急にこの作品でもまっすーが進化をしていることを知らされました。いやはや、あっぱれですよ!こんなにも「素朴」を高いレベルで演じられるジャニーズアクターは過去にいたでしょうか?

今までのジャニーズだと「地味」や「素朴」を売りすることに名乗り出る人はいませんでした。それは勇気がいることでしょうし、ジャニーズでいる以上絶対輝きたいはずです。でもまっすーはそこに自ら突き進んだのです。

まっすーはすごく眩しいオーラを放つこともできるし「レンタルなんもしない人」森山将太役や「古見さんは、コミュ症です。」只野役に合わせて、地味な光にも調整することができる。

この振り幅は、今後ドラマ界でさらに爪痕を残すことになるでしょう。

 

 

ニブンノゴ! 宮地ケンスケ(みやじけんすけ)

芸人・構成作家。1976年生まれ、高知県出身。趣味はドラマ鑑賞、ジャニーズのチェック、体を鍛えること。

 

写真:岡村大輔

※ページの情報は2021年11月26日時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。

宮地ケンスケ(ニブンノゴ!)

芸人・構成作家。1976年生まれ、高知県出身。 趣味はドラマ鑑賞、ジャニーズのチェック、体を鍛えること。

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